2013年8月14日水曜日

100冊読書 11/100 『カーニヴァル化する社会』鈴木謙介

読破っ!!
『カーニヴァル化する社会』鈴木謙介(関西学院大学准教授)講談社現代新書
発行:2005年5月
難易度:★★★☆☆
ページ数:174ページ













【本のテーマ】
インターネット上などでおこる「日常の祝祭化」を、「雇用問題」「監視社会」「データベースから構成される再帰的自己」という3つの視点から述べていた。
  
【キーワード】
ハイ・テンションな自己啓発、宿命論、
監視社会、管理社会、ゲイテッド・コミュニティ、脱身体化、再身体化
反省と再帰、自己への嗜癖、脱社会化、
 
 
【目次】
はじめに:
第一章:「やりたいこと」しかしたくない――液状化する労働観
第二章:ずっと自分を見張っていたい――情報社会における監視
第三章:「圏外」を逃れて――自分中毒としての携帯電話
終章:カーニヴァル化するモダニティ
 
【概要】
第一章では、現代の若者を取り巻く雇用環境について述べていた。
雇用が不安定化し、また比較的豊かな親のもとに生まれた世代は、
「やりたいこと」を求め続け、また非正規社員やアルバイトを求める企業と
共依存関係となってしまっている。
また、正規社員でも、雇用状況の悪化により、
今の仕事より「やりたいこと」を想定し、ハイ・テンションな自己啓発と
冷静な状態という一種の躁鬱状態を繰り返している。
 
第二章では、監視社会についての歴史や定義を述べていた。
監視社会とは、監視国家のように一つの権力が全体を監視するのではなく、
あくまでフラットな関係のつながりの中で相互に監視をするものである。
そんな中でリスクや危険性のあるものが排除されてしまうゲイテッド・コミュニティが
形成されていく可能性がある。
 
第三章では、監視社会の中での若者の人間関係について述べていた。
ケータイの普及により、コミュニケーションが目的化し、
また、監視社会の中で集められたデータベースから導き出される
再帰的自己、一貫性のない自己を宿命として選択することが多い。
 
終章では、それまで述べてきたことと、カーニヴァル化との関係についてのべていた。
雇用の問題の中で見られた躁鬱的心境のような、満たされない自己があり、
デモやオフ会などで、「感動を共有」することを目的とした、
コミュニケーションの手段「ネタ」としての活動を行う。
データベースから導き出された選択を、宿命として受け入れ、
一貫性のない自己として、「祭り」に参加している。
 
 
【感想】
関学の准教授が書いた本。この先生の授業も受けたことがあったので読みました。
授業の時の先生の印象は、一言でいえば、「チャラい」先生だったのですが、
授業の時と本での文体とのギャップがあり、最初、戸惑いました。
難しい単語をたくさん使う論説で、ちょっとわかりにくかったです。
あと、本やデータの引用を章ごとにまとめていたり、
章の最初と最後にまとめをのせているのは、大学の授業ぽかったです。
しかし、最後まで、「カーニヴァル」という現象と、
章ごとの関連性がピンと来なかったです。
それは、たぶん、僕の理解力が足りなかったのだと思います。
 
【個人的理解度】
40%
【個人的評価】
50%
発行年が新しいものではなかったので、
話題がちょっと古いものが多かった。。。

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