2014年2月26日水曜日

中国・四国旅行のこと

卒業旅行記第二弾。高校の親友と広島―岡山―香川をめぐってきました。

一日目 2/18(火) 天気:晴
8:30 各自新幹線チケット購入(9,440円)後、大阪駅集合
8:36大阪駅発―新大阪―10:06広島駅着
ホテルニューまつお、(一泊2,900円)荷物置きに。
昼食 @麗ちゃん(広島焼き)地元民からも愛されるお店。朝だというのに客多くて、食べてたら並び出して、びっくりしました。ソースはカープソース。しかし関西人にとっては味が薄く感じて、追加でソース掛けていただきました。麵がそばかうどんか選べるのですが、そばの方がおすすめです。
その後、電車に乗って宮島口へ。宮島口からフェリーで宮島へ。(電車400円、フェリー170円)
宮島着いたら、表参道を通って厳島神社参拝。満潮での参拝、干潮の景色も見てみたかったで  す!けど、海に浮かぶ全長16mの社も荘厳でした!観光客で大阪の美容学校からの団体(百人くらい)が来てて、若者率が一気に増えました。
表参道では、もみじまんじゅう食べたり、牡蠣食べたりしました。「牡蠣くん」というお店が、牡蠣に色んな味付け(醤油バターとか、変わり種ではピザとか)があって、美味しかったです。テレビでも取り上げられてたようです。宮島ビールが気になったけど、結局買わずじまいでした。
15:30頃フェリーで帰る。広電宮島口から原爆ドームの方に向かう。
以前本で読んだ袋町小学校の平和資料館へ。被爆後に、爆心地付近にある、かろうじて崩壊せず避難所となっていた袋町小学校に、家族を探してやってきた人が小学校の壁に伝言を残したものが保存され、展示されていました。本で読んだものを実際に見るのは、なんだか達成感がありました。地下一階には映像があり、NHKが編集した、その伝言についての映像が15分くらいでまとめてありました。「誰かを探して壁に伝言を残す」というのは、現代にも十分繋がるものがあるので、貴重な資料だと思いました。
17:00ごろに原爆ドーム・平和記念公園へ行きました。資料館はもう閉館時間過ぎていたので中は見れず、外から見て、公園をぐるっと回りました。原爆ドームはそのままの姿で残されていて、やはり衝撃的でした。その崩壊具合を見て、東日本大震災のボランティア行ったときに見た崩壊した大きな体育館と重なりました。どちらも大きな建物なので、どのようにしてそうなったのか、というのは、どちらも想像しても想像しきれないものだなぁ。という感想を抱きました。
その後、晩御飯は袋町の海平商店という牡蠣料理のお店。そこで、刺身盛り合わせ(900円くらい)と牡蠣の味噌鍋(1000円)をいただきました。鍋に後でご飯を食べておじやにして食べました。美味しかった!その後ホテルに帰って就寝。部屋乾燥しててのど痛くなった(ToT)

二日目 2/19(水) 天気:晴
朝9:30ごろに起きて「電光石火」という広島焼きのお店へ。こちらは一日目の「麗ちゃん」と比べると、現代的な感じに作られていました。球状の広島焼き、ソースはおたふくソース。食べなれた味なので、一気に食欲がわきました。こちらも朝なのに少しずつ客が増えてゆきました。さすが人気店!
その後、広島駅からJR山陽本線に乗って三原で乗り換え、倉敷へ。(2,520円)
昼前に倉敷に着き、まず荷物を置きに。ゲストハウス「有燐庵」へ。最初スタッフの人がすごいフレンドリーな対応でちょっと戸惑いました。午前中から夕方までは一階をカフェとして使い(幸せプリンというのを数量限定で販売しています)、夕方から夜はゲストハウスとして使う、という場所でした。
荷物を置いてから、倉敷をうろうろ。町並みは京都の長屋みたいな雰囲気もありつつ、時々西洋風の建物もあり、白い壁の長屋がちょっと江戸時代くらいの感じも醸し出し、最終的には、明治・大正時代くらいのモダンな雰囲気を漂わせている町並みでした。
アイビー学館というところ(クラボウという紡績所の資料館)を見学しました。昔むかし、あるお金持ちの大原さんがそこらへん一帯を所有していて、紡績所として倉敷は栄えていた。みたいな話をゲストハウスの女将さんから聞きました。うろ覚え(^-^;
そして、昼食に小豆島(しょうどしま)ラーメンを食す。小豆島ラーメンは売り切れだったので、醤油ラーメンを注文したけれど、魚ダシ系のラーメンにしては匂いがきつくなく、麵を食べた後にはご飯を追加しておじやにしていただきました。友達はここのラーメンめっちゃ気に入ってました。笑
その後、大原美術館へ。ルノアールからピカソ、ムンク、など有名な人の絵も飾ってありました。一押しはエル・グレコの「受胎告知」となっていました。一枚だけ特別に展示されていましたが、友達はそれを見た後に述べた感想は、、「この女の人、AKBの峯岸に似てる」でした。笑
僕もその絵は良さを語れるほどの審美眼を持ち合わせていませんでした。
他には、児島虎次郎という人の絵が数点飾ってあり、この人が大原美術館の絵を集めた人、例の大原さんから出資を受けて留学した、というような話をゲストハウスの女将さんから聞きました。
その児島虎次郎さんの絵で、「エキゾチックな女」という3枚の絵が味が出ていて気に入りました。
他にも、テーマ別に絵が飾ってあったり、別館には現代美術の展示があり、草間彌生さんの絵が一枚だけありました。(良さはわかりませんでした(^-^;)しかし、良い絵がたくさんあって見ごたえのある美術館で、閉館までの1時間、じっくり見て回りました。本館・別館とあと二つみれたのですが、時間足りませんでした。
その後、友達が先輩から聞いたというコーヒー館に行ったのですが、ちょうど閉店の時間で、明日の朝に行こうということにして、ゲストハウスのチェックインまでぶらぶらすることに。5時を過ぎると閉まってしまう店が多く、倉敷の美観地区の外の喫茶店で漫画を読んでゆっくりしました。
その後、ゲストハウスへ。ゲストハウスでは、まずルールと案内の説明を受け、その後、近くの銭湯へ。銭湯は昔ながらの銭湯、という感じでした。その日の同室の大学生・Iくんと3人で銭湯に行き道すがら、それぞれのことについて話をしました。
風呂に入って、ゲストハウスに戻ってからは、ゲストハウスのスタッフの方と女将さんが、それぞれどういう経緯でここにいるのか、というお話を聞きました。人生いろいろあるんだなぁ。とまた勉強になりました。その女将さんは、日本一周して、間もなく世界一周を計画している。とのことで、自分が思っている以上にいろんな生き方があると実感しました。
夜になってから、その日の居住者で一緒にバーに飲みに行きました。ギネスビールとカルアミルクを飲みながら語り合い。その日の居住者は合計9人。出身も年齢も様々で、一人旅できた19歳の女子大学生もいれば、医者を目指す学生さんもいて、マラソンに参加しに日本に来た台湾の方や、ゲストハウスを経営することが夢のカップルさん、そして九州で友達と落ち合う予定で、単車でここまで来たIくん。そして、ネットワーカーを目指す沖縄在住の元ゲストハウススタッフさん。(間違ってるかも)そんな中に、弁護士志望の友達と、中国留学行ってた自分。なんだか、寄せ鍋みたいな、色んな人が集まってて、面白かったです。自己紹介だけで盛り上がって、時間がどんどん過ぎました。僕は結構人見知りなので、聞き役に徹していましたが、ちょくちょく交流できて、楽しかったです。1時くらいまで飲んで、そこから帰って、すぐ寝ました。

三日目 2/20(木) 天気:晴
朝9:00ごろに起きて、居住者のメンバー数名に朝食に誘われて、うどんを食べに。その日は香川でうどん食べ歩きの予定だったので、後から考えるとしくった!と思ったのですが、また新たな交流ができてよかったです。
食べてから各自解散、僕と友達は昨日行き逃したコーヒー屋へ。ゲストハウスの女将もおすすめしていた琥珀の女王(750円)を注文。エスプレッソ並の大きさのカップに、氷がひとつ浮いていて、表面はクリームの白。味は、コーヒーをリキュールと蜂蜜で割った苦くて甘い味で、一口飲めば口に味が広がり、量は少しだけなのに、ゆっくり飲むことができました。お店の雰囲気もレトロな感じで、上品な時間を過ごせました。
その後、倉敷駅から岡山駅まで戻り、そこからマリンライナーで瀬戸大橋を渡り香川へ。
ゲストハウスの女将さん情報によると、さぬき付近はおいしいうどんが少ない。とのことでした。
持参したある本によると、香川県民にとって「うどん」はあまりにも日常的すぎるため、観光客に向けてアレンジされているものが少ないとのことでした。西の方へいくとおいしいものが多いそうです。
それらの情報をもとに、まずは「西の方」であろう丸亀駅付近へ。駅付近の漁港近くにある「一打入魂 喰うかい」というお店へ行きました。メディア拒否の店らしく、ネットの口コミをもとに行きました。店内は小ぢんまりしていましたが、地元の人からは愛されているようで、昼過ぎにもかかわらず、人が入っていました。そこのうどんは、生醤油だしで、関西人としては、濃すぎました。しかし、かしわ天うどんが一杯なんと380円。麵はねじれ麵でコシがあり、かしわ天も5個くらい入っていて、ボリューム満点でした。店の大将も気さくな方で、話しかけてくれました。しかし、香川は観光する場所がないから、うどん3杯くらい食べて帰りや。と言われて、ほんとに「うどん県」なんだなぁ、と実感しました。それから丸亀城に行きました。螺旋状に石垣が60mも続いており、高さは日本一だそうです。しかし天守閣の大きさはそんなに大きくなくて、「惜しい」感じでした。上からの眺めはとても良かったです。山頂から少し遠くに見える飯山(はんざん)のもっこりしたシルエットが印象的でした。それから、丸亀から高松駅まで東に戻りました。
高松駅のすぐ近くに、丸亀商店街というわりと大きな商店街があり、そこは少し前までさびれた商店街であったのを復興させた良い例として有名になったそうで、行ってみると確かに洗練された感じのおしゃれな、割と長い商店街でした。そこで一通り歩いた後、商店街の南にある「うどん棒」というこれまたネットの口コミに乗っていたお店へ。友達は「蛸天うどん」僕は「おかちうどん」を注文。今度はダシは生醤油ではなく普通のダシて、しかし麵のコシとダシの美味しさで、大阪で食べるうどんよりも美味しくて、大阪のちょっといいお店で食べるような感じのうどんが600円で食べれるというのは、やっぱり香川ならではなのかな。と思いました。正直その時食べ続けで、結構お腹いっぱいだったので、味のレポートはあまり上手くできません(ToT)しかし、美味しかったです。
それから歩いてバスターミナルへ行き、17:45発のバスで大阪へ。
平日ということもあり、乗客は数名。3列シートでゆったり座れました。

【旅のまとめ】
広島焼き・牡蠣・ラーメン・うどんと、グルメ旅でした。また太ったな(ToT)
関西人にとって、広島焼きのソースは味が薄くて、香川の生醤油うどんは味が濃かったです笑
でもそういう違いもひっくるめて美味しい旅でした!
地元の人との交流も、少しでしたが、できました。交流の中で聞いたのと、盗み聞きして聞いた方言はイントネーション含めわりと関西のものと違っていない印象を受けました。(気付かなかっただけかもしれないけれど)
そして、ゲストハウスに泊まったのが、新鮮で楽しかったです。いろんな人生があるんだなぁ。と勉強になったと同時に、自分より若い人たちの行動力溢れる姿に羨ましさを感じました。彼らを見習って、行動力もっとつけようと思いました!

あとは、旅行のために原爆の本読んで知った袋町小学校に行けたり、厳島神社について「るるぶ」で予習したり、amazonで買った文庫本「47都道府県うんちく事典」を持って行って県移動する前に情報を仕入れたり、そういう旅する場所のことを勉強すれば楽しさが倍増するということを実感しました。
中国留学してた時もそういうことをもっとすればよかったなぁー。と思ったり。
これからの旅行もきっと頑張って予習して行きます!

厳島神社の干潮の時に行きたいのと、原爆資料館も機会があれば中まで見たいです。
以上旅レポートでした。長々とありがとうございました。

2014年2月23日日曜日

台湾旅行のこと。

忘れないうちに、ゼミ旅行のことを書いておこうと思います!


台湾旅行 2014.2.12~14

前日2月11日夜22:00
大阪のジャンカラでオール。しおり作成。
朝の4時30頃のバスで関空へ。

一日目 2月12日 天気雨
10:30ごろ 台北桃園国際空港到着
バスで台北市内へ(片道125TWD)
ホテル(你好台北)に行ってチェックイン、荷物を置かせてもらう。
ホテルはゲストハウスみたいなところで、対応が完全英語で、面食らいました笑
昼食@鼎泰豊(小籠包10個で300TWDとか)
鼎泰豊は、事前に電話予約していたけど、その時に「お客様が多いと待っていただくことになるかもしれません」と言われていて、どれくらい待たされるのかな、、とはらはらしていたけど、割とすぐに(15分くらい)で席に通してくれて、サービスもすごく良くて、さすが!って思いました。
交通カード(悠游卡)を作る。学生証を見せてチャージ100TWDでデポジット100TWD
永康街散策、タピオカミルク(珍珠奶茶)飲む(45TWD)
(自由行動)4人で行動。はしまき的なもの(天津蒽抓饼)を食べる。(一份25TWD)
はしまき買う時に、友達がお釣りもらえてなかったらしくて、その旨を中国語で伝えたら、揉めることもなくすっと渡してくれて、「おっ!?」ってなりました。笑
永康街ぶらぶら、雑貨屋めぐり。何も買わない。
待ち合わせ時間に集合、そこから一旦ホテルに戻り、20:00頃から士林夜市へ。
諸事情によりゼミの先生がホテルにたどり着けなくて、ご迷惑をかけてしまった(ToT)
けど士林夜市行く前に出会った時には、意外にあっさりしていくれてはってよかった。
(自由行動)鉄板焼きで黑椒牛肉とかを食べる。台湾ビール飲む。
でかいソーセージ(一本35TWD)、ツナチーズの入ったパイ(50TWD)を食べる。
適宜ホテルへ。


二日目 2月13日 天気雨
朝8:30 朝食、ホテル付近の半屋台みたいなところで、牛肉のはしまき的なものと、焼きそば的なものを食べる。
(自由行動)昼食後、先生が駅の方へ行こうというので、数人で行く。
先生と本屋へ行き、僕は本屋の横のCD屋へ行き、周杰伦のアルバムを購入(439TWD)。
選ぶのに時間かかってる間に完全に単独行動になってしまい、地下街の方とかぶらついた後(ほとんどまだ開いてなかった)、ホテルに戻ろうとしたら、再びホテルから出てきた先生とすれ違ったので一緒に行動する。新光三越の方へ行き、まだ閉まっていたので、近くの銀行で先生が両替するのに付き添う。その後駅の地下街をうろついた後、台北車駅の駅ナカを見た。夜ご飯食べれそうなところを探すけれど、お店の時間閉まるのが早いと知って断念。駅ナカの駅弁が美味しいと聞いていたので、お昼御飯用に買う。
昼前から、先生がチャーターしてくれたバスにのって九份の方へ。
しかし、九份に辿り着くまでにいくつか寄り道をした。
まずは十分。熱気球に願い事を書いて空に飛ばした。
それから、滝(十份大瀑布)。でっかかった!
そして、陰陽海。黄鉄鉱が流れ出て海の水と混ざるから境目で色が二色になっている海を見ました。その後、その水源となっている滝を見ました。
そして、台灣煤礦博物館(台湾炭鉱博物館)へ。
台湾が日本の領地下だった時にも盛んだったという炭鉱の歴史を見ました。
実際にヘルメット付けて、炭鉱の洞窟みたいなところも歩きました。
しかし、歴史の知識もなく、説明が中国語だったのであんまり分かりませんでした( ;∀;)
大きな本物の金が置いてあったのが印象に残ってる。
ネットで見るところによると、晴れてたら(かな?)トロッコにも乗れたり色々体験できたみたい。
その後、九份へ。人が多いから自由行動になり、三人でうろうろ。
見晴らしのいい方に行っても、悪天候のため、霧がかった感じ。残念。
しかし、その後他のメンバーとも合流し、千と千尋のモデルとなった茶屋を見学。
そして、その近くのお茶屋で休憩し、集合場所へ。
バスに乗って帰宅。
バス代は1時間単位で予約していて、結局1時間早く帰り着いたから、
先生が運転手さんに交渉して1時間分安くしてもらっていた。先生の交渉術すごい!
帰宅後、台北車駅の二階のフードコートで晩飯。緑・オレンジ・プレーンと三種類のカラフルな水餃子を食べた。
その後ホテルに戻るが、地下街散策にメンバーが流れる。先生は部屋に戻るようだったので、一緒に部屋に戻る。それから単独で地下街に向かう。朝の時よりにぎわってて、iPhoneのケース(325TWD)と充電ケーブル(99TWD)を購入。
部屋で休んでる体調良くない友達に栄養ドリンク買ってくて欲しいって言われてたので、コンビニへいったら、他のメンバーに合流。店員さんに聞いてみたら、精力剤を勧められる。笑
結局中国製の栄養ドリンクを発見し購入(一本20TWD)。
夜はみんなで部屋でわいわいした。大富豪夜中の3時くらいまでやってて、楽しかったけど疲れた笑
修学旅行みたいなノリやって、こんなん出来るのももう最後かなー。て思った。

三日目 2月14日 天気雨
朝龍山寺へ。線香買ってお参り。
その後、西門へ行き、二グループに分かれて昼食。その後自由行動で街を散策。
4人でしばらく歩いてたら、メンバーの一人の体調が悪くなり、タクシーでホテルに戻ることに。
けどホテルの方向が分からずに現地の人っぽいおばさんに人に聞いて、
最初最寄り駅の方向教えてもらって、その方向に行こうとしたら、
頼りないと思ったのか追っかけてきてくれはって、その親切心に甘えて、
現状を説明して、ホテルまで戻りたい旨を伝えた。この時が一番中国語使いました。
それで、そのおばちゃんがホテルの方向に向かうタクシー捕まえてくれて、乗りました。
そして、タクシーの運ちゃんに再度ホテルの場所を説明。
ホテルの名刺とか持ってなかったから、出口がM3や、とか、三越のそば、とか、説明しました。
ホテルついて、もうチェックアウトしてたけど、休ませて欲しいって頼んだら許可してくれました。
そして、残りの3人でホテル近くのパン屋さんでパイナップルケーキを購入。
台北市内のグランプリをとったらしくて看板出てて、2日目に買って食べてみたら美味しかったです。
そして集合時間までホテルのロビーでゆっくりしました。
ホテルの従業員の人に、お礼でみんなで集めた日本の硬貨を渡そうとしたけど、
「チップは受け取らないんです。皆さんが気持ちよく過ごしていただけたなら、それだけで良いのです」みたいなこと言いはって、また「すげえ!」って思いました。
硬貨が多すぎたのか、渡し方がチップぽかったのかな、とか反省。とにかく感謝!
集合までに先生に手相を見てもらったら、左手が逆「て」の字である「ますかけ相」なので、すごく珍しいって言われ、あげくの果てに「おかしい!」って言われた。笑
いい意味で受け取っておきます!
後は帰るだけ、と思いきや、空港までのバスのチケットを往復で買ったつもりが片道やった!
「全票・半票」の意味が「大人・子供」だと思わないで、「片道・往復」だと勘違いをしていたようで。皆にさらに払わせるはめに。。。( ;∀;)
そして、今度こそ帰るだけ、と思いきや、交通カードのデポジットを忘れてたのをバス停に向かう直前で思い出し、先生に言ってから、一人地下の駅の方へ。バス間に合うのかー、と不安になりながらも返金に成功、バスの場所も迷いながら行ったら、先生一人で待ってて、他にもはぐれた人がおったらしくて、すごく心配してはった。最悪先生だけ残って、他の人で先に空港に行って、と言われて、こちらまで心配になったけど、結局全員そろってバスに乗れた。よかったー。
しかし、それだけではく、空港に着くと、日本の雪で飛行機が遅れることが判明。
フードコートで、大富豪で時間つぶして、なんとか搭乗。
しかし、日本についてからも終電が無いので、第二ターミナルで梅田までのバスの始発まで待機。
日本着いて最初に買って食べたセブンの塩ラーメンがすごく沁みた( ;∀;)日本食やっぱおいしい!寝たらスリに遭いそうやからできるだけ起きてました。椅子を確保できて各自ゆっくりしてたら、その日が2月14日ということもあり、女子メンバーがチョコレートをくれました。やったね笑
そして、2月15日の朝帰宅。そっこーで風呂入って寝ました。

【旅のまとめ】
4年前に台湾行ったのですが、だいぶ前で色々忘れていたし、その時は留学前で中国語も分からなかったし、今回の旅行では、また違う視点から観光で来て、楽しかったです。
まずは、台湾の人の民度が高かった!と感じました。中国本土には、あんまり関わらない方が良さそうな人が時々いたのですが、台湾はそんなに見かけませんでした。
そして、道聞いて助けてもらった時の親切さが半端なかった!台湾の人の優しさを知れるすごい良い経験ができたと思います。
あとは、寒かった。天気予報では最低気温が13℃とかやったし、親の知り合いが最近行って、温かかった。とのことだったので、これは上着いらんのちゃうん?と思って、ユニクロのウルトラライトダウンジャケットしか入れていかなかったのに、雨も降ってたのもあり、想像以上に寒かった!
特に二日目が山の方ということもあり寒かった。しかし、ウルトラライトダウンジャケットの存在を忘れていて、薄着で行ってめっちゃ冷えた!さらに、夜には大富豪で夜更かし、出発前にはカラオケオールをし、体を酷使する旅をしてしまった。笑
あとは、集団行動が久々すぎて、馴染めなかった。総勢11人だから、別行動は必須やけど、何回か単独行動して、「あ、KYかな」と思ってた。しかし、おかげでアルバム買えたし、やりたいことできたから良しとしよう!
やっぱり旅は少人数でする方が好きだな!一人旅やったら、迷ったり勘違いしても迷惑かける人少ないし!
長々と書きましたが、台湾旅行はこんな感じでした。
思い返しながら書くの楽しかったです。グダグダですが読んでくれた人ありがとうございました。

2014年2月18日火曜日

71/100『僕は君たちに武器を配りたい』 瀧本哲史


読破っ!!
『僕は君たちに武器を配りたい』 瀧本哲史(京大客員准教授)
発行:2013年11月 講談社文庫
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:257ペー


【本のテーマ】(表紙帯より抜粋)
非常で残酷な日本社会で、20代が生き残るための思考法とは何か?不安に立ちすくむ日本人が、今こそ学ぶべき「本当の資本主義」とは何か?東大、マッキンゼーを経て、京大で人気NO.1の授業を持つ客員准教授が世に問う必読の書。2012年度ビジネス書大賞受賞の名著をエッセンシャル版にして文庫化。

【目次】
はじめに
第一章 勉強できてもコモディティ
第二章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
第三章 学校では教えてくれない資本主義の現在
第四章 日本で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
第五章 企業の浮沈のカギを握る「マーケター」という働き方
第六章 イノベーター=起業家を目指せ
第七章 本当はクレイジーなリーダーたち
第八章 投資家として生きる本当の意味
第九章 ゲリラ戦のはじまり

【概要】
第一章 勉強できてもコモディティ
 勉強すれば大丈夫、と思ってはならない。勉強ができても、そのことが普遍化(=コモディティ化)してしまい、例えば、弁護士になっても、イソ弁(居候弁護士)やノキ弁(軒先弁護士)さらには野良弁になってしまうことがある。生き残るためには、何らかの「スペシャリティ」な人間になることが必要である。

第二章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
 かつての「護送船団方式」は批判され、資本主義に切り替わった。一部の頭が良い人が決めるのではなく、「よりいいものをより安くつくれる」人が社会を進歩させる世界に突入した。「組み合わせ産業」から「擦り合わせ産業」に進んだが、今、更なる進歩が求められている。ものづくりとしての地位はもはや中国にとって代わられ、経済産業省が発表した「日本の産業をめぐる現状と課題」では、ものづくりの海外進出と、製造以外の分野での市場を拡大する。という方針を示している。「ものづくりのニッポン」それだけでは通用しない時代が来ている。

第三章 学校では教えてくれない資本主義の現在
 学生起業の危険性、専業主婦のリスク、「安定」という幻想が失われ始めている。大企業だからと安心せず、日本だけにとどまらない発想を持つべきである。と述べられていた。また、将来性のある会社を見極める方法について述べられていた。

第四章 日本で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
漁師を例に、設けることができる漁師の特徴として、①トレーダー(物を運ぶ)②エキスパート(専門性)③マーケター(付加価値をつける)④イノベーター(新しい仕組み)⑤リーダー(管理する)⑥インベスター(投資家)の6つをあげ、なかでも、①と②は価値を失いつつある。と述べていた。①は情報化の発展とコスト削減の極限化、②は社会の流動性の高まり、変化の激化によるものである。

第五章 企業の浮沈のカギを握る「マーケター」という働き方
 マーケターとは、「差異」=「ストーリー」を生み出すことができる人間である。既存のものを組み合わせ、共感が得られるストーリーを生み出す力が求められる。自分自身も「商品」だと捉え、自分の頭で考え、自身の特性を生かしたマーケティングが必要である。

第六章 イノベーター=起業家を目指せ
 自分の働く業界についての知識を深め、最終的には独立して自分の会社を潰す意気込みを持つのは効率的である。そのために「徹底的にパクる」ことと「逆の発想」が必要であり、低迷している業界にこそ可能性がある。

第七章 本当はクレイジーなリーダーたち
 リーダーにも様々な種類がある。まず、そこまで優れていない人をうまく使いこなす能力が求められる。とび抜けた才能があるリーダーはなんらかのコンプレックスを持っていることが多く、そのコンプレックスを原動力にしていることが多い。とびぬけた才能を持っていない人も、リーダーをサポートする役に回ることができる。

第八章 投資家として生きる本当の意味
 「会社は株主のものである」という考えを持ち、ハイリスク・ハイリターンを進んで、なるべく多く実践することが良い。サラリーマンや大企業で働くことは、ハイリスクである。しかも、危機が迫ってきていても気付かない場合が多い。新聞などの情報を全て鵜呑みにするのではなく、ニュースの「裏」について考える癖をつけ、短期的・長期的視野をもつことが大切。

第九章 ゲリラ戦のはじまり
 「リベラル・アーツ」(教養)を求め、「奴隷の勉強」をするな。投資家として生きたいなら、情報を自ら手に入れようとする「一手間」を惜しむな。

【感想】
 日本的経営に警鐘を鳴らしている本でした。グローバル化、資本主義化によって、日本の目指すべき方向が大きく変わり始めている。これまでの意識のままではだめだ!というメッセージの本でした。著者は投資家という職業であるけれども、やはり投資というとハードルが高いイメージがあって、「共感」という点では少しできにくかったです。随所に出て来る(著者を含めた)優秀な人のエピソードを読んでも、「出来る人は違うんだなぁ。」という印象を持ってしまうだけでした。
 しかし、学生の起業は危険である、とか、「コモディティ」についての広い意味での概念とか、生き残れる4つのタイプ、の話は深くて、核心を突いていると感じました。マーケターとイノベーターとリーダーの3つの要素を少しずつ持ち合わせるのが一番良いと思いました。自分自身専門性に欠けるところがあると自覚していたのですが、今後大事になってくるのは、専門性よりも、適応力であると述べられており、これまでの学生生活も間違ってなかったのかな、と思いました。学生のうちにたくさんのことを経験しておくことが良いのだと再認識しました。これから就職していく学生へのメッセージとしては、とりあえず、一度自分が目指す業界に就職することを勧めていたのが、起業を煽るタイプの自己啓発本とは少し違っているな。と思いました。
 現状を再認識させてくれ、気持ちを引き締めさせてくれる本でした。

2014年2月17日月曜日

70/100『オトコの仮面消費』 マッキャンエリクソン 大沼利広編著


読破っ!!
『オトコの仮面消費』 マッキャンエリクソン 大沼利広編著
堀井武宏、村口賢一郎、山下大輔、松浦孝行、有馬未来子 著
発行:2013年7月 ビジネス社
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:256ペー


【本のテーマ】(表紙帯より抜粋)
男ゴコロのマーケティング。~ワタシとオレとボクが買う、その理由~
デキる男を演出、モテるための背伸び、面白いやつを装う・・・。
タテマエやプレッシャーから生まれる男の仮面消費。
オトコたちの多彩な仮面と隠されたホンネ。オトコを動かす消費のメカニズムに迫る。

【目次】
はじめに
Part.1 オトコの買い物
Part.2 オトコの仮面消費
一章 ビジネス仮面――なんだかんだ言っても、オトコは仕事が大事
二章 恋愛仮面――悲しいかな。男はいつだってモテたい
三章 父親仮面――パパだってオトコでいたい
四章 仲間仮面――オトコだって仲間と群れたい
五章 自分仮面――オトコだって自分に惚れたい
六章 素顔のオトコ――妄想とは男に必要な癒しである
Part.3 オトコを動かすモチベーション
おわりに

【概要】
Part.1 オトコの買い物
 これまで消費のターゲットとして、女性にはよくスポットが当てられてきたが、男性にはあまりあてられてこなかった。男性が物を買わないというのは本当なのだろうか?男性は女性に比べてハコ物(家電製品)などの消費がある。また、「こだわり消費」などの特徴もみられる。そして、そのような消費の在り方、オトコの在り方も時代とともに変化してきている。物言わぬ大衆=「サイレントマジョリティ」としてのオトコという市場を考えていく。

Part.2 オトコの仮面消費
 オトコの在り方を考えるときに、役割期待や周囲からのプレッシャーを「仮面」として捉えるのが効果的である。本書では、「ビジネス仮面」、「恋愛仮面」、「父親仮面」、「仲間仮面」、「自分仮面」の5つの仮面と、「素顔」に着目し、その特徴を述べていく。

一章 ビジネス仮面――なんだかんだ言っても、オトコは仕事が大事
 仕事場において「デキル男」というイメージが変化しつつある。以前は仕事さえできていればよかったが、それに加えて、礼儀としての「清潔感」がより重視されるようになり、「アノニマス(匿名性)」という「無難さ」がスマートさを演出し、個を強調するより、集団の中で浮かずにうまくやっていくことが重視されている。その一方で、上司から部下への教育に避ける時間が減ったため、スキル習得や、オトナ文化を学ぶ機会が減ったことを自覚し、危惧している。そのような仮面を持つ彼らをターゲットとして狙う方法として、「清潔感の演出」から始まり、「スキル習得」や、「スキマ時間活用」、「オトナ文化」の習得などがマーケティングのキーワードとなる。
 また、サラリーマンNEOのディレクター、島耕作の著者との対談が掲載されていた。

二章 恋愛仮面――悲しいかな。男はいつだってモテたい
 オトコは「モテるオトコの条件」として、第一に「イケメンである」こと、第二に「話が面白い」ことをあげる傾向があるが、実際女性が求めているのは、性格であり、「一緒にいて楽しい」ことである。というアンケート調査結果を示していた。かつての「3高」(高収入、高学歴、高身長)という分かりやすい「モテる」基準が通用しなくなったため、オトコ達は試行錯誤を繰り返している。その結果「キレイ系レディーファースト優男」というイメージが作り出され始めている。その一方で、オトコ達の中での「オトコらしさ」は依然として悪ぶったハードなイメージが残っており、男女の間でギャップが生じている。そのような仮面を持つ彼らをターゲットとして狙う方法として、「ソフト面を磨く」方法を伝授する。新しいモテる基準「キレイ」「優男」を応援する。依然として残る悪ぶったイメージのオトコ像も推奨する。などがあげられる。
 また、エッセイスト潮凪洋介氏、作家中谷彰宏氏との対談が掲載されていた。

三章 父親仮面――パパだってオトコでいたい
 家庭の中における「父親」の役割が変わってきている。昔は父権的家族であったが、それがフラット化し、今ではネットワーク化している。そんな中、特に子供にとっての父親の存在は薄く、弱くなってしまっている。一方の父親は、父親であると同時に、自分自身も楽しみたいと考えている。父親として役割を果たしたいと思いながらも、そのやり方を学ぶ機会が少ない。そのような仮面を持つ彼らをターゲットとして狙う方法として、父親の子供心をくすぐり、親子で一緒になって楽しめるものを提供すること。大人の世界に子供を侵入させていくこと。などがあげられていた。
 また、キッズシティジャパン(キッザニア)マーケティング、ワーク・ライフバランス代表、NPOファザーリングジャパン、雑誌プレジデントファミリー編集長との対談が掲載されていた。

四章 仲間仮面――オトコだって仲間と群れたい
 オトコ同士が仲間とつるむのは、「共通の目的意識」があることが多く、スポーツであったり、ゲームであったり、協力して仮想敵を倒すことにやりがいを見出す。また、「ネタ」を共有することで繋がることもできる。協力するのを好む反面、その中にも競争意識が芽生えやすく、協力と競争をバランスよく行う傾向がある。そのような仮面を持つ彼らをターゲットとして狙う方法として、「つながり」と「競い合い」をバランスよさを見極める。共通目的や共通のネタを提供することで「つながり」を生む。などがあげられていた。
 また、ゲーム「モンスターハンター2ndG」プロデューサー、TV「アメトーーク!」演出・プロデューサーとの対談が掲載されていた。

五章 自分仮面――オトコだって自分に惚れたい
 オトコのこだわりは、「主張する」から「極める」へと変化する。モノに対して、その背景知識や歴史などに興味を示し、そのこだわりを持つことで自身のアイデンティティを高めることに繋がっている。
また、こだわりのモノを持つことで、自分の「オトナ」度を高める意味もある。そのような仮面を持つ彼らをターゲットとして狙う方法として、「こだわり」を満足させるように、より優れているポイントをはっきり示すこと。成長という名のストーリーを与え、「オトナ」を感じさせる。などがあげられていた。
 また、雑誌「モノ・マガジン」の編集局長、インフィニティ代表の牛窪恵氏、ユナイテッドアローズの雑貨商品部部長との対談が掲載されていた。

六章 素顔のオトコ――妄想とは男に必要な癒しである
 オトコがよくする妄想として、エロバカ妄想、ファイト妄想、ヒーロー妄想、ミリオネア妄想、パンドラ妄想(非日常の希求)、そのような仮面を持つ彼らをターゲットとして狙う方法として、それぞれの妄想を喚起・促進・満足させること。があげられていた。
 また、日本テレビのボクシング中継担当ディレクター、「週刊SPA!」グループ統括編集長との対談が掲載されていた。

Part.3 オトコを動かすモチベーション
 それぞれ見てきた「仮面」には二面性が備わっている。それを「タテマエとホンネ」として理解し、「本当にやりたいこと」や「理想の姿」を理解し、それぞれの仮面に対してストーリーのある商品を売り込むことが彼らの消費を促進することにつながる。

【感想】
マーケティング的視点だった!!
「オトコ」とひとくくりにしてしまうことに、若干抵抗はあったけど、それでも、現代の「男らしさ」とは何なのか?ということについて考えることができる本でした。
また、各章の対談がその分野の最先端で働いている豪華な人達で、説得力を与えていました。
それぞれの場面にそれぞれの役割が期待されており、また自身もその役割を果たしたいと思っている。そんな現代のオトコの姿を再確認させられました。
本の中で何回か出てきていたのですが、現代のオトコは、「理想の姿」と「現実の姿」に大きなギャップがある。ということが書かれていました。昔の「男らしさ」というイメージが捨てきれずに、かといって、そのイメージになることを実際に実行せず、「小ぎれいで、優しい男」に落ち着いているのが現状であると感じました。
 いち男として、共感できることが沢山書かれていて、客観的に自分について考えることができる本でした。しかし、同時に、これは男に限った話ではないのでは?という風にも考えました。
本書の中でも「ボーダーレス化」が指摘されていたように、女性が男性化し、男性が女性化しており、男女限定せずに、現代の生き方について考えられる本でした。

2014年2月9日日曜日

69/100『面白いけど笑えない中国の話』 竹田恒泰


読破っ!!
『面白いけど笑えない中国の話』 竹田恒泰(慶應義塾大学講師)
発行:2013年7月 ビジネス社
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:222ペー



【本のテーマ】
普段から朝日から日経から、中国の人民日報までの12紙もの新聞紙を読む著者が、新聞の報道を通して見えて来る中国の実態について語る。

【目次】
はじめに
第一章 中国社会、不幸せのレシピ
第二章 だから付き合ってはいけないとあれほど・・・・・・
第三章 中国は次の覇権国家になり得るか?
第四章 とどまることを知らぬ領有権の主張
第五章 各国は中国包囲網を敷くべし
第六章 中国共産党の新体制を読む
終章 鼻持ちならない隣人
おわりに

【概要】
第一章 中国社会、不幸せのレシピ
 民度の低さからおこった事件、食料偽装水・空気などの環境問題・原発建設・チベット族の焼身自殺事件・メディアと政府との攻防・不都合な情報隠ぺい、などなど、新聞記事をもとに中国で起こるさまざまな「不幸」を象徴する事件をとりあげ、解説していた。

第二章 だから付き合ってはいけないとあれほど・・・・・・
 人件費が安いということで各国が中国に進出したが、質に問題があったり、不正をしたり、という問題が起こり、撤退し始めた現状の新聞記事をとりあげ、また、尖閣で日中関係が悪化しても、化粧品・健康品、そして空気清浄機が売れた。ということを記事をとりあげて解説していた。

第三章 中国は次の覇権国家になり得るか?
 精華大学の阎学通という人の強固論を紹介し、その理想と、追いつかない現実や未来について述べていた。

第四章 とどまることを知らぬ領有権の主張
 尖閣諸島をめぐる日中のやりとりを、記事をもとに解説していた。海域侵犯から始まり、空域侵犯をし、さらには、同時に船にヘリコプターを載せて、海域ギリギリまでくる。というような、じわじわと様子を見ながらアピールしてきている様子が描かれていた。それに対する日本の対応についても書かれており、弱腰であると批判していた。

第五章 各国は中国包囲網を敷くべし
 弱腰な対応から、安倍政権に代わり、少し強気な外交に変わったと述べられていた。
日本だけでなく、ベトナムとフィリピンの間にも海域をめぐる対立があり、その両国の対応法を紹介し、日本もそれに学ぶべきだと述べていた。

第六章 中国共産党の新体制を読む
 胡錦濤政権から、習近平政権に代わり、日本に対する姿勢はより厳しくなった。中国の政府上層部では「上海閥」と、「中国共産党青年団(共青団)」の派閥が対立しており、上海閥の方が太子党と関わりが強く、抗日姿勢であるが、共青団の方は民主化を推進しようとする派閥であり、親日的であり、今後こちらの派閥の動きに注目だ。と述べていた。共産党総書記は習近平氏は上海閥であり、国務院総理の李克強氏は共青団であると述べていた。

終章 鼻持ちならない隣人
 著者は若い頃バックパッカーで各地を渡り歩き、その中で中国人とも関わる機会が多かった。中国人の良いところを分かっているからこそ、厳しい提言をしている。と最後に述べていた。
また、国家間の誤解の理解を深めるためには、社会学的な習俗・民俗の違いを理解することが重要だとし、中国人の思想の根本には自分たちが中心であるという「中華思想」があり、文化大革命で破壊されたとはいえ、それでも消滅することはなく根強く残っていると述べていた。

【感想】
 「右的」だった!!!著者も自分で言っていた。笑
 でも、新聞12紙を読んでいるという、情報収集量がすごく多いので、解説の中には過激なところもあるけれど、真実もたくさん含まれていると思いました。特に、尖閣をめぐる日中のやりとりのところは、時系列で分かりやすく書いてありました。ただ、産経新聞がわりと過激な印象を与える記事がとりあげられているのが多かったな、という印象を持ってしまいました。やっぱり、新聞によって、特色があるなぁ。と再認識させられました。
 唯一賛成できないのは、中国をひとくくりで語ってしまっているところでした。中国は知れば知るほど奥深く、また、地域によって差があり、格差によって差があり、ひとくくりに語るのは本当に難しいと思います。挙句の果てには、「日本人は幸せ、中国人は不幸せ」なんてことを言ってしまっていたので、ホント、「そこまで言って委員会!!」って感じでした。(^-^;
しかし、そんな分かりにくい中国を、時には感情的なヤジを入れながら、時には、その賢さを褒めながら解説しているのは、非常に分かりやすく、テンポよくすらすらと読めました。そして、最初から尖閣諸島問題の話題ではなく、最初はもっと身近で「トンでもない」事件を取り上げていて入り込みやすかったです。中国の政治体制についても財閥やそれぞれの特性を知ることができました。
 中国人に友達がいるというわりには中国の事をダメ出ししまくっていて、かと思えば時々ほめて。「ツン」なのか「デレ」なのか分かりませんでした。とりあえず、「嫌い」ではない、というのは伝わってきました。
 尖閣諸島問題に限らず、中国がいろいろなところで「強硬姿勢」を見せているのは、事実としてはそう見えても、真実は「対外的態度」として国民にそう見せているだけで、それこそ「国家の面子」を保とうとしているのが本当の目的なのではないか。と思います。逆に言うと、「強い国家」を演じなければ、内側から崩壊する危機をはらんでいる。ということだと思います。人が13億人いて、教育がまだ十分でない地域や人が多い、という現状ではそれが危機として捉えられているのだと思います。そこを考慮せずに、そんな中国の強硬姿勢を、「戦争をする気だ」と早まって解釈するのは、誤解を生むし、悪い方向に流れていく気がします。
 新聞を12紙読んでも、それが全てではないし、その報道の中には、扇動的なものや、誤解を含んでいる危険性もある。それでも、そんな中でも諦めずに情報を集めて理解しようとしている竹田さんはすごいと思いました。たくさん集めれば集めるほど、真実に近くなるのかな。とも思いました。
新聞でちらっと見るだけで終わっていた日中関係の記事をいろんな新聞から読むことができました。
 感情的な部分や過激な部分を「こらこら、言い過ぎやろ」と適度にツッコミながら読めれば、たくさん情報を仕入れられる良書であると思います。

68/100『他人と暮らす若者たち』 久保田裕之


読破っ!!
『他人と暮らす若者たち』 久保田裕之(大阪大学大学院)
発行:2009年11月 集英社
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:203ペー

【本のテーマ】(表紙帯より引用)
恋人以外の異性の他人と同居する隠されたルールとは?一人暮らしでも、家族との同居でもない、新たな住居スタイル、シェアハウジング。11人のシェアハウス経験者へのインタビューから明らかにされる、新たな視点の若者論。

【目次】
まえがき
第一章 家族と暮らすか一人で暮らすか
第二章 シェアとは何か【準備編】
第三章 シェアのきっかけと魅力【証言編①】
第四章 シェアへの不満と困難【証言編②】
第五章 共用スペースと個室の意味【証言編③】
第六章 シェアのここがわからない【疑問編】
第七章 新しい住まい方の模索【展望編】
終章 公共性と親密性の再編成
あとがき

【概要】

第一章 家族と暮らすか一人で暮らすか
 近年日本でも「ルームシェア」、「シェアハウス」という言葉が聞かれるようになった。しかしまだ定着はしておらず、日本での一般的な居住スタイルは、家族と同居か一人暮らしのどちらかが主流である。「自立」、「自由」、「親密さ」の意味をどうとらえるかによって、他人と同居することを許すかどうかが決まってくる。「自立」が完全に一人で生きていくことではなく、他者と程よく頼り合う関係を築くこと、「自由」が自分のしたいままにするのではなく、他者との対話の中で自分を認めてもらうこと、「親密さ」を血縁・性的関係だけではなく、共同生活のなかで湧いてくる敬愛の情だと捉えることができるなら、家族も含めた「シェア」生活の価値観を理解することができる。

第二章 シェアとは何か【準備編】
 シェアの概念の整理していた。「ハウスシェア」=一軒家を共有する「フラットハウス」=一区画を共有する「ルームシェア」=一部屋を共有するという3種類に分けられる。しかし、実際は混同して使われていることが多い。他にも、「コープラティブハウス」=数世帯が二世帯住宅のような、もしくはそれ以上の規模に住むこと。「コレクティブハウジング」=数世帯の居住で、より緊密な関係、共同作業を伴うもの、「ゲストハウス」=旅行者用の短期居住用の住居

第三章 シェアのきっかけと魅力【証言編①】
シェアハウスを始めたきっかけは、海外生活において経験した、アメリカのドラマ「フレンズ」などの影響で憧れを抱いた、一人暮らしに飽きた。などがあげられていたが、分類的に見ると、一つは経済的理由「節約志向」=共有することでよりコストを下げられる。「快適志向」=共有することで、一人の時より高価なものが使える。二つ目は非経済的理由として、家族の延長・代替としてのシェア、家族の「役割」から離れた関係としてのシェア、また、異質な他者との生活により、異文化体験ができ、自分をより知ることができる。などがあげられていた。

第四章 シェアへの不満と困難【証言編②】
 シェアをするにあたって、シェアメイトと「サービスレベルの違い」(=掃除などの分担を各自がどの程度まで行うか)と「コミットメントレベルの違い」(=共同生活の中でどの程度時間を共有したいか)そして、「経済状況の違い」によって問題が生じることがある。それらがギャップがありすぎると問題になりうる。また、相手とのギャップを受け入れる精神も必要である。また、物件としても日本にはシェアハウスの物件は少なく、親と子を想定した不平等な部屋の間取りが多い。また、周囲からの理解も得られないことが多い。

第五章 共用スペースと個室の意味【証言編③】
 シェア生活においてルールを定める必要があるかどうか。最初にルールを定めても、実際に暮らし始めてから問題が発生することが多いため、その都度話し合ってルールを定めることが重要である。インタビュー対象者の中には、月1回大掃除の日を決めておき、皆で掃除し、その後食事を共にし、定期的な交流の機会をもうけることで、摩擦が起きないようにしていた。また、シェア生活における「個室」の存在は、必要不可欠なものであり、「逃げ場」であり、「保険」である。などという意見が述べられていた。

第六章 シェアのここがわからない【疑問編】
Q1「他人と住むなんて面倒じゃないの?」→増える面倒もあれば、減る面倒もある。家族が面倒ではないと思われるのは、家族内で役割が決まっているから。しかしそれは対等な生活ではない。
Q2「他人と住んだら危険じゃないの?」→家族と暮らすこと、一人暮らしにも危険は付きまとう。(殺人事件の半分以上は家族間)また、シェア生活は、関係が危険になれば「逃げ出しやすい」という特徴がある。
Q3「途中でシェアを解決したくなったらどうするの?」→不安定性は欠点なのか?家族のように逃げ出せない空間よりは安心である。ただ自分やシェアメイトが退去することを想定し、waiting list「候補者リスト」を作っておくのが策である。
Q4.「異性の友達を連れてきたり泊めてもいいの?」→日本は性に対してオープンではないので、実行するのはなかなか難しいし、そのことを議論することすら難しい。
Q5,「もし病気になったら誰が面倒をみてくれるの?」→相互扶助関係が築けていれば程度の差はあれ助け合える。一人暮らしよりかは助けてもらえる。

第七章 新しい住まい方の模索【展望編】
 世界で行われている家族以外の人との共同生活の方式について。
北欧のコレクティブハウジング、北米のコープ住宅、オランダのスクワッティング住居(=居住者不在の建物に住み着く)、住居以外にも、モノのシェアサイト「シェアモ」、カーシェアリングなどの例があげられていた。シェアをすることは、小さな共同体の中で話し合って決定するという「小さな民主」を形成することである。

終章 公共性と親密性の再編成
 「心の時代」において、個人の心理に焦点は当てられても、その背景にあるシステムに焦点が当て当てられることは少ない。他人と暮らすということは、他人と生きるということである。「コミュニティ」から「ガバナンス」へと意識を切り替えることで、小さな民主を形成できる。(「コミュニティ」=情念的で表面的な意味合いでの人間同士のつきあいに始終する側面ばかりが強調されている。「ガバナンス」=共同の利益に関する課題について意思決定を行い、集団全体を強制的に律していく社会関係。)

【感想】
論理的だった!!!シェアについて、良いところ、悪いところ、現状がインタビューを通して書いてありました。他人とのシェア生活とは、家族との「共依存」の関係から抜け出し、他者との民主的な関係を形成する「訓練する場」としての「第三の暮らし方」(第一=家族と同居、第二=独り暮らし)であると思いました。そこには増える面倒と減る面倒とあり、危険性もあれば、相互扶助もある。
日本の居住スタイルが、「家族」とか「独り暮らし」のどちらかしかない、ということが多く、もっと選択肢があってもいいのにな。と思いました。少なくとも「家族」と暮らしているから「安心・安全・健全」であるとは限らないと思います。家族にはそれぞれに「役割」ができてしまい、その「役割」以外の事に対してあまり踏み込めない。というのは本当に当てはまると思いました。
「引きこもり」、「ニート」、「パラサイトシングル」、「ワーキングプア」、「無縁社会」、「孤独死」など、近年問題化される人たちにとって有効な策の一つとして、「シェア的生活」は経済的・精神的共に大きな意味を持つと思います。今後大事な事、そこに潜む危険性や問題点をどのようにすれば少しでも取り除くことができるか、ということを考えていくことだと思います。
 他人と暮らすことは他人と生きることであり、シェア的生活は、小規模の「ガバナンス」の中で、民主的にルールを決め、「小さな民主」を作り出すことができる。その意識を養うことで、国家全体の「民主」意識を高められるのではないか、と思いました。

2014年2月7日金曜日

67/100『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』 城 繁幸


読破っ!!
『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』 城 繁幸(元・富士通人事部社員)
発行:2004年7月 光文社
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:235ペー


【本のテーマ】(表紙裏より引用)
富士通がリーディングカンパニーとして「成果主義」を取り入れたのが1993年。その後他の多くの企業も何らかの形で成果主義を取り入れ始めた。しかし、実態は経営者や管理者が制度をつかいこなせず、社員の士気は低下し、不満と嫉妬が渦巻き、自殺者まで出してしまうようになtった。
「成果主義」は社員になにをもたらすのか?富士通の「成果主義」による崩壊はけっして他人事ではない。

【目次】
はじめに
Chapter 1 急降下した業績
Chapter 2 社員はこうしてやる気を失った
Chapter 3 社内総無責任体制
Chapter 4 「成果主義」と企業文化
Chapter 5 人事部の暗部
Chapter 6 日本型「成果主義」の確立へ
おわりに
付録

【概要】
Chapter 1 急降下した業績
 バブル崩壊後、日本型経営の見直しを迫られた際、シリコンバレーに視察団を送り、そこで行われていた「成果主義」を富士通に取り入れることにした。期の初めに目標を設定し、期末にその目標がどれだけ到達できたかによって評価を「SA・A・B・C・E」でランク付けし、そのランクに基づいて給与を変える。というシステムを核とした制度であった。
当初は、メディアや他企業から賞賛の声が多く。次世代の経営方法だとして注目された。

Chapter 2 社員はこうしてやる気を失った
 しかし、実際に運営していくと問題が発生した。社員がやる気をなくし転職が増えた。その原因のひとつとして、評価枠「SA・A・B・C・E」には、それぞれ割合が定められてた「相対評価」であり、目標を設定し、それがどれだけ達成されたかという報告書は文字が多すぎてしっかり目は通されず機械的に処理され、結局は「年功序列」的に評価枠に当てはめられて行く、という現象が生じてしまった。途中から「相対評価」から「絶対評価」に切り替えたが、そうすると次は「評価のインフレーション」という現象が起こってしまった。つまり、A評価が溢れるようになり、A評価の価値が下がってしまった。

Chapter 3 社内総無責任体制
 人事部、経営者は、彼らが彼ら自身を評価することをしないため「A」が多く、一般社員の評価ばかりに重点がおかれるようになってしまった。人事部はその評価自体を公表することをせず、それがよけいに社員の不信感を招いた。そして、結果的にパフォーマンスが下がり、契約が破棄されたり、商品が売れなくなったり、売れない商品を作り続けることにつながってしまった。

Chapter 4 「成果主義」と企業文化
経営者はそれまでの何十年と「年功序列」制度の中で育ってきたため、急に切り替えることが出来なかった。もともと「成果主義」と「ムラ社会的年功序列」は相反する存在であるため、様々な矛盾が生じた。バブル時代、社内の人口比率がピラミッド形式であった場合には「年功序列」は有効的な経営方法であった。

Chapter 5 人事部の暗部
 「成果主義」導入後の人事部の権力の高まり、そして権力の不正利用について述べられていた。

Chapter 6 日本型「成果主義」の確立へ
 そもそも「成果主義」というのは「人件費抑制」という大きな目的をもとに行われるシステムであるが、普及していった際にはその部分に焦点が当てられず、「正当に評価される」という部分をコンサルタント会社が強調していた。改善策としては、評価者が多数いると公平な評価ができにくくなるので、評価者を数を減らし、質を高めること、そして、「目標達成」を評価するのではなく、「成果」のみを評価するべきである。そして、公平な評価のためには評価方法を公開することも不可欠であると述べていた。

【感想】
すごかった!!!一社員のリアルな経験が書かれていて、すごく迫ってくるものがありました。
全体を通しての主張は、「成果主義」自体が悪いのではなく、「成果主義」の制度を、その概念から理解・適応できなかった「年功序列」的思考の経営者たち、そしてそれをいいことに権力を行使するようになった人事部、そのせいでやる気を失ってしまった社員たち。という構図に原因があったというものだと感じました。それまで何十年も年功序列制度の中で育ってきた経営者に急に制度だけの「成果主義」を持ち込んでも、うまくいかない、ということがよく分かりました。
 著者は元社員ということもあり、感情的な文章も見受けられました。本当に経営者・人事部が腐敗していたのか、それは分かりません。もしかすると、ただ、「どうしたらよいのかわからず」その結果の「腐敗」であったのかもしれない。と思いました。
 バブル期の会社内の人口ピラミッドがピラミッド型の「人口ボーナス」の時代には、「年功序列型」が有効であったけれども、それがつぼ型になってくると、中高年の人口が増える一方で、経営者レベルの人員を増やすことはコスト的に釣り合わなくなり、「年功序列型」に無理が生じ始める。その時代にあった経営方法というものが求められ始めた10年前の奮闘記だと感じました。
最終的に富士通は「成果主義」の導入に失敗した。と報道されるようになりましたが、時代の変化を感じ取って、いちはやく行動に移したという点は評価するべきだと思います。実際に富士通が「成果主義」を導入したことにより、他の企業も影響されて取り入れ始めたと書かれていました。
 この本が出されてから10年、富士通はどう変わったのか、成果主義はどう変わったのか、もっと知りたくなりました。

2014年2月6日木曜日

66/100『レベルアップ中国語 1月号』 千野拓政


読破っ!!
『レベルアップ中国語 1月号』 千野拓政(講師)
発行:2013年12月 NHK出版
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:109ペー


【本のテーマ】
中国語で、SF小説「三体」を読み解く 月~金 午後10:45~11:00

【目次】
●中国文学~現代の息吹
<連載>
●現代中国語版【儒林外史】
●通訳の現場から ニュースな単語たち
●映画で学ぼう ネイティブ会話
●ピンポイント中国語文法

【概要】
●中国文学~現代の息吹
 三体とは、コンピューターゲームの仮想世界を描いた物語で、太陽のような惑星が3つある星でが舞台で、三体というのは天文学の「三体問題」からきていて、惑星が3つあると、その起動が計算不可能になる。というもので、その世界では、灼熱の時代と極寒の時代が不定期に繰り返し、その度に文明が生まれては消えていた。そこに生きる人々は、生き残るために適応し、人を乾燥させ「人の倉庫」に直し、生きれる気候になれば再度水に浸して人として復活する。という不思議な世界であった。
 三体はコンピューターゲームの世界のはずが、実は実在するケンタウルス座アルファ星をモデルにしており、物語の中では、その星からのメッセージを受け取る。そのメッセージはその星の平和主義者からのもので、「返信するな!返信すると君たちの位置を特定してしまう。」というメッセージであったが、研究者の葉文潔は世の中が嫌になっていたため、返事を返してしまう・・・。

話が一部だけだったので、詳しい設定がよく分かりませんでしたが、ゲームに入り込んでいるシーンや、宇宙からメッセージを受け取るシーンが、現代SFという感じで引き込まれました。
中国ではSF小説で賞をとり、ハリウッドで映画化の交渉もあるとのことなので、見れるのを楽しみにしています。

●現代中国語版【儒林外史】
は、テストを替え玉で受験する匡超人という人の昔話だった。
潘三にそそのかされて、替え玉で受けて、褒美をもらうけど、のちにばれて、
潘三が捕まってしまう。けど、潘三は最後まで匡超人のことをばらさず、
人づてに匡超人に会いに来るように伝えるけど、匡超人は潘三を見捨てた。
中国の不正が描かれていて、潘三も、悪い人だけど、人情深いやくざみたいな感じで、
終わり方がなんか切なかった。

●通訳の現場から ニュースな単語たち
「造谣,辟谣」
微博などで、デマの情報を流す中国人が流行語としてとりあげられていました。
デマを流す理由が「目立ちたかった」というのが、日本の「バカッター」と言われる人と似てるな。と思いました。中国の法律でネット上で他人を誹謗中傷する際、閲覧数が5000回以上、リツイート回数が500回以上に達すると「誹謗罪」になる。らしく、499回なら罪にならないのか、という非難もあがっている。と述べられていた。

●映画で学ぼう ネイティブ会話
映画「胡同の理髪師」の一部分
北京が舞台のお話なので、儿を筆頭に北京語が入っていました。
瞧你说的「何言ってるんだ」、无人不知,无人不烧「誰もが知ってる」
などが使えそうな表現でした。

●ピンポイント中国語文法
可能補語について
V不起,はお金が無くて~できない
V不到,は物が無くて~できない。
V不了,は量が多くて~できない。
看不起(軽蔑する)、恨不得(~したくてたまらない)などの表現がのっていました。

2014年2月5日水曜日

65/100『これからの日本のために「シェア」の話をしよう』 三浦展


読破っ!!
『これからの日本のために「シェア」の話をしよう』 三浦展(消費社会研究家)
発行:2011年2月 NHK出版
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:237ペー


【本のテーマ】(表紙裏より抜粋)
いま、消費や経済自体がシェア型になり始めている。かつそれが、消費や経済を縮小させるのではなく、むしろ新たな方向に拡大する力を持ち始めている。本書は、これからの日本社会にとって有効なシェア型の価値観や行動、そしてすでに拡大し始めたシェア型の消費やビジネスの最新事情についてのレポートである。

【目次】
はじめに
序章 シェアとは何か
第一章 なぜ今日本に、シェア型の価値観、行動が必要なのか?
第二章 すでに広がっているシェア型の消費ビジネス
第三章 シェア型ビジネスによるコミュニティの活性化
対談 企業もシェア社会の台頭に対応しないといけない(平生進一氏×三浦展)
第四章 シェア型経済をリードするのはどんな人か?
対談 建築家は都市のシェアをリードしてきた(馬場正尊氏×三浦展)
第五章 無縁社会からシェア社会へ
対談 福祉もシェアへ
あとがき
文献リスト

【概要】
序章 シェアとは何か
 シェア型の消費とは、消費者が消費する対象を「仕分け」し、本当に必要なものはもちろん購入し、私有するが、あまり必要のないものは共有や共同利用ですます。あるいはレンタルしたり、中古で買ったりしてすます。そしてそれを積極的に楽しむ。そういう消費行動である。
これまで、共有・共同というと、「公」的な存在だと捉えられてきたが、近年「民」による共有・共同が広まりつつある。そこで、そのような「民」による共有・共同をも含めて「シェア」と定義する。私有主義的な価値観から「シェア的な」価値観へと徐々に移行しているのが現状である。

第一章 なぜ今日本に、シェア型の価値観、行動が必要なのか?
 シェア型の価値観・行動の最大の原因は「超高齢社会」の到来である。経済発展により所有化・個別化が進んできたが、今後は少子高齢化により、支え合って生きていかなければならない、という意識の高まりから、「所有からシェア」へと意識が変わりつつある。正確には、「haveからbeになり、そしてshare」へと変遷している。(80年代までは消費社会90年代は「自分探し」社会、2010年からは「つながり」社会)

第二章 すでに広がっているシェア型の消費ビジネス
 シェアする者はおもに「人・物・場所」の3種類。人のシェアの代表例は「ワークシェアリング」、モノの代表例は「カーシェアリング」、場所の代表例は「シェアハウス」いずれも、公的ではない、「民」による「共有・共同」をビジネスとして行い、それが受け入れられ、広まっている。ということをデータを示して述べていた。

第三章 シェア型ビジネスによるコミュニティの活性化
 シェアハウスを例にとって、それをする理由は「お金がない」からではなく、「ゆるいつながりを得られる」からであるという理由が多かった。その価値観を理解するために、「共同体」から「共異体」への変化があげあれ、「共同体」が成員が固定しており、束縛され、空間的に限定され、時間的に永続的であり、共同体同士が排除し合い、競争する。というイメージを持っているのに対し、「共異体」は、成員が固定的ではなく、束縛されず、空間的にも束縛されず、時間的に限定的、共異体同士で排除し合わず、競争しない。という特徴があると述べていた。この価値観に基づく「シェア的消費」は、個人で消費するよりも質の良いものを共同で利用することができ、ゆるいつながりを得ることができるなどのメリットがあり、大家からしても、使わなかった高すぎる・広すぎる空き物件をシェアハウスで利用することで貸し出すことができる。というWIN-WINの関係が築けると述べていた。

対談 企業もシェア社会の台頭に対応しないといけない(平生進一氏×三浦展)
 女性が結婚相手に求める以前の三高(高学歴・高身長・高収入)から三低(低リスク・低姿勢・低依存)へと変化したのと同様に、消費の対象も三高(高層・高圧的・高尚)から三低(低層・低姿勢・低コスト)へと変化、もしくは価値観を混ぜ合わせた消費を行っている。

第四章 シェア型経済をリードするのはどんな人か?
 著者の会社、カルチャースタディーズの調査から、シェアハウスをしたい人の特徴を分析していた。その結果、シェアハウスをしたい人は、必ずしも低所得者とは限らず、シェアハウスをしたくない人と比べると環境問題への意識が高く、レンタルやシェアや中古の使用に抵抗を感じにくく、また、多趣味であり、いろいろな人と関わりたいという意識を持ったアクティブな性格であることがわかった。

対談 建築家は都市のシェアをリードしてきた(馬場正尊氏×三浦展)
 リノベーションという、リフォームよりもより個人の趣味・要望に合わせた改築について語られていた。

第五章 無縁社会からシェア社会へ
 フランス・パリでは、高齢化社会に対応するため、独居老人の部屋に、若者が住み込むという方法が行われた。と紹介していた。パリの若者は日本以上に失業率が高いため、共同生活で家賃を払わないで済むのはメリットであり、独居老人にとってもそばに誰かがいてくれるのは安心である。と述べられていた。日本でも「高齢者の『ケア』をシェアする」という考えを取り入れた事例があり、東京都光が丘の「御用聞き100円家事代行」が例として紹介されていた。

対談 福祉もシェアへ
 「ケアをシェアする」という考えは、精神や制度だけではなく、建築、都市レベルで行わなければ実行することができない。と述べられていた。

【感想】
新しかった!!確かに、「シェア」という言葉は近年どんどん広まってきていると思います。
一見すると、共産主義的?社会主義的?なのではないか、という印象を受けますが、
本書の中にもあったように、「資本主義と社会主義を融合」したものである、というのが一番的確な表現であると感じました。「公的」ではなく、「民間」がおこなう共有・共同の消費スタイル。それは、一極集中から多極集中への意向であり、近年同時に高まっている「地元志向」ともつながりが深いということを理解しました。

しかし、この本では、「シェア」的消費の「問題点」があまり描かれていませんでした。
確かに、「シェア」的消費は、合理的であり、場合によっては個人で買うよりも良いものを共同で使うことができたり、高級な家に住むことができます。しかし、家族間でも暴力事件や金銭トラブルが存在しているのに、他人となると、人によってはトラブルが生じることがあると思います。ルームシェアであれば、ルールを破る人がいるかもしれないし、最悪家の物を盗まれるかもしれないし、あとは、相談事などを気軽にして、アドバイスが全く当て外れなものであったり、、、つまり、「誰と」共有するかということが重要になってくると思います。
 それが、共産主義といわれる中国でも同様に「人脈社会」と言われているゆえんであり、特徴なのだと思います「シェア社会」が到来するとなると、そこには「誰と」シェアするのか、「誰と」つながることができるのか、という部分が「私有社会」の頃よりもより重要になってくると思います。
 フランスのパリの「高齢者のケア」の事例だって、一歩間違えると、高齢者を騙してお金を騙し取る事件になりかねません。得られるものも多いですが、その分リスクも多いことを理解しておくべきだと思います。

今消費世代の中心は団塊世代、団塊ジュニア世代ですが、今後消費世代がより新しい世代に移っていくと、この「シェア消費」という概念はより一層強く表れ、重視されるのではないかと考えました。

64/100『中国人にエアコンを売れ!』 高橋基人


読破っ!!
『中国人にエアコンを売れ!』 高橋基人(ダイキン初代中国部長)
発行:2005年1月 草思社
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:205ペー



【本のテーマ】(表紙より抜粋)
エアコンの代金の初代中国部長が明かした中国ビジネス成功の秘訣。ニセモノ商品対策から中国人とつきあう法まで。

【目次】
はじめに
第一章 ダイキン成功の秘訣
第二章 中国ビジネスの落とし穴
第三章 ニセモノ商品を撲滅せよ!
第四章 中国人とのつきあい方
おわりに

【概要】
第一章 ダイキン成功の秘訣
ダイキンが中国に進出していった過程、その頃の法的障壁などについて書かれていた。
攻略法は①最先端商品で市場を創出する、②通信、学校、病院などの有望市場に食い込む、③上海一極集中戦略の展開、④徹底した高品質を追求する、⑤卸無しで前金可能な販売特約店を開拓、⑥中国初の提案型営業で販売特約店を活性化、⑦ダイキン流の徹底社員教育、⑧業界初、サービス事業の同時展開の8つがあげられていた。
中国に進出する際の組織体制の三資である「合弁、独資、合作」の3つのパターンの違いについて書かれていた。
そして、中国ビジネスで学んだ事として、(1)中国は「平均値」ではとらえられない(2)巨大な市場が急激な変貌を遂げている(3)選択と集中を徹底する(4)大胆な権限移譲(5)徹底した経営理念の刷り込み(6)「しつけ」の徹底(7)成果主義の導入(8)自分の足で歩き回って確認、の8つをあげていた。

第二章 中国ビジネスの落とし穴
人治国家である中国では、法が救ってくれないことがあるため、合弁の際には「離婚」のことを考えた上で契約書にきちんと細かく書いておかないといけない。と述べていた。また、「工会(組合)」や「地域」に対して定期的に関係を維持しなければ、妨害行為されることがあると述べられていた。他にも、中国政府と契約している「コアマン」といわれる中国人の「日本ウォッチャー」の存在、韓国からの多額のヘッドハンティング、定年退職者からの技術流出、銀行選びの際の注意点、電力不足、洪水のリスクなどが述べられていた。

第三章 ニセモノ商品を撲滅せよ!
「著名商標」として登録されている日本ブランドはヤマハと日本ペイントの二社だけ(2005年時点)であった。SONYが著作権をめぐって裁判で闘ったこと、トヨタやホンダがニセモノ商品に対しどのような対応をしたか、などについて書かれていた。

第四章 中国人とのつきあい方
 中国人には、「档案」という、個人の経歴が書かれた「人事調書」があり、中国側が保管している。それを抜け道を利用して調査することが大切であること、拝金主義について、汚職について、中国人現地採用に関する注意や、人材の育て方、宴会での注意点、そして、失敗した日本企業例、中国人から尊敬されている日本人の例、などについて述べられていた。

【感想】
具体的だった!!!しかし、本書の中でも著者が言っていたように、
中国は激動の国であり、中国の一年は日本の十年に相当する。と言っていたので、この本が書かれたころからすでに9年経っているので、日本の時間感覚では九十年前の話になるのでしょうか。それは言い過ぎとしても、一昔前の話だと思って読みました。現状はまだよくわかりませんが、このころから変わった部分もあれば、変わらない部分もあると思います。

中国で仕事をする際には、その土地の有力者に気を遣わなければならなかったり、銀行を選ぶ際にも注意がいったり、現地採用の中国人の採用方法から育て方まで、当時は何もわからない中でビジネスをされていたと思うので、その点は本当に尊敬します。自分にはできないと思いました。
特に、当時の中国の人間関係は任侠的であり、やくざにからまれたような感じのエピソードも書かれていて、怖くなりました。9年の時を経て、改善されていてほしいです。

しかし、9年経っても、「人治国家」という部分は当てはまっていると思います。人脈がモノを言うという話は、他の本で、もっと新しい本でも出てきました。著書の中で、「ノウハウ」から「ノウフー」へという言葉が斬新で、深く印象に残りました。日本では「ノウハウ」ばかりに焦点が当てられてきていたけれど、「ノウフー」=誰を信頼関係にあるか、誰と事業をするか。という点も重要なポイントであると思います。日本で「人脈」「ネットワーク」という言葉が注目されてきたのも最近になってからなような気がしますし、まだ「コネ」と混同されていて、あまり良いイメージを持たれていないと感じます。

日本人にしかできない事と、中国人にしかできない事があると思うので、そこをうまく融合させることができるということが日中ビジネスの一番の理想だと思います。そこには対等でお互いに尊敬する視線が必要だと思います。その点で、著者の高橋さんは、現地採用の中国人に対しても教育をしっかり行う姿勢を見せていたのが素晴らしいと感じました。

以下、高橋さんが本書内で紹介していた、中国の日系企業で流行った中国に対する俗語的標語です。

「『没问题』信じた私が『有问题』」
「一〇億国民、九億商い、一億ただいま準備中」
「一九五〇年代は手を取り合い、六〇年代は競い合い、七〇年代はもたれ合い、八〇年代はだまし合い、九〇年代は奪い合い」