『社畜のススメ』藤本篤志(元USEN取締役、現コンサル会社代表取締役)新潮新書
発行:2011年11月
難易度:★☆☆☆☆
ページ数:191ページ
発行:2011年11月
難易度:★☆☆☆☆
ページ数:191ページ
「社畜」なんて哀れで情けない存在だ。この「常識」は本当なのだろうか?
自分らしさを求め続け半人前になるよりも、あえて意識的に組織の歯車になることが現代サラリーマンンの正しい戦略である。
【キーワード】
社畜、七五三の法則、自分らしさ、個性、「孤性」、サラリーマンの4大タブー
服従の誇り、「守破離」、クレバーな社畜
【目次】
まえがき
第一章:「自分らしさ」の罪
第二章:個性が「孤性」になる悲劇
第三章:会社の「歯車」となれ
第四章:ビジネス書は「まえがき」だけ読め
第五章:この「ウソ」がサラリーマンをダメにする
第六章:「クレバーな社畜」がベストの選択
終章:運、縁、恩
あとがき
【概要】
第一章では、「自分らしさ」の危険性について述べていた。中卒で7割、高卒で5割、大卒で3割が3年以内に転職するという傾向がある。その大きな理由として「職場で自分らしさが確立できない」というものがあげられるという。つまり、「やりたいこと」と現実との間にギャップがあり、その環境に適応するよりも、転職という選択をしてしまう。
第二章では、「自分らしさ」の原点である「個性」について述べていた。
サラリーマンの四大タブーとして、「個性を大切にしろ」「自分らしく生きろ」「自分で考えろ」「会社の歯車になるな」つまり、サラリーマンの正しい姿とは、個性を捨て、自分らしさにこだわらず、自分の脳を過信せず、歯車になることを厭わない存在となること。と述べていた。個性は追求しすぎると、それは「孤性」となり社会から浮いてしまう存在となる。
第三章では、社畜=下積み経験の重要性について、述べていた。
自衛隊における「服従の誇り」を例に出し、理想的な服従の形を提示していた。また、世阿弥の「守破離」という言葉をもとに、下積み経験の重要さを述べていた。「守破離」のプロセスの順番を守ることが必要不可欠であると述べていた。
第四章では、自己啓発系の本の内容を鵜呑みにすることの危険性について述べていた。
自己啓発系やビジネス本の著者には、「天才型」の人物が多く、凡人レベルでは通用しないことと、その著者たちも、下積み時代を経験しているからこそ、ノウハウを有効なものとすることができおり、その下積み時代(守破離の「守」の時代)を飛ばしてノウハウだけを鵜呑みにして実践しても、効果があるかは疑わしい。と述べていた。
第五章では、ビジネス本や自己啓発本に書かれたノウハウの「ウソ」について述べていた。
「開放的で自由な職場」・・・永遠の目標でしかない。「派閥は悪」・・・迅速な意思決定のためには派閥は有効的で、無くなることはない。どのように関わるかは自由。「社内の人と飲むな」・・・下積み時代=「守」の段階では、社外の「離」の段階の人から無責任なアドバイス(独立など)をされ、逆効果となってしまう危険性がある。「公平な人事評価」・・・現実には難しい。という覚悟をしておくこと。「一芸に秀でよ」・・・多芸であるほうがリスクが低い。「成果主義」・・・日本式「年功序列」制度の中にも成果主義の要素は存在していた。バブル崩壊後の焦りにより、成果主義に傾きすぎた。「学歴神話崩壊」・・・依然として高学歴の方が総じて多芸であり、任務遂行能力が高い。また受験を乗り越えたということは社会適応能力も高い現れであり、優秀な「歯車」になれる。「終身雇用崩壊」・・・下積み時代の経験が長い人の方が転職の際に有利。勤務条件が上がる確信があるとき以外は転職の必要性はない。「残業ゼロを目指せ」・・・仕事の効率の個人差により、残業は生じる。「残業代狙い」と思われたくない人は自主的にサービス残業をする。「ワークライフバランス」・・・私生活優先と勘違いする危険性。仕事をこなしたうえでの私生活面での充実。という意味である。
第六章では、目指すべき「クレバーな社畜」について述べていた。
「守破離」のそれぞれの段階は約12年である。つまり、「守」の下積み時代も12年を要するとイメージしておくべきである。と述べていた。また、「クレバーな社畜」になるための18個の心構えについて書いていた。クレバーな社畜として「守」の時代を経ることで、初めて、社畜から「立派な上司」そして、「立派な経営者」になれる。
終章では、著者の座右の銘として、「縁、運、恩」の存在と重要性について述べていた。
【感想】
「社畜」を推奨する。という過激なタイトルにひかれて読んでみました。が、体を壊さない範囲で、下積み時代をしっかり経験せよ!というメッセージの本でした。世間では「会社に頼るな!」とか、「若いうちから独立!」というメッセージがあふれているけれど、やっぱり社会人としての経験を積む場所として会社は大切な場所なんだと思いました。個性を重視しすぎると「孤性」になってしまう、という話はとても説得力がありました。「守破離」という言葉も素晴らしいと思い、自分も下積み時代を頑張って乗り越えようと思いました。後半のビジネス本のウソや心構えについても参考になりましたが、著者が言っていたように、結局は会社によって状況が大きく違うため、自分でまず現状を把握し、それぞれに合った心構えを自分で考え出さなければならないんだろうな。と思いました。
ビジネス書は綺麗事や理想論を述べていることが多いとのことで、現実的な一面について考えることができた本でした。
【個人的理解度】
80% エッセイ形式で読みやすく、第6章での新入社員との対談も自分に近い立場の視点が入っていてより理解が深まりました。
【個人的評価】
80点 働く前に読んでおくことで、心の準備とモチベーションを高めることができました。
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