2014年3月17日月曜日

85/100『感謝と謝罪』 相原茂


前に図書館で借りて読んだ本!!
感謝と謝罪』 相原茂(中国語教育者)
発行:2007年9月 講談社
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:230ペー


【本のテーマ】(Amazonの商品説明より抜粋)
「日中」異文化を読み解く、語学エッセイ集。「感謝」に敏感な日本人と「謝罪」を重んじる中国人--日中間の”ずれ”や摩擦はどうして起きるのか?中国語教育の第一人者が鮮やかに説く、異文化理解のヒント

【目次】
記録がないため割愛

【概要】

<日中の異文化“感謝と謝罪”>
中国人は「謝る」ことに重点をおくが、日本人は「感謝」することに重点をおく。
中国では、謝罪の言葉より、まずは理由や原因を重視する。謝るのは心からの謝罪するとき。
それに対して、日本では簡単に謝ってその場をやり過ごそうとする。「言い訳」は好まれない。
また、「感謝」のお土産を渡すタイミングにも違いがあり、日本では、「お世話になった人」へのお土産を渡すのに対し、中国では、「これからお世話になる人」へお土産を渡すことが多い。
お世話になる人へお土産などを渡す時も、自分が求める要求に見合うだけの価値のあるものをお土産として渡す、いわば賄賂的な文化が根付いている。
そして、「感謝」のお土産を渡す時の添え言葉の違いとして、日本人は「つまらないものですが、、、」と言うのに対し、中国人は「我特意为你买来了」(あなたのために特別に買って来ました)という風に言うことが一般的であり、日本文化では、相手が負担に思わないように気を使うが、中国文化では、はっきりと誠意をアピールする。

<日中の異文化“人付き合い”>
日中の人付き合いの感覚の違いとして、それぞれの国での教訓として、日本では、「人に迷惑をかけてはいけません」と言われるのに対し、中国では、「在家靠父母,出门靠朋友」(家にいるときは両親を頼りにし、家の外では友達を頼りにしなさい)と言われる。
中国人にとって、人付き合いの中で迷惑はかけあうもの、迷惑をかけてこそ、友達として信用していることの証である。なので日本人の「貸を作りたがらない」性格は、中国人にとってはとてもよそよそしく、水臭くみえる。場合によっては、貸しを返すことで「貸しは返したので、あなたとの関係はこれで終わり!」という風に捉えられることもある。
また、日中の「招待」の違いとして、「また今度遊びに来てくださいね」と誘われた時の日中の反応で、日本文化は、「はい、それはいいですね。」と言うのにとどまるのに対して、中国文化では「你什么时候有空?」(いつあいていますか?)と具体的なところまで踏み込んでくる。
日本文化の中では、このようなやり取りがあっても、その後実際には実現しないことが多いが、中国文化では、招待すればそれは本気で招待していることになる。
また、中国では「物より人の文化」であり、人脈をとても重視する。大学などの事務室に行くと「您找谁?」(どなたに御用ですか?)と聞かれることが多い。用事よりも、「誰に」会いに来たのかを優先する。人を通して紹介することが多い。

<まとめ>
「感謝」「謝罪」この二つの感覚は、日中で大きく違っており、そのことを頭においてお互いを理解していこうという姿勢が大切である。

【感想】
大学のゼミの宿題で自分で選んで読んだ本と、そのレポートです。
卒論のテーマとなった、「日中文化の比較」の初期段階でその違いを意識させてくれた本です。
日本人・中国人。という捉え方ではなく、「文化」として捉える、という考え方を、
この本からも吸収することができたと思います。
それぞれの文化にその根源にある思いとかを想像して、「愛しい」と思えるようになりました。
自分の国の文化の常識に立って相手の国の文化の表面の行動や言動だけ見ると、誤解や反感感情を持ってしまうこともありますが、この本では、そのように一方的な価値観での記述ではなく、その一歩奥まで踏み込んで、「こういう文化であるから、こういうことを言うんですよ」ということを分かりやすく丁寧に書いてくれている本だと思いました。

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