2014年6月2日月曜日

105/200『直観力』羽生善治(棋士)

読破!!
『直観力』羽生善治(将棋棋士)
発行:2012年11月 PHP文庫
難易度:★
感動度:★★
共感度:★★
個人的評価:★★
ページ数:210ペー


【本の紹介】(裏表紙より抜粋)
個性、持ち味を大切にすれば、悩み、迷いがなくなる。
無駄はない、「見切る」ことができるか、力を借りる、忘れること、客観的に見ること、
キャンセル待ちをする、思い通りにならない自分を楽しむ


【目次】

第一章 直感は、磨くことができる
第二章 無理をしない
第三章 囚われない
第四章 力を借りる
第五章 直感と情報
第六章 あきらめること、あきらめないこと
第七章 自然体の強さ
第八章 変えるもの、変えられないもの


【感想】
プロの将棋棋士である羽生さんが、人生を通して学んだ教訓がたくさん書かれていました。
一章の中の節ごとの文章が短いので、短い時間でも細切れに読める本でした。
しかし、ところどころハッとさせられる言葉が書かれていて。深いなぁ。と思いました。

いくつか深いなと思った言葉(概要)を紹介させていただきます。
自分なりの理解でまとめているので、本文とは少し違うかもしれませんので、気になる方は自分で読んでみてください!

モチベーションとは天気のようなものだ、しかし、モチベーションが上がらなくても、そんな中で必死に頑張ることが大切だ。

本来、将棋の世界では師は弟子に簡単に答えを教えない。もがき苦しみ、悩む弟子を師は暖かく見守る。そして、悩んだ末に答えを出すことが、弟子の成長に繋がり、そうして掴んだものは、簡単に答えを与えられてしまうよりも、長い間記憶の中で消えないからだ。逆に簡単に答えを教えてしまう、ということは、親切な事のように見えて、実はそうでないことがある。
将棋の世界に限らず、弟子は最終的には自分の力だけで生きていくという覚悟が必要だ。
そのためには、簡単に答えを得るのではなく、ベストではなくても、自分の納得のいく、自分らしい選択をすることが必要である。

ミスをしたときには、それまでの予定が狂ってしまい、焦り混乱しミスを取り戻そうとしたりして、さらなるミスをしてしまうことが多い。そんな時は、一息ついて、「自分は今、この盤面をもし「初めて」見たとしたら、自分はどんな手を打つか」と考えるのが良い。それまでの連続した局面を忘れ、新たな気持ちで落ち着いて局面に向き合うことで、さらなる失敗をしなくてすむ。

将棋とは基本的に自己否定のゲームである。現在の局面には否定的、しかし、全体としては楽観的。そのような態度で挑んでいる。人生においても、将来に否定的にならず、現状を楽観視しない姿勢が大切である。

将棋の世界も日々刻一刻と変化し続けている。棋士もそれに合わせて変化しないと、古くなり、淘汰されてしまう。しかし、かと言って、「急激な改革」をしたとしても、それはそれで失敗することが多い。少しずつ、長い時間をかけて、方向性を見失わないまま変化していくのが望ましい。

想像力と創造力について。想像力とは、過去から現在までの現状を分析し、そこから少し未来のことを想像する力。創造力とは、その想像した未来を実現するために具体的に行動に移すこと。その二つのサイクルを繰り返し続けることが大切である。

日本文化は、「水面下」を読むことを伝統的文化としている。短歌も俳句も、茶道も、将棋も、長い時間をかけて「よりコンパクトに」なり、現在の姿となった。そしてその「コンパクトさ」の中に、当事者がおかれた時間や世界観を読み取り、それを「追体験」することが日本文化の神髄であるといえる。現代における半導体技術の躍進、コンビニ文化の発達、Twitterなどにも、そこに共通する日本の精神が隠れている。

羽生さんが将来を思い描くとき、「こうなりたい」と思い描いていたものと違うものになることを理想としている。思い通りになると面白みがない。アクシデントや偶然や運、ツキなどによって変化する自分の周りの環境に対して、納得しながら変化する自分を楽しみたい。と述べていた。

104/200『輝く夜』百田尚樹


読破!!
『輝く夜』百田尚樹(作家)
発行:2010年11月 講談社文庫
難易度:★
感動度:★★
共感度:★★
個人的評価:★★
ページ数:210ペー


【本の紹介】(裏表紙より抜粋)
幸せな空気感溢れるクリスマスイブ、恵子は7年間働いた会社からリストラされた、さらに父さんの危機に瀕する弟になけなしの貯金まで渡してしまう。「高望みなんてしない、平凡な幸せが欲しいだけなのに」。それでも困っている人を放っておけない恵子は、一人の男性を助けようとするが――。
5編の泣ける奇蹟。


【目次】

第一話 魔法の万年筆
第二話 猫
第三話 ケーキ
第四話 タクシー
第五話 サンタクロース

【感想】
ロマンチックな短編集でした。
舞台はクリスマス、それぞれの主人公は女の人。
それぞれの話に情熱的ではないけれども、ほっこりするような恋愛のエピソードが描かれていた。
文章構成や話の構成も、一辺倒ではなく、それぞれ新しい描き方にチャレンジしている。
そういう印象を受けました。
「奇蹟」的な展開にどこか醒めてしまいながらも、でも、読むだけで人の優しさに触れられたような気がして、暖かい気持ちになれる本でした。