『告白』湊かなえ(作家)
発行:2010年4月 双葉文庫
難易度:★★☆☆☆
感動度:★★★★☆
共感度:★★★☆☆
個人的評価:★★★★☆
ページ数:317ページ
【本の紹介】
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!<特別収録>中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。
【目次】
第一章 聖職者
第二章 殉教者
第三章 慈愛者
第四章 求道者
第五章 信奉者
第六章 伝道者
「映画化によせて」 中島哲也
【感想】
面白かった。以前映画をDVDで見たのですが、最後の衝撃がすごくて、松たか子さんの演技もとても良くて、文庫版も読んでみました。
文庫版の方がストーリーの構成が映画とは違って、視点が章ごとに変わって語られていました。
同じ事件であっても、人や立場を変えると、思い込みとか、誤解とか、勘違いとか、そういうのが入り混じっていて、事件の裏側にある、人間のリアルな感情が描かれていて、一気に読めました。
小説か映画か、どちらがよかったか、と言われると、悩みますが、僕は映画を勧めます。
小説の方が、細かい心理描写が描かれている、という点は確かにそうなのですが、最後の終わり方が、映画の方が監督のインタビューの中にもあったように「余白」があると思います。
つまり、はっきりとした結末ではなく、「え!?結局どっちなん!?」という、
どっちにもとれるような結末だったので、見終わってからの余韻がすごかったです。
監督が、彼らが事件について語っているけれども、そこには「嘘」も混じっている。
そこを深読みしていくと、何が何だかわからなくなる。と述べていて、
すごく、「人間的」に映画に仕上げられたのだなぁ。と思いました。
映画ももう一度見たくなりました。
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