2014年3月17日月曜日

86/100『ネトゲ廃人』 芦崎治

前に読んだ本!!
ネトゲ廃人』 芦崎治(ノンフィクションライター)
発行:2012年4月 新潮文庫
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:254ペー


【本のテーマ】(Amazonの商品説明より抜粋)
現実を捨て、虚構の人生に日夜のめり込む人たち。常時接続のPCやスマホが日用品と化した今、仮想世界で不特定多数と長時間遊べるネットゲーム人気は過熱する一方だ。その背後で、休職、鬱病、育児放棄など社会生活に支障をきたす「ネトゲ廃人」と呼ばれる人々を生んだ。リアルを喪失し、時間と金銭の際限ない浪費へ仕向けられたゲーム中毒者の実態に迫る衝撃のノンフィクション。

【目次】
記録がないため割愛

【概要】
1.ネトゲ廃人のリアリティ
被験者たちの風貌は様々であり、ステレオタイプ的な「オタク」像にとどまらない。社会人、大学生、中学生、小学生、主婦(夫婦そろってのケースもあった)など。そんな中インタビューを通して多くの人に共通して言えることとは、彼らが「ネットゲームにはまりすぎて時間や人間関係を失ったことを後悔している」、という点、そして、「もし自分が親だったら子供にはやらせない」という点である。しかし逆に、現実世界で傷ついたり絶望していた人が、ネットゲーム上での共同作業で人とのつながりを感じ、心を開いていくきっかけになっているという事実が存在することも確かである。

2.セカンドライフ
ネットゲームだけでなく、セカンドライフという仮想空間で第二の人生を送るシュミレーションゲームにはまる人々が出てきた。その仮想空間上でイベントの仕事をして僅かなお金を稼ぎ、それを楽しみとしている人が紹介されていた。

3.ネットゲーム恋愛
ネットゲーム上で恋愛相手を見つけ、ネットゲーム上でデートし、ついには現実世界でも同棲するようになるケース、はたまた、ゲーム上で恋に落ちた相手が現実世界で出会うと理想とは程遠くて好きになれないので、仮想世界上だけでのその人物を好きになる、という屈折した恋愛も登場していた。また仮想世界での思い出も現実世界での出来事のように語る女性も登場し、仮想と現実の感覚が一つになっていっている感覚が紹介されていた。

4.ネットゲームによる家族の崩壊
主婦がネットゲーム上で浮気をするケース、両親でネットゲームにはまり、子供はゲームをする親に気を使い大人しいロボットのような性格に育っていくケース、ゲームに熱中するあまり夫婦間で会話がほとんどなく、ついには夫がうつ病に陥ってしまうケース、兄弟で兄がネットゲームにはまるが、弟には絶対にはまらせようとしないケースなど、さまざまな家族が紹介されていた。

5.韓国でのネットゲーム盛況
韓国では、ゲーマーがプロ選手として雇われ対決する試合が人気であるようなゲーム文化が根付いている。
PC房と呼ばれるインターネット利用施設でオンラインゲームをする。あるオンラインゲーム会社の売り上げは二兆ウォン(二千億円)にも上るという。ネットゲーム中毒者の増加しており、青少年の14・4%、成人の6.4%がオンラインゲームなどによる中毒が憂慮されている。(出典:コリアンヘラルド経済紙)2008年の統計によると、韓国の自殺率は10万人当たり24.3人OECD加盟国の平均(11.1人)の二倍以上で世界一位になった。
それに対応して、韓国政府の保健福祉家族部と韓国青年少年相談員が「インターネット・レスキュー・スクール」
を設立、ネットゲーム中毒の青少年の依存症を改善するためのキャンプを行っている。参加者3分の2は生活が改善され、学校へ行くようになったという。

6.まとめ
ネットゲームにはまる原因には大きく3つあるという。一つはゲーム自体の面白さ、二つ目ははまってしまう人の周りの環境などの外的要因。三つ目ははまってしまう人の性格などの内的要因である。
ネットゲームは悪い面だけでなく、新たな人間関係を繋いだり、仮想世界でしかできない経験をすることができるというプラスの面も持っているため、ネットゲーム中毒にならないように、「ゲームをする時間を管理・制限」することが何よりも大切である。

【感想】
 ネットゲームはしたことないけど、ノンフィクションを読んでみました。ゼミの課題で自分で選んで読んだ本と、そのレポートです。
「ネトゲ廃人」というと、オタクの人とか引きこもりの人なのかと思いきや、19人への一人一人へのインタビューを読むと、そうではなくて、色んな人がいるということをリアリティを持って感じました。

「依存症」状態になっており、抜け出せない人の話や、それが原因で家庭が崩壊したり、会話が極端に減ったり。でも、一番印象に残ったのは、ネトゲにはまりすぎている兄が、その弟がネトゲをやろうとしたら、絶対にハマらせないように注意した。という人の話でした。
あとは、ネットゲームのおかげでコミュニケーションが広がったり、自分に自信がついたというエピソードもあり、悪い面だけではないということも理解できました。

あと、韓国ではゲームがスポーツのように流行しており、スポーツ選手の感覚でゲーマーがいる。というのは、新しいな。と思いました。と同時に、ゲーマーという職業の厳しさが垣間見えました。

 この本を読んだから、今後ネットゲームにはまってるっていう人に会っても、ステレオタイプにとらわれずに、いろいろな人がいるんだと思いながらその人と関わっていけると思います。

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