2014年3月28日金曜日

100/100『7つの習慣』スティーブン・R. コヴィー


読破!!
7つの習慣』スティーブン・R. コヴィー(実業家)
発行:1996年12月 キングベアー出版
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:492ペー


【概要】
「パラダイムと原則について」の要約
 ここ50年間のアメリカで「成功」について書かれている本には、表層的なテクニックを書いた「個性主義」な本が多い。しかし、問題を解決するには、根源的なところから解決する必要がある。始めの150年間に書かれていた本には、原理原則を深くまで内面化させる「人格主義」が多かった。蒔いたものしか収穫できない、という「農場の法則」のように、人生においてはまずは土台をしっかり作ることが大切である。
 土台を作るにあたり、「パラダイム」の存在を理解することが必要である。
パラダイムとは、世界を見る見方であり、私たちの認識、理解、解釈を決めるものである。先ほど述べた人格主義や個性主義も、ある現実についての理論、説明、モデルの一つである。それは、普遍的な「場所」へと導く「地図」のようなものであり、立場によって見え方が変わってくる「レンズ」のようなものである。またそれは、経験によって受ける条件づけによる影響を受け、行動や態度に直接的に結び付く。
 以上に述べた「パラダイム」が、大きく転換することを「パラダイム転換」と呼び、これまでの歴史的なパラダイム転換として、天動説から地動説への転換、ニュートンの物理学、王権から民主主義への転換などがある。一般的には病気や災害などに遭遇し、優先順位が突然変わるときや、新しい役割を引き受けたときに発生しやすい。
 「パラダイム」と「人格」は切り離せない関係であり、「人格主義」には人生を支配する「原則」が存在するという基本的な概念に基づいている。その「原則」とは、灯台のように動かない「場所」そのものであり、手法とはなり得ない、破ることのできない自然の法則である。いかに優れたパラダイムでも、原則より優れることはない。
 「個性主義」は、プロセスを踏まず、表層的なテクニックによる解決が多いため、最終的には落胆とフラストレーションにつながることが多い。
 「パラダイム転換」を行うためには、「インサイド・アウト」という概念が大切である。つまり、自分自身の内面(根本的なパラダイム、人格、動機など)を変えることから始める態度が必要である。「インサイド・アウト」では、私的成功が公的成功につながるという考えに基づいている。それに対して「アウトサイド・イン」とは問題の原因を周囲のせいにすることであり、その考えから抜け出せないでいると根本的な問題解決には至らない。
 「7つの習慣」を理解するにあたり、「習慣」というものについて理解する必要がある。思いが行動を作り、行動が習慣を作り、習慣が人格を、人格が人生を作る。習慣には引力があり抜け出しにくいものであり、効果的に使うことが求められる。習慣とは、知識・スキル・やる気の3つの要素から構成されており、それぞれが螺旋状の循環により成長・変化していく。「7つの習慣」とは、依存から自立、そして相互依存へと成長していくプロセスである。自立は私的成功につながるにとどまるが、相互依存は公的成功にまでつながる。相互依存にたどり着くには自立を経ることが必要である。第1・2・3の習慣は自立・私的成功に関わるもので、第4・5・6は相互依存・公的成功に関わるものである。第7の習慣は最新再生の習慣であり、第1から6までの習慣を循環的に高めるものである。
 「7つの習慣」は「効果性」の習慣である。つまり、「効果性」の定義とパラダイムに基づいている。効果性とは、目標達成・結果と、目標達成のための資源・能力の二つの側面を持つ。その二つのバランスを「P/PCバランス」という(Performance/Performance Capability)その関係を理解するための黄金の卵を産むガチョウの例えがある。黄金をたくさん産ませようとした結果、ガチョウが死んでしまい、黄金を二度と得ることができなくなる。そのようなバランスの失敗が物的資源・金銭的資源・人的資源それぞれにおいて発生する。


 第一の習慣 主体性を発揮する
 自分の行動や価値観を客観的に認識できるのは、人間特有の能力である。一般的に決定論として「遺伝子的決定論」「心理学的決定論」「環境的決定論」の三種類のパラダイムがあると考えられているが、刺激と反応の間に人間特有の「自覚・想像力・良心・自由意思」を働かせることで、物事の捉え方において「選択の自由」が生まれる。
 「主体性」とは、自分の人生に責任を持つことである。つまり、刺激に対する反応を選択することであり、そのことによって自分の人生をコントロールし、さらには周りの状況にも作用することができる可能性を持っている。「主体性」と同様に、「率先力」も重要である。「率先力」とは、自ら進んで状況を改善しようとする力である。
「率先力」を考えるにあたって、「関心の輪と影響の輪」という概念があり、自分の身近におこる問題には、影響の輪を二重円の内側の円として①直接的にコントロールできる②間接的にコントロールできる部分、そして③まったくコントロールできない、関心の輪が外側にある。自分がどの分野に集中しているのかを意識することで、積極的にエネルギーを活用できる。関心の輪においては「持つ」ことを意識することが多く、影響の輪においては「なる」ことを意識することが多い。理想としては、影響の輪に集中し、少しずつその輪を同心円状に広げていくことである。関心の輪に集中し率先力も発揮せずに、不満の原因を自己の外側に求め続けることは、選択の自由を放棄している、つまり自分の人生の責任を放棄していると言える。

第二の習慣「目的をもって始める」
 「全てのものは二度つくられる」という言葉が示すように、何かを作るときには設計図のような知的な第一の創造と、物的な第二の創造の二種類がある。人生においても同じで、人生の最後を思い描き自分にとって何が本当に大切なのか、目的を作ることが必要である。会社においても、第一の創造が会社の方向性などを決めるリーダーシップ、第二の創造が実際に問題を解決していくマネジメントとう二種類に分けられる。それを表した言葉が「マネジメントは物事を正しく行うことであり、リーダーシップは正しいことをすること」と言う言葉である。
目的を定める際には、自覚・良心・想像力を使って、ミッション・ステートメント(自分の憲法)を明文化すると良い。配偶者・家族・お金・仕事・所有物・遊び・友達・敵・宗教組織・自己などの項目において、自分がどの項目をより重視しているのか、自分の中の中心を再発見することができる。これらの項目のどれか一つを自己の中心に置くことは、バランスが悪く問題が生じるため、「原則」を中心に置き、それぞれの項目をバランスよくとらえることが大切である。
自己宣言・イメージ化によって「個人的、積極的に」「現在形のもの、イメージできるもの、感情を表したもの」を明文化、イメージ化することでより具体化される。作成するプロセスそのものが、できる文章よりも大切である。
あるホテルでは、ミッション・ステートメントを会社ごと・部門ごと・係ごとに共同で作らせている。「参加無ければ決意なし」の精神を実践しているため、従業員を監視する必要もないほどに、ミッション・ステートメントが浸透している。

第三の習慣「重要項目を優先する」
 第三の習慣は、自己管理し重要項目を優先する実行力である。「感情を目的意識に服従させる」ことをその本質とする。時間管理の方法の発展段階として、第一世代はメモ、チェックリスト、第二世代はカレンダー、第三世代は優先順位などの「能率的」を重視したもの、第四世代はP/PCバランスを維持するという長期視点に立った「目的達成」という順番に発展していく。時間管理のマトリックスとは、重要度の高低、そして緊急度の高低によって4つの事柄を領域に分ける。第一領域(重要度高、緊急度高)はストレスを与え、第三領域(重要度低、緊急度高)は人を反応的にさせ、第四領域(重要度低、緊急度低)は息抜き、堕落の範囲である。第二領域(重要度高、緊急度低)は、問題の根本解決において力を発揮するため、この領域に時間を割くことが必要である。第二領域に時間を割くために、他の領域に割く時間を削る、「ノー」という判断をする必要がある。第二領域の時間管理方法として①一貫性、②バランス、③第二領域への集中、④人間重視、⑤柔軟性、⑥携帯性、の6つを意識するのが良い。第四世代時間管理法として、①自分の役割を定義する、②目標設定(第二領域の内容を主にする)、③スケジュール化、④日々の対応、という順番で時間管理を行うのが良い。時間管理を実行する際に、「デレゲーション」という、仕事を他の人に任せる能力も必要である。デレゲーションには「使い走り型」と「完全型」の二種類あり、完全型を目指すのであれば、①望む結果、②ガイドライン、③使える資源、④責任に対する報告、⑤履行(不履行)の結果を相手に明確に伝えることが大切である。



相互依存パラダイム
 相互依存は自立が発展したものであり、自立において欠陥があればそこから慢性的な痛みが生まれ、それが原因で人間関係においても急性的な痛みを生じさせる。そこで必要なのは、上辺だけの応急処置ではなく、根源的な自立の徹底である。何をするかよりも、どういう人間であるかである。
 相互依存においてもP/PCバランスが重要である。「信頼残高」とは、ある関係において築かれた信頼関係のレベルを表す比喩表現であり、信頼残高のパラダイムを持つことが、公的成功の領域に入るための準備となる。「信頼残高」における注意点として、①相手を理解する。相手の価値観を尊重し、自己のパラダイムを押し付けてはならない。②小さなことを大切にする。どのようなことに傷つくかは人それぞれの感受性によるということに気を付ける。③約束を守る。守れない約束はせず、万一都合が悪くなっても、状況度外視で守る、もしくはきちんと相手に説明をすることが必要である。④期待を明確にする。目標と役割の誤解によって人間関係が悪化してしまう。⑤誠実さを示す。人のいないところで悪口を言うなど、二面性を持ってはならず、相手を騙したり、下心を持ったり、人の品位に合わない一切の話を避け、現実を言葉に合わせる努力を惜しまない。⑥(信頼残高を)引き出してしまったら誠意を持って謝る。しかし、同じ過ちを何度も繰り返してしまうと逆に誠意は伝わらなくなるということもある。
相互依存関係においてP/PCバランスのうちPに問題が発生した時は、PCを見直し、高める機会であるととらえることで、積極的に問題解決に取り組むことができる。


第四の習慣「Win-Winを考える」
 Win-Winを考えるにあたり、人間の関係における6つのパラダイムを考える。それは①Win-Win②Win-Lose③Lose-Win④Lose-Lose⑤Win⑥Win-WinまたはNo Dealの6つである。①Win-Winとは全員を満足させるに十分な結果があるはずだという考えを基本にしている。②Win-Loseは、外的な要因で価値が決まる考え方であり、家庭、学校、スポーツ、法制度などで脚本づけされることが多い。③Lose-Winは相手に好かれることに自分の価値を求めたり、降伏すること、お人好しになることであり、失望・恨み・幻滅などの抑圧感情を抱きやすく、それが表出すると病気や怒りに繋がってしまう。多くの経営者は②と③の間を振り子のように揺れ動いている。④Lose-Loseは、相手を負かすためなら自分が負けても良い、という考え方であり、⑤Winは自分の勝ちだけを考える考え方である。①~⑤までのパラダイムの優位性は場面・状況によって異なる。つまり、その場における「Win」の価値によって異なる。Win-Winよりさらに高次元の選択として⑥Win-WinまたはNo Dealがある。それは、Win-Win以外になるならば取引はしない、見送る。ということに双方が同意することである。
 Win-Winを考えるにあたって、人間の四つの性質(自覚・想像力・良心・自由意思)の全てを発揮することが求められる。Win-Winを支える5つの柱として、①人格②関係③合意④システム⑤プロセスの5つの要素がある。①人格とは、まずは「誠実さ」、つまり自分の「Win」を理解し、有意義な「決意と約束」をし、それを守り、自覚と自由意思をつけることで、自分自身に置く価値を高めることである。次に「成熟」、つまり自分の気持ちや信念を表現する「勇気(=P)」と、相手の気持ちや信念を尊重する「思いやり(=PC)」のバランスをうまくとることである。そして3つ目に「豊かさマインド」、つまり、一つのパイを奪い合うという「欠乏マインド」とは違う、無限の可能性、新しい代替案、第三案を探し求める精神である。②関係とは、信頼残高であり、信頼残高が高ければ相乗効果を生み出すことができる。③合意とは、実行協定であり、「望む結果・ガイドライン・使える資源・責任に対する報告・履行不履行の結果」のそれぞれを相手と共に明確に決め、合意することである。④システムとは、Win-Winを支えるシステムであり、つまり、不必要な競争を必要な協力へと変え、PとPCの双方を築くことで実行協定を支え、それを補完する環境を作り出すことである。⑤プロセスとは、Win-Winの結果に至らせるためのプロセスであり、1.問題を相手の立場から見る、2.対処しなければならない課題と関心事を明確にする、3.完全に納得できる解決にはどういう結果を確保しなければならないか、4.その結果を達成するための新しい案や選択肢を打ち出す。の4つがあげられる。
 Win-Winの関係とは、「人格」から発生し、「人間関係」により育成され、「実行協定」により形づけられ、「システム」の中で栄え、「プロセス」によって達成される。

第五の習慣「理解してから理解される」
 第五の習慣とは、「まず相手を理解するように努め、その後で自分を理解してもらうようにする」ことである。そのためには、話す、書く、読む能力に加え、「聞く能力」が重要である。聞く姿勢の中でも「感情移入して聞く」ことが最も高次元である。「精神的な空気」を相手に与え、信頼残高を高めることができる。その一方で、感情移入の傾聴により、相手に影響され、自分が傷つくリスクもあるが、相手に影響を与えるための前提条件として自分が相手に影響されることは必要不可欠である。ビジネスにおいては、商品を売るのではなく相手の立場にたって「解決」を売る意識が必要である。それと反対に位置する「自叙伝的」な自分の経験・評価の押しつけをする態度では、相手は心を開いてくれなくなってしまう。「感情移入の傾聴」を実践する方法として、1.話の中身を繰り返す、2.自分の言葉に置き換える、3.感情を反映する、4.2と3の両方をする。という段階で発展していく。古代ギリシャの哲学にも、①エトス(=個人の信頼性)、②パトス(=感情移入)、③ロゴス(=理論)という三つの概念が存在しており、それは現代でいう①人格、②関係、③プレゼン論理に相当する。

第六の習慣「相乗効果を発揮する」
 相乗効果とは、原則中心リーダーシップの中心であり、全体の合計が各部分の和よりも大きくなるということであり、それは各部分の間にある関係そのものも、一つの構成要素として存在している。また、相違点に価値を置き、それを尊重し、強みを伸ばし弱さを補完することである。それは、奉仕、貢献、より開かれた、信頼性のある、豊かで防御的でない、政治的操作などない、愛と思いやりにあふれた所有欲や裁きの心のない脚本により発揮される。相乗効果の発揮を日常的にするには、個人的な安定性、オープンな態度、冒険的精神が必要であり、曖昧さに耐え得る力が必要である。相乗効果を一度経験すると、それを再現したくなるが、うまくはいかない。それを昔の東洋の偉人は、「師を真似ることを求めず、師の求めたるものを求める」という言葉にした。
相乗効果を発揮する鍵とは、自分の中で相乗効果を発揮することであり、つまり、第1~第3の習慣の結果である。自分が客観的であるとか、人生は二分法であると捉えず、他者の視点を大切にすることで、他者に精神的空気を与え、その結果相乗効果が生まれる。
社会学者カート・レビン氏は、「場の分析」の中で、現在得られている結果は、抑止力と駆動力の均衡であると述べた。しかし、第4、5、6の習慣を実践することで、抑止力の力を弱めることができると述べていた。たとえ自分を否定する人に会っても、彼らを肯定し、理解するように努め、妥協ではない「中道」や、新しい「第三案」を探すことができる。

第七の習慣「刃を研ぐ」
 「刃を研ぐ」とは、①肉体的側面②精神的側面③知的側面④社会・情緒的側面の4つの能力を定期的に、一貫して、懸命に、バランスよく磨き、向上させることであり、P/PCバランスのPCにあたり、第二領域(重要度高、緊急度低)の部分へ意識を向けること、つまり、自分の人生への投資である。
①肉体的側面とは、持久力と柔軟性と強さを鍛えることであり、②精神的側面とは、自己と向き合い、個人のミッションステートメントや目標を明確にし、それを復習し、決意し直すことなど、③知的側面とは、テレビを賢く活用し、本を読み、自分の考えを書くなどである。この3つを「毎日の私的成功」と呼び、第1・2・3の習慣と関連が強いので、毎日一時間の時間を費やすようにすることが良い。④社会・情緒的側面は第4・5・6の習慣と関連が強い。実行するには、内的安定性と自尊心が不可欠であり、それらは1.
インサイド・アウトの誠実・廉潔、自分の習慣と自分の最も深い価値観を一致させた生活2.効果的に相互依存関係的生活3.有意義で人の役に立つ奉仕、の3つによってもたらされる。企業において「刃を研ぐ」とは①経済的側面、②人の才能の開発・活用・評価、③組織の目的・貢献の意味の発見、④人間関係、利害関係者との関係・従業員の扱い方など、がそれぞれあてはまる。これら4つの側面をそれぞれバランスよく磨き上げること(=Total Quality Control=TQC運動)が大切である。
 7つの習慣はそれぞれに相乗効果があるため、「良心」に基づき、「学び」「決意」「実行」の螺旋状の循環によって向上していくことができる。

【感想】
 会社の入社前課題として読みました!
自己啓発本としては、基本的な考え方から、目指すべき理想形まで、
段階を追って説明してくれていました。



感想と、今後どう生きていきたいかというのは課題で提出したので割愛させていただきます。

99/100『レベルアップ中国語 3月号』 千野拓政


(無理やり)読破っ!!
『レベルアップ中国語 3月号』 千野拓政(講師)
発行:2014年2月 NHK出版
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:111ペー

【本のテーマ】
多用な表現を知ろう 中国文学~現代の伊吹 月~金 午後10:45~11:00

【目次】
●中国文学~現代の息吹
<連載>
●現代中国語版【儒林外史】
●通訳の現場から ニュースな単語たち
●映画で学ぼう ネイティブ会話
●ピンポイント中国語文法

【概要】
●中国文学~現代の息吹
韓寒の「1988:我想和这个世界谈谈」という小説と、<主子,奴才和狗>、<脱节的国度>という作品が掲載されていました。
1988では、偶然知り合った娼婦との出会いと切ない別れが書かれていました。

何回か聞けていない回があるのと、
本文ではない「連載」がまだ読み切れていないので、後で読みます。

98/100『実践ビジネス英語3月号』 杉田敏


(無理やり)読破っ!!
実践ビジネス英語3月号』 杉田敏(講師)
発行:2014年2月 NHK出版
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:96ペー


【本のテーマ】
最新トピックに触れながら学ぶ オンビジネス・オフビジネスでの実用英語
水~金 午後11:20~11:35

【目次】
●本文
Lesson 23 Separated by a Common Language
Lesson 24 Perchance to Dream
●連載
Larry's Americana/ Larry Kinpfing
Our Magical World/ Lisa Vogt
The Writer's Workshop/佐藤昭弘

【概要】
Lesson 23 Separated by a Common Language
 イギリスから新しくやってきた社員Pat McMillan。イギリス英語とアメリカ英語の違いについて話されていました。イギリスでは聞き慣れない悪い意味のスラングを、アメリカでは気軽な意味で使っていることがあり、最初は気分をがいすることがあると述べられていた。

Lesson 24 Perchance to Dream
 睡眠をテーマに話されていた。カクテルパーティーでの話題が「睡眠」についてでうんざりしている。という話から始まり、眠れない時に眠れるようにするにはどうすれば良いか、また、昼寝をとることの有効性などについて語られていた。

●連載

まだ読めていないので読みます。

97/100『厄除け詩集』井伏鱒二


読破!!
厄除け詩集』井伏鱒二(作家)
発行:1994年4月 講談社文芸文庫
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:168ペー


【本のテーマ】(裏表紙より抜粋)
そこはかとなきおかしみに憂愁を秘めた「なだれ」「つくだ煮の小魚」「歳末閑居」「寒夜母を思う」等の初期詩編。”ハナニアラシノタトヘモアルゾ「サヨナラ」ダケガ人生ダ”の名訳で知られる「勧酒」、「復愁」「静夜思」「田家春望」等闊達自由、有情に充ちた漢訳詩。深遠な詩魂溢れる「黒い蝶」「蟻地獄(コンコンの唄)」等、魅了してやまぬ井伏鱒二の詩精神。四部構成の初の文庫版『厄除け詩集』。


【目次】
厄除け詩集
訳詩
雨滴調
拾遺抄
人と作品 河盛好蔵
こんこん出やれ――井伏鱒二の詩について
年譜
著書目録

【概要】
割愛

【感想】
 故・やなせたかしさんが好きな詩人として紹介されていたので読んでみました。
僕的にも「勧酒」がすごく好きで、他の詩も読んでみました。
詩を読むことはあまりないので、読み方がまだよくわからないのですが、
それぞれの詩は、読むとなんとなく情景が浮かんでくるので、
なんだか美術作品を見ているような、そんな気持ちになりました。
見返してみると、タイトルを見るだけで、その詩の内容のイメージが思い出されて、
これが「詩の醍醐味」なのかなぁ。とか思いました。
そして、日本語のリズムが「五七五」みたいな感じで、読んでいてリズム感のある詩が多いと感じました。
訳詩も、中国語の方を見ながら訳詩を見ると、ひねってあったり、日本の地名が当てられていたり、かなり「意訳」をしているのが、味があっていいあなぁ。と思いました。

その中でも、特に気に入ったのが、「冬」という詩です。
そこでは、詩を書くことは、「風邪をひかないおまじない」と述べられており、

書いては消し書いては消し 消したきりでもいいだらう
屑籠に棄ててもいいだらう どうせ棄てるもおまじなひだ

と書かれているのが、なんだか共感できて心に響きました。
感情とか、思い浮かんだことを日記に書いたり、詩にしたり、何らかの形で表現することは、
心の健康にとっていいことだと思います。
たとえ誰の目に触れることが無くても、自分のために、
「風邪をひかないおまじない」として、表現をする。
そんな井伏さんの表現者としての姿勢に共感できました。
あと、井伏さんの詩は、「別れ」や「郷愁」をテーマにしたものが多く、
ノスタルジックな雰囲気があるのがいいなぁ。と思いました。

と、いろいろ書きましたが、最後の方に詩の解説が乗っていて、そこからいろいろ言葉を借りました。読んでいる時は感じるだけでしたが、解説を読むと、「あー、確かに!」と思いました。
井伏さんの良さが分かった上で、また時間をあけて読んでみたいです。

2014年3月27日木曜日

96/100『あなたの生き方を変える』 金井嘉宏


読破っ!!
あなたの生き方を変える』 金井嘉宏(神戸大学大学院経営学研究科教授、インタビュアー)
発行:2002年3月 学生社
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:ペー


【本のテーマ】
安藤忠雄氏や、河合隼雄氏等、各業界の前線で活躍する著名人と、インタビューアー金井嘉宏氏との対談。

【目次】
はじめに
第一章 李御寧(韓国初代文化相)
第二章 安藤忠雄(建築家)
第三章 河合隼雄(文化庁長官・臨床心理学者)
第四章 福原義春(株式会社資生堂名誉会長)
第五章 葛西健藏(アップリカ葛西株式会社代表取締役会長)
第六章 グレン・S・フクシマ(日本ケイデンス・デザイン・システムズ社社長)
第七章 松永真理(元NTTドコモゲートウェイビジネス部企画室長)
第八章 杉本八郎(エーザイ株式会社創業第一研究所所長)
第九章 中谷彰宏(作家)
第十章 山田脩二(瓦師)
あとがき

【概要】

第一章 李御寧(韓国初代文化相)
 日本と韓国、そして西洋との文化比較について述べていました。アジア文化には「理」と「気」の考え方が存在し、日本は特に「気」を重視する文化である。日本は自然に手を加え人工的な物を作るが、韓国は自然派であり、「融合」させるのが得意である。「融合」は「正反合」とは少し違い、対立する関係ではなく、じゃんけんの「ぐーちょきぱー」の用にそれぞれが独立し循環している。
これからの社会ではこの「融合」により生み出される「中間文化」の存在が不可欠である。
また、教育に関しても、「education」と「entertainment」を融合した「edutainment」の概念が重要視される。

第二章 安藤忠雄(建築家)
 安藤忠雄氏の生い立ち、そしてこれからの日本の問題点・懸念点について述べていました。
幼少時代から独立した教育を受け、独学で建築を学び仕事にした、との経歴が語られていました。
日本人は「発言」をあまりしない、女性の社会進出について国がもっとサポートをすべきであること、怒ることの大切さなどについて述べ、大阪人として、優秀な大阪人が東京に流出してしまっていることが心配だと言っていました。

第三章 河合隼雄(文化庁長官・臨床心理学者)
 始めは数学者としてスタートし、心理学の道に進んだこと、チューリッヒのユング研究所で教授と対立したことについて述べていました。「自己実現」をテーマに研究する中で、人は、中年を超えるころから自己実現という「競争のない世界」に戸惑いやすいと述べていた。また、「論理的に矛盾するものが存在の中で両立するということが、その人が生きていることだ」と述べていた。他にも、Individualityという訳語を「個人」とするが、日本人にとっての個人は「eachness」の方が近く、欧米のindividualityは、神を絶対唯一の支えとした、他者と繋がりのない個人であるのに対し、日本人はなかなか完全につながりを断った個人というのは存在しにくく、それを「日本人病」と呼んでいた。

第四章 福原義春(株式会社資生堂名誉会長)
 「クモの巣上の主」として、様々な趣味を持ち、それぞれに一流の師を持っている。その秘訣として、自分をしっかり持っていると階級にとらわれずに誰とでも話せる。と述べていた。また、リーダーシップ理論を語るときには、リーダーシップを実践できても論理を説明できない人、というのが存在していることも理解し、最終的には「部下がついていきたくなる人」こそがリーダーシップがある人である。と述べていた。男女参画基本法の作成の際には、経済界からは日経新聞の社員と共に資生堂の社長として参加していた。

第五章 葛西健藏(アップリカ葛西株式会社代表取締役会長)
 幼児を相手にした産業であり、「子どものために祈りなさい」と機会があるたびに言っている。祈りは死んだ人のためだけではなく、子供は自分たちの生きる未来よりも先の未来を生きる存在であり、現在・過去・未来の仏心である。と述べていた。不況に陥っても、社員をリストラせず、社員のために社長は死ねる、という言葉を掲げて「幸せ育児産業」を完成させようとしている。


第六章 グレン・S・フクシマ(日本ケイデンス・デザイン・システムズ社社長)
 日系アメリカ人として思う、日本とアメリカの会社の違いについて、日本の方は「天下り」があるのに対し、アメリカでは「民」の立場が高く、逆に「天上り」という現象も起こっている。その意味では日本の方が「官」から「民」へ一方向的であると述べていた。これからよりグローバル化する社会では、専門知識と語学のどちらか(できればどちらも)を身に着けるのがよいと述べていた。

第七章 松永真理(元NTTドコモゲートウェイビジネス部企画室長)
 リクルートで働いた20年間の話、そしてそこで見つけた、「編集力」と「ヒューマンリソース」の掛け合わせという自分の強さについて語られていました。また、NTTドコモに転職した際には、技術者が多い中で、「消費者」目線から意見を述べ、価格設定などに大きな効果を発揮した。短期的には採算が合わなくても長期的に採算が取れる、という「効果性」について述べていた。

第八章 杉本八郎(エーザイ株式会社創業第一研究所所長)
 新薬の開発に関わる杉本さん。苦労して自分たち兄弟を育ててくれた母親が痴ほう症になったことが、野心や信念に繋がっている。と述べていた。また、「クマンバチの羽」のたとえ話で、物理的にはクマンバチは飛べないけれども、クマンバチ自身が飛べると信じているから飛べる。という話を紹介していた。「ノミの曲芸」では、ノミの曲芸を仕込む時は、飛び出せない程度のガラスの器に入れ少しずつ天井の低いものにしていくと、飛んだら飛び出せるのに、飛ばなくなる。という話を紹介し、野心を持って、種の真理(良い種を蒔けばいい植物が得られる)を信じ、恩への感謝を忘れない気持ちが大切だと述べていた。

第九章 中谷彰宏(作家)
 昔から創造的なことに興味を持ち、映画研究会をつくったり、短歌の会を立ち上げたりしていた。
映画監督になりたいがゆえに、月100本ペースで映画を見、四年間で4000本を見、自らアマチュアであるのに「映画監督」という肩書の名刺を作っていた。『面接の達人』という本を出版し、「メンタツブーム」を巻き起こした。今後は、日本国内だけに通用するものではなく、世界に通用するモノを作り出したい。と述べていた。

第十章 山田脩二(瓦師)
割愛。

【感想】
 分けて読んでて、十章以外読み終えた!
色んな人の、キャリアについて書いてあった。「正反合」とは違う「融合」について、安藤忠雄さんの「独学力」、河合隼雄さんの「日本人はなかなか完全につながりを断った個人というのは存在しにくくい「日本人病」がある。という指摘、福原さんのリーダーシップとフォロワーシップについての話、祈りは死んだ人のためだけではない。という葛西さんの話、グレンさんのアメリカと日本の「官」と「民」の関係性の違い、松永さんの女性としてキャリアを積むという話、杉本さんの信念をもって仕事に取り組む姿勢と、「セレンディピティ」と、「クマンバチの羽」の話、中谷さんの「創造」を追い求める姿勢、「個別への配慮」という話、など、
様々な業界で活躍する人々の含蓄にとんだ話がちりばめられていました。
発行されたのが12年前ということもあり、実感が湧かなかったり、分からない話もあったけど、
気になってスマホで調べたりして、見聞を少し広めることができました。
最後の瓦師のお話も、いつか時間があれば読みたいです。

2014年3月25日火曜日

95/100『30分でわかる般若心経』松原哲明


読破!!
30分でわかる般若心経』松原哲明(住職)
発行:1996年3月 三修社企画
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:76ペー



【本のテーマ】
般若心経の本文がどういう意味を持っているのか、一文ずつ解説をし、
本文中の語句に関連した言葉もわかりやすく解説していた。


【目次】
割愛

【概要】
摩訶般若波羅蜜多心経
  これは、摩訶般若(サンスクリット語の音訳)の波羅蜜多(=「智慧」が完成することであり、
  心を渇いた状態にしないこと。)を目指した心の経典である。
観自在菩薩行深般若波羅蜜多時、
  観自在菩薩(観音様)が深く波羅蜜多(上記)を行う時、
照見五蘊皆空、度一切苦厄。
  五蘊(色・受・想・行・識)全てが「空」であると理解し、一切の苦厄を理解し、悟りに達する。
舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。
  舎利子よ。色は空とは異ならず、空も色とは異ならない。色は空であり、空は色である。
受・想・行・識亦復如是。
  受・想・行・識もまた、同じこと(空)である。
舎利子。是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。
  舎利子よ。これらの諸法は空相であり、生まれも滅びもせず、汚れたり浄化されたりもせず、
  増えたり減ることもない。
是故空中、無色、無受・想・行・識、無眼・耳・鼻・舌・身・意、無色・声・香・味・触・法。
無眼界、乃至、無意識界。
  それゆえ、空の世界には色もなく、受・想・行・識もなく、眼・耳・鼻・舌・身・意も無ければ、
  色・声・香・味・触・法も無いのだ。眼で見える世界から、意識の中の世界まで、
  なにもかも無いのだ。
無無明・亦無無明尽、乃至、無老死、亦無老死尽。
  十二因縁(無明・行・識・明色・六入・触・受・愛・取・有・生・老死)における「無明」などもないが、
  全く「無明」が無いということもなく、また、「老死」が無いこともなければ、
  全く「老死」が無いということも無い。
無苦・集・滅・道。
  「四諦」である「苦・集・滅・道」についても同じ(無)である。
無智亦無得。以無所得故、
  智も無く、得も無い。だから所得も無い。
菩提薩埵、依般若波羅蜜多故、心無罣礙、無罣礙故、無有恐怖、遠離一切顛倒夢想、究竟涅槃。
  菩提薩埵様は、般若波羅蜜多によって心に迷いや疑いがなく、恐怖もなく、
  一切の邪悪な考えもなく、涅槃(悟りの境地)に到達する。
三世諸仏、依般若波羅蜜多故、得阿耨多羅三藐三菩提。
  過去・今・未来のどの仏様も、般若波羅蜜多によって、
  阿耨多羅三藐三菩提(サンスクリット語の音訳)を得た。
故知、般若波羅蜜多、是大神呪、是大明呪、是無上呪、是無等等呪、能除一切苦、真実不虚。
  だから、般若波羅蜜多(サンスクリット語の音訳、意味は「心を乾かさないように」)という言葉は
  大切な言葉なのです。一切の苦を取り除くことができ、中身のある言葉なのです。
故説、般若波羅蜜多呪。

即説呪曰、羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶。般若心経
  だから、般若波羅蜜多と唱えるのが良い。
  羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶と唱えるのが良い。
  (サンスクリット語の音訳。
  意味は、「ゆけり、ゆけり、彼岸にゆけり、共に彼岸にゆけり、敬礼する霊智」)

【感想】
 さすが30分でわかる。と書いてるだけあって、分かりやすかった。

「空」っていうのは、非存在ではなく、一心である。と書いていて、一心がよく分からなかったけど、
「空」っていう言葉は、「から」っていう読み方もできれば、「そら」って読むこともできる。
空には雲があるけど、同じ雲は二度とないから、それは「ある」って言えないんじゃないか?
けど、雲は「無い」わけではなくて、確かに雲は「ある」とも言える。
みたいな、方丈記の「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」っていうのと似てるけど、そういう哲学的な捉え方もできると思って、「そら」としての「空」のイメージは般若心境の文を理解するのに、関係させられるのではないかな。と思いました。
そしたら、「色即是空、空即是色」も、「そら」と「くも」のイメージで捉えられると思いました。

あと、十二因縁の、自分がさとりの境地としてどの辺にいるのか、みたいな分類の言葉があるのに対して、完全な「分類」なんてない。ということを言っていて、つまりは、「分類なんてなんとなくイメージを伝えるために作ったものであって、明確な定義なんてないし、白か黒かの二極でもないし、もっと曖昧なものである。必要以上に言葉に明確さを求めて惑わされてはならない」というメッセージだと思いました。

羯諦羯諦波羅羯諦・・・は、一番大事なとこやのに訳してない(サンスクリット語の音訳)ってどういうことや!と思ったけど、伝道者の徳のあるお坊さん(?)が言っていた言葉を、ありがたいから、そのまま伝えようとしたんだろうなぁ。という気持ちも理解できました。しかし、その本当の和訳は知っておいた方が良いとも思いました。
「ゆけり、ゆけり、彼岸にゆけり、共に彼岸にゆけり、敬礼する霊智」
というのは、なんだかカッコいいな。と思いましたが、これとか「心を乾かさないように」という意味の「波羅蜜多」とか、全体を通して「憧れへの希求」みたいなものを感じました。
「こうありたい」という状態を強くイメージして、それに向かって精進しましょう。というメッセージだと思います。

だから、全体の意味としては、「心を乾かさないように」日々精進していくのは大切な事ですが、「こうありたい」という状態のイメージを言葉にすると、それが明確な定義や存在感をもってしまって、結局はその「言葉」に縛られたり、惑わされたりしてしまうことがある。だから、そうならないように気をつけなさい。という教えだと思いました。

僕の理解が全てではないし、あくまでこういう解釈もあるのかな、程度に読んでください。
あしからず。

2014年3月24日月曜日

94/100『レベルアップ中国語 2月号』 千野拓政


読破っ!!
『レベルアップ中国語 2月号』 千野拓政(講師)
発行:2014年1月 NHK出版
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:109ペー


【本のテーマ】
ことばを味わおう! 中国文学~現代の伊吹 月~金 午後10:45~11:00

【目次】
●中国文学~現代の息吹
<連載>
●現代中国語版【儒林外史】
●通訳の現場から ニュースな単語たち
●映画で学ぼう ネイティブ会話
●ピンポイント中国語文法

【概要】
●中国文学~現代の息吹
阿乙の『情人节爆炸案』をとりあげていました。
長江大橋でバスが爆発し、乗客が重軽傷を負い、体がバラバラになっている死体もある。
それを調査するシーンから始まり、ベテランの刑事・張捜査官が事件後の状況から、
事件当時の状況を推測していく。誰がどのような姿勢でバスの中にいたのか、
その結果、爆弾に最も近かった2人が犯人であるという結論を出した。
その後、ある市民が現場に落ちていた身分証を発見し、周力苟という名前を知る。
近くの旅館で彼を知る人を見つけ、もう一人の名前も知ったが、
身分証は本人のものではなかった。
彼の故郷にも行き、情報を探るうちに、犯人を突き止めることができる。
そこには、妻を村長に寝取られ、邪魔者扱いされ出稼ぎに来ていた犯人の姿が見えてくる。

専門用語が多く、訳と対比しながらでないと分からないところが多かったですが、
犯人を捕まえるために手がかりを探すストーリーは、ドキドキさせられました。

●現代中国語版【儒林外史】
 有真有假牛布衣
病気にかかり、和尚に自分が書き溜めてきた詩集を託して死んでしまった牛布衣、彼の死後、和尚のもとで学び出した牛浦郎という少年が、その詩集を見つけ、和尚が去ってから、自分の作品として発表するようになる。

知的財産を自分のものにしてしまうという、なんだかひどいお話。
毎回このコーナーは教訓とかを期待してもあまりない。(^-^;

●通訳の現場から ニュースな単語たち
申奥「オリンピック誘致」
申请承办奥林会(オリンピックの誘致)の略である「申奥」。略語と言うのは、言語の背景のコンテクストを共有し合えている者同士でしか使うことができない。代表的な物は、「两会」(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)であり、同時通訳者としては、このような場合の訳に頭を悩まさせられる。と述べていた。

●映画で学ぼう ネイティブ会話
胡同の理髪師
北京の方言が少し混じった会話がのっていました。
おじいさんが自分の遺影をとっておこうと思い立ち、正装しようと人民服を探すが、
人民服を置いている服が少なく、店員さんと話をして売っているところを聞き出す。
場面が変わって、遺影の肖像画を書いてもらう際にも、「何か過去のことを思い出して」と
画家に言われても、「過去のことはもう忘れてしまったから思い出せない」と答え、
「じゃぁ将来の事でもいいから、なにか考えて」と言われる。そのシーンが書かれていた。

●ピンポイント中国語文法
「動詞の重ね型」について。
中国語で動詞を重ねると、「ちょっと」という語気を和らげる効果があり、コミュニケーションを円滑にするために役立つ。

93/100『星の王子様』サン=テグジュペリ


読破!!
星の王子様』サン=テグジュペリ(作家)
発行:2000年3月 岩波書店
難易度:★
感動度:★★
共感度:★★
個人的評価:★★
ページ数:133ペー



【本の紹介】
飛行機のトラブルにより砂漠に不時着した「ぼく」は、「王子さま」と不思議な出会いを果たす。
「王子さま」が見てきた星の話を通して、「ぼく」は「大切なもの」について考えを巡らせる。


【目次】

Ⅰ~ⅩⅩⅦ


【感想】

昔読んだ時より、深く読めた気がする!

「ウワバミが象を飲み込む絵」は、社会学でもよく取り上げられる、「同じ絵でも人によって捉え方が
違う」という教訓なのだ。と思っていました。

バラの話は、「ぼく」が最初バラのトゲの話を適当に聞き流して、そのことに「王子さま」が悲しくなるというシーンは、その後につづく「わがままなバラ」の話を読む前と後では、「王子さま」への感情移入の度合いが違うな。と感じました。
友達になる「キツネ」の話においてもそうですが、この物語の核をなすものとして、「一期一会」とか、「儚さ」、そして、「目には見えない物語の有無」というものを感じました。

見た目は他と似ていたり、同じであったりしても、時間を共有し、話題を共有し、感情を共有することで、そこに「愛おしさ」が生まれて、それだけで自分にとっては特別に意味があるものになる。
それは、周りからすると価値が無かったり、愛すべきものではないかもしれないけれど、
「大切なものは目には見えない」という、この物語のテーマでもある言葉のように、
自分にとって「愛おしい」と感じるものを大事にすること、つまり、
誰かや何かの「ルーツ」や「共有した物語」を大切にする。ということで、
繋がりや絆を感じることができる。というメッセージを感じました。

そこには、最近注目されているといわれる「つながり消費」や「シェア欲求」につながる、人間の幸福観が書かれていると思いました。
あと、「一期一会」にもつながる「一回性」というものについても考えさせられました。
わがままなバラの花のような、誰かにとって特別な「一回性」と、
地球で出会うたくさんのバラの花の花壇の対比。
「一回性」を再現しようとして画一化、大量生産したことによって、
その「一回性」の価値や物語や本質が失われてしまう。
ファーストフードとスローフードの関係のような問題提起があると思いました。
そしてそれは、今、同じことが問題視され「モノガタリ消費」の存在が叫ばれている現状とも
通じるものがあると思いました。

王子さまが旅した6つの星の話も個性的で面白くて、7つ目の星としての地球、そして、地球にはそれまでの6つの星にでてきたちょっと変わった人のような人が何万人もいる。という表現は、
想像するだけで面白くて、それでいて、核心を突いており、世界にいる人々の6つの「おとな」の特徴をうまく描き出しているのかな。と思いました。

王子さまが星に帰る時も、「遠く見えない星に自分の好きな花がある」と想像することで、
生活が少し楽しくなる。と「ぼく」に語り聞かせていたのは、すごく詩的だなぁ。と思うと同時に、
それは地球上でも同じことが言えて、
遠く離れた誰かのことを思ったり、どうしているだろうか、と想像したり、
そういうことと少し似ているな。と思いました。

「思い出」の大切さ、思い出を共有している「つながり」という一期一会、
そんなことを考えさせてくれる本でした。

また数年後に読むと、王子さまが旅した6つの星のことがもっとより深くわかるのかな。と思います。

2014年3月20日木曜日

92/100『自分を愛する力』乙武洋匡


以前読んだ本!!
自分を愛する力』乙武洋匡(ライター、教師)
発行:2013年3月 講談社現代新書
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:238ペー


【本のテーマ】(裏表紙裏より抜粋)
 なぜ僕は生まれつき手足が無いという障害を「受け入れ」「苦しむことなく」、ここまで人生を歩んでくることができたのか。僕なりに考えてみると、”自己肯定感”という言葉にたどりついた。自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在だ」と、自分自身のことを認める気持ち。この”自分を愛する力”が、何より、僕自身の人生の支えとなってきたように思うのだ。
――「はじめに」より

【目次】

はじめに
第一章 息子として
第二章 教師として
第三章 父親として
自分を愛せない人への処方箋(泉谷閑示氏との対談)
おわりに

【概要】
第一章 息子として
 乙武さんが生まれてから、両親からどのように「自己肯定感」を育んでもらえたかについて述べていた。

第二章 教師として
 一度はフリーの記者になったが、教育の道に進みたくなり、教員免許をとって教師になる。
「手足の無い自分にはできない事が多い」と感じてしまうこともある反面、
だからこと見えている価値観を子供たちに伝えようとし、それに対して子供たちも反応を返してくれる。感動的なエピソードが書かれていた。

第三章 父親として
 結婚し、子供が出来てから、妻と、子供と、それぞれの関係や葛藤について述べられていた。
それぞれの個性を認め合い、弱い部分を補い合い、助け合う関係について述べられていた。

自分を愛せない人への処方箋(対談)
 自己肯定感とは何かについて、精神科医の泉谷氏と対談していた。
子どもは「育てる」ものではなく、「育つ」ものである、という考えから、親の価値観でレールの上に無理やり乗せるのではなく、育っていくのを見守っていく姿勢が必要であると述べていた。
許容範囲である「ストライクゾーン」を少しずつ広めていくこと、人生の小径に入っていく人を認め、また自分も小径に入っていく覚悟と、思考能力を身に着けることの大切さを述べていた。
そして、日本の「ムラ社会」的価値観が、それを妨げていること。等を述べていた。

【感想】
就活中に読んで、勇気づけられました。
「五体不満足」も昔読んで、なんとなくそのイメージが残っていたのですが、
多少脚色はあるかもしれませんが、やっぱり、明るくて眩しくて、前向きな乙武さんの生き方はすごいと思い、そんな乙武さんの前向きさを作っている要素を知ることができる本でした。

この本を読んだおかげで、自分の中でも「自己肯定感」って何だろう。とモヤモヤ考え始め、
就活終わってから、「自己愛」とかをテーマにした「自己認識」系の本を読みました。
自己愛は過剰になっても不足してもいけなくて、丁度いい「健全な自己愛」が人間には必要だと思うようになりました。でも、その「丁度よさ」がすごく難しいと思います。
そして、そんな「丁度よさ」に辿り着けるかどうかは、やはりある程度は周りの「人」の影響が大きいと思います。
 「あなたのことを大切に思っているし、あなたの考えを尊重します」という、そう感じさせてくれる環境の中にいれば、「自己肯定感」はぐんぐんと伸びていくと思うし、逆に、「あなたのためを思って言っているのだから、こうしなさい」とか、「こうだよね」という風に決めつけ・押しつけられるの環境の中にいれば、「自己肯定感」はどんどんと萎んでいきます。
そう再認識させてくれる本でした。

乙武さんは以前Twitterで入店拒否の話で話題になりましたが、
それも乙武さんの「自己肯定感」があったから起こったことであって、
それが「過剰」だったのか、それとも「丁度いい」範囲内だったのか、
それは、その場にいた当事者達にしか分からないので、
あんまりとやかく言いたくないし、言われてるのも見たくないな。と思います。
乙武さんの本は、落ち込んだ時には元気出るのでおすすめです。

91/100『実践ビジネス英語』 杉田敏


読破っ!!
『実践ビジネス英語』 杉田敏(講師)
発行:2014年1月 NHK出版
難易度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:96ペー



【本のテーマ】
最新トピックに触れながら学ぶ オンビジネス・オフビジネスでの実用英語
水~金 午後11:20~11:35

【目次】
●本文
Lesson 21 Middle-Class-Squeeze
Lesson 22 Be More Productive
●連載
Larry's Americana/ Larry Kinpfing
Our Magical World/ Lisa Vogt
The Writer's Workshop/佐藤昭弘

【概要】
Lesson 21 Middle-Class-Squeeze
近年かつてのアメリカの中流階級が苦しんでいる現状を話していました。雇用形態の変化、雇用の流動化、住宅費の高騰などの原因から、生活が不安定化してきており、そんな現状に不安を抱く中流層が増えてきている。

Lesson 20 Be More Productive
梅村聖四は最近仕事の効率が上がらないことを同僚に相談する。どのようにすればより作業効率を上げられるか、そのためには十分な栄養と睡眠をとり、早寝早起きをし、マルチタスクを止め、優先順位を決めること、そして自分の「peak time」を知ることが大切であると述べていた。

●連載
Larry's Americana/ Larry Kinpfing
アメリカへ移民してきて有名人になった人として、脱出マジックで有名になった「Harry Houdini」、そして、作曲家のIrving Berlin、そして、Levi'sの創始者 Levi Straussについてのそれぞれの経歴が書かれていた。

Our Magical World/ Lisa Vogt
Part1では、「優しさの連鎖」について、ある北アメリカのドーナッツ店のドライブスルーで、「後ろの車にドーナッツを頼む」現象が起こり、それが連鎖した。コーヒーのドライブスルーでも同様に起こった。日本の「倍返し」の良いバージョンとして、とりあげられていた。

Part2では、マシュマロテストという心理学の実験をとりあげ、すぐにマシュマロ1つだけか、15分後にマシュマロ2つかを小学生前の子供に選ばせ、15分後にマシュマロ2つを選び、待つことができた子どもは、将来出世している確率が高かった。というデータがある。
忍耐強さの大切さを示す実験データである。

The Writer's Workshop/佐藤昭弘
 格差に幅のあるタンザニアにおけるスタンダードな暮らしの説明、長屋に親戚と共に暮し、テーブルはなく、床でご飯を食べる様子が書かれていた。