2013年8月1日木曜日

100冊読書 9/100 『歪みの国・韓国』金慶珠

読破っ!!
『歪みの国・韓国』金慶珠(社会学者)祥伝社新書
発行:2013年6月
難易度:★★★★☆
所要時間:約15時間



【本のテーマ】
「圧縮成長」と言われる急成長を果たした韓国。
なぜそれが可能だったのか、また、それは何をもたらしたのか。
 
【キーパーソン】
朴クネ、朴正熙、安哲秀
 
【キーワード】
メディア、フレーム、アジア通貨危機、IMF、
所得格差、雇用格差、格差と格差感、財閥、政経癒着、閉塞感、圧縮成長、
相対的剥奪感、386世代、大統領制
 
【目次】
はじめに
第一章:情報の歪み
第二章:成長の歪み
第三章:対立の歪み
 
【概要】
はじめに では、
日本で、「韓国に親しみを感じない」人が59%にまでのぼった。(平成24年)
しかし、一方で韓流ブームがまだ残っている。
対する韓国人も「日本人に対して親しみを感じない」が60%にまでのぼったが、
一方で日本の長所として「技術や勤勉性」をあげた人が97%にものぼる。
日本のメディアの言う「近くて遠い」国・韓国を考察する。
 
第一章では、メディアが送る情報から認識のずれが生まれる。ことについて述べていた。
どのような「フレーム」を用いて認識をするか、
「優劣フレーム」(敗戦後、経済的に優位であり、韓国を軽視)
「兄弟フレーム」「パートナフレーム」(より対等で深い関係を結ぶ。)
「あるはずの韓国像」と「新たな韓国像」の間のズレも、
どのフレームを使ってメディアが伝えるかによって生じる。
メディアは繰り返しわかりやすく単純化(ステレオタイプ化)した
情報を発信しているが、そのことが事実をより分かりにくくしている。
 
第二章では、格差についての日本との比較、圧縮成長について述べていた。
韓国は本当に「超格差・超競争社会なのか?」
OECD(経済協力開発機構)の「社会の公正さに関する調査」
所得格差をジニ係数(所得配分の不平等さを測る指標)でみても、
相対的貧困率をみても、所得格差倍率でみても、
非正規雇用者率でみても、
実は、数字上の格差の現状は韓国と日本ではあまり大差がない。
しかし、実感としての「格差感」が韓国の方が日本よりも強い。
(日本人7割・韓国人9割が「自国の格差が大きい」と答えている)
その理由は、「圧縮成長」による、経済の急激な成長・変化、
その競争に対する「公正な競争」であれば寛容するという態度、
相対的剥奪感による競争心の煽り、
そして、財閥による資産の独占、社会保障制度の不充実、政経癒着問題など。
韓国の「格差感」は資産が両極化する格差を解決する手段を見いだせないという
閉塞感が大きな原因である。
 
第三章では 韓国の歴史を振り返り、政治的イデオロギーの対立について述べていた。
日本の政治スタイルが「合議制」であるのに対し、
韓国の政治スタイルは「大統領制」である。
「渦巻き型政治」・「帝王的大統領政治」→権力が一か所(大統領)に吸い上げられる。
そのため、大統領の周辺に権力を求める政治家が集まり、
腐敗やスキャンダルが生じやすい。(歴代の大統領の悲劇)
朴クネは、朴正熙の娘であり、
朴正熙が軍事クーデターを起こし、独裁的政治を行ったため、
朴クネ政権もそのような要素を持っているのか懸念されている。
 
【感想】
難しかった!!けど、また少し韓国のことを知れました。
前回読んだ「オーディション社会・韓国」の中で
競争・格差の激化が書かれていたのに対して、
本書では、「本当に韓国は超格差社会なのか?」という視点で、
データを比較して、数字上の格差は日本と大差がなく、
「格差感」としての感覚に差が出てきている。という
主張はとても新鮮で、興味深かったです。
あと、メディアの「ステレオタイプ化」することが、
深い理解を妨げ、実は逆に分かりにくくしている。という主張も
納得させられました。
 
韓国が「圧縮成長」をしてきたことや、
大統領制と合議制の違いなど、
日本と比較することで、少し韓国のイメージが深まりました。
しかし、一回読んだだけでは、まだ理解しきれていません。。。
 
【個人的理解度】
50%
【個人的評価】
70点(データが多く新しい発見があったが、政治の部分が難しかったから。)

2 件のコメント:

  1. 金慶珠さんは結構TVで見たことあるけど、韓国人で珍しく日本のことも評価してくれる知識人(コメンテーター)やとおもう!笑
    今は冷え込んでるけど、韓国は将来必ず日本にとってなくてはならない存在になると思う。中国も然り。
    ただどちらについても、反日教育が強すぎるのでは、という感覚は拭えない。。
    日本人も過去の歴史に発端があることに対して目を瞑り過ぎたと思う。「日本がいかに悪い国だったか」というところばかり(それも色々中途半端やけど)注目して、「過去の日本は何故間違った道に進んだのか」、それを教えない教育が問題な気がする。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます!

      確かに、歴史問題は難しい問題だと思います。
      早稲田大学と北京大学の尖閣に関する討論をNHKでやってたんですが、
      歴史認識として日本は戦争中に何をしたのか、ということについて、
      中国は、戦後日本がどういう平和な国家に発展したかについて学校で教えない。
      ということが問題として指摘されている。という話を聞いて、
      なるほど!と思ったのを思い出しました。

      日中・日韓ともにより友好な関係になれることを願っています!

      削除