2014年3月12日水曜日

82/100『竜馬がゆく(二)』 司馬遼太郎


読破っ!!
『竜馬がゆく(二)』 司馬遼太郎(作家)
発行:1998年9月 文芸春秋
難易度:★
理解度:★★★☆☆
個人的評価:★★★

ページ数:441ページ


【本のテーマ】
坂本龍馬の生い立ちを描いた歴史小説。
二巻では黒船来襲から竜馬の脱藩まで。

【目次】
若者たち
旅と剣
京日記
風雲前夜
待宵月
頑固家老
萩へ
希望
土佐の風雲
脱藩

【概要】
 ペリー来襲して日本国内は騒然となった。江戸に剣術の修行に来ていた竜馬の修行の期限が切れるため、土佐に帰ることに。武市は竜馬を見込んでいる反面、あまりにも世界のことを知らないから、帰るまでの間に個人的に世界の情勢を講義することに。
 千葉から土佐に帰る際、竜馬は有り金を全部道場に寄付し、無銭で帰ることにした。帰り道で以前であった盗賊の「寝待藤兵衛」に再会し、さらに命を狙われている京訛りの武士に旅のお供を頼まれる。京でお田鶴さんに再会。などなど(ちょっと前に読んだから前半あいまい汗)
 土佐に帰ってからは学問を学びたくなり、道場を開けと言う周りの勧めを押し切って学問を学ぶ。漢文を原文で学び、蘭学も言葉を分からないまま学んだ。しかし、才能があるのか、大意をとることができ、最終的には、師の間違いを指摘できるほどにまでになった。
 そんな中武市から尊王倒幕の運動として、土佐の佐幕派藩主・吉田東洋を暗殺する計画を聞かされる。竜馬は反対し、他藩の現状を調べに、讃州や長州を見聞しに行く。讃岐ではお初に出会い、長州(萩)では久坂に出会い、「脱藩」を提案される。脱藩は「家」に処罰が与えられる問題であったため、考えたが、その末に脱藩を実行する。


【感想】
 見聞があまりにもない竜馬を見かねて、武市が頑張って竜馬に世界の情勢を話しているのに、竜馬の態度がテキトーで、後ろに手をつきながら、「で?どうしたんじゃ、ハリスは?」みたいなことを言っていたのが面白かった。(しかもそんな態度でありながらも、何回もちゃんと話は聞きに行っていた。)
 土佐に帰るときは、「乞食道中」の発想も面白ければ、旅に出る少し前から、「東海道中膝栗毛」を笑いながら読んでいて、周りから呆れられながらも、本人曰く、東海道を通って帰るから、予習にもなる。ということを言っていて、面白おかしく実学を学ぶ竜馬の人間性が見れた。

 二巻では、道場訪問からの決闘のシーンが多く、その描写がそれぞれ特徴的でカッコよかったです。
 万燈会での決闘は、真っ暗闇にろうそくの明かりがたくさんゆらゆらする中で重太郎と一騎打ちをする様子を、想像するとすごく絵になり、迫力がありました。 
 讃岐で道場を巡った時に、有力武士の松木と「立ち切り」をするシーンがあり、30人が順番にかかってきて、30vs1の状態で闘い続ける、というもので、それも斬新であり映画みたいな闘いだなぁ。と思いました。
 長州の有備館でも剣の腕を披露させられ、「据え物切り」をするシーンがあり、束ねた藁を切るパフォーマンスがあったのですが、他の武士たちが両手で切る中、(最初はやる気じゃなかったのに)竜馬は見かねて、片手でスパッと切り、藁が地面に落ちる前に剣をしまっていた。という描写が、これまたカッコよくて、映画みたいだな!と思いました。

 また、勝ち気で強気な女の人に惹かれる竜馬とかは相変わらずで、あとは、悪意を見せずに相手と接して、たとえ相手から警戒されたり、睨まれたりしていても、いつの間にか竜馬のペースに持っていけるところとか、竜馬の魅力的な人間性が描かれていました。

 あとは、二巻から「著者」が登場しました。視点が現代に戻されて、一巻にはたぶん一度も無かったので、最初「作者出てきた!」って心の中でツッコミました。その後も、時々時間軸がずれて物語が進んでいくのも、歴史小説の味わいを深めているなぁ、と感じました。

 最後の、武市の暗殺集団が計画を実行に移すシーンは、何も知らずに出て来る吉田東洋と、息をひそめて待つ武市の手下と、そして、いざ飛び出して決闘のシーンなんかは、スピード感あふれる、劇的なシーンだと感じました。

 あとは、「脱藩」をすれば、「家」に迷惑がかかる、となって、姉の乙女姉さんに相談に行ったときに、「決意したんならやれ!」と喝を入れられ、乙女さんの旦那と別れる(そうしないと旦那にも迷惑がかかってしまう)という決意をした乙女姉さんが男気溢れてて、かっこよかったです。

 歴史小説は、分からない言葉とか、分からない設定とかが多くありますが、そういうのをスマホで検索して調べたりしながらも、あんまり分からないまま、「これが当時の当たり前」だったのかなー。
と思いを馳せながら読むと、味わい深いと思うようになってきました。

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