2014年3月20日木曜日

92/100『自分を愛する力』乙武洋匡


以前読んだ本!!
自分を愛する力』乙武洋匡(ライター、教師)
発行:2013年3月 講談社現代新書
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:238ペー


【本のテーマ】(裏表紙裏より抜粋)
 なぜ僕は生まれつき手足が無いという障害を「受け入れ」「苦しむことなく」、ここまで人生を歩んでくることができたのか。僕なりに考えてみると、”自己肯定感”という言葉にたどりついた。自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在だ」と、自分自身のことを認める気持ち。この”自分を愛する力”が、何より、僕自身の人生の支えとなってきたように思うのだ。
――「はじめに」より

【目次】

はじめに
第一章 息子として
第二章 教師として
第三章 父親として
自分を愛せない人への処方箋(泉谷閑示氏との対談)
おわりに

【概要】
第一章 息子として
 乙武さんが生まれてから、両親からどのように「自己肯定感」を育んでもらえたかについて述べていた。

第二章 教師として
 一度はフリーの記者になったが、教育の道に進みたくなり、教員免許をとって教師になる。
「手足の無い自分にはできない事が多い」と感じてしまうこともある反面、
だからこと見えている価値観を子供たちに伝えようとし、それに対して子供たちも反応を返してくれる。感動的なエピソードが書かれていた。

第三章 父親として
 結婚し、子供が出来てから、妻と、子供と、それぞれの関係や葛藤について述べられていた。
それぞれの個性を認め合い、弱い部分を補い合い、助け合う関係について述べられていた。

自分を愛せない人への処方箋(対談)
 自己肯定感とは何かについて、精神科医の泉谷氏と対談していた。
子どもは「育てる」ものではなく、「育つ」ものである、という考えから、親の価値観でレールの上に無理やり乗せるのではなく、育っていくのを見守っていく姿勢が必要であると述べていた。
許容範囲である「ストライクゾーン」を少しずつ広めていくこと、人生の小径に入っていく人を認め、また自分も小径に入っていく覚悟と、思考能力を身に着けることの大切さを述べていた。
そして、日本の「ムラ社会」的価値観が、それを妨げていること。等を述べていた。

【感想】
就活中に読んで、勇気づけられました。
「五体不満足」も昔読んで、なんとなくそのイメージが残っていたのですが、
多少脚色はあるかもしれませんが、やっぱり、明るくて眩しくて、前向きな乙武さんの生き方はすごいと思い、そんな乙武さんの前向きさを作っている要素を知ることができる本でした。

この本を読んだおかげで、自分の中でも「自己肯定感」って何だろう。とモヤモヤ考え始め、
就活終わってから、「自己愛」とかをテーマにした「自己認識」系の本を読みました。
自己愛は過剰になっても不足してもいけなくて、丁度いい「健全な自己愛」が人間には必要だと思うようになりました。でも、その「丁度よさ」がすごく難しいと思います。
そして、そんな「丁度よさ」に辿り着けるかどうかは、やはりある程度は周りの「人」の影響が大きいと思います。
 「あなたのことを大切に思っているし、あなたの考えを尊重します」という、そう感じさせてくれる環境の中にいれば、「自己肯定感」はぐんぐんと伸びていくと思うし、逆に、「あなたのためを思って言っているのだから、こうしなさい」とか、「こうだよね」という風に決めつけ・押しつけられるの環境の中にいれば、「自己肯定感」はどんどんと萎んでいきます。
そう再認識させてくれる本でした。

乙武さんは以前Twitterで入店拒否の話で話題になりましたが、
それも乙武さんの「自己肯定感」があったから起こったことであって、
それが「過剰」だったのか、それとも「丁度いい」範囲内だったのか、
それは、その場にいた当事者達にしか分からないので、
あんまりとやかく言いたくないし、言われてるのも見たくないな。と思います。
乙武さんの本は、落ち込んだ時には元気出るのでおすすめです。

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