2014年1月17日金曜日

読書マラソン50/100『桐島、部活やめるってよ』 朝井リョウ

読破っ!!
『桐島、部活やめるってよ』 朝井リョウ(作家)
発行:2012年4月 集英社文庫
難易度:★
感動度:★★★
共感度:★★
個人的評価:★★
ページ数:245ページ




【本の紹介】
田舎の県立高校。そこでの日常を複数の人の視点から描く。その日常に共通して出て来るのは、ある理由でバレー部をやめた「桐島」という男。桐島視点からは描かれていないけれども、彼の存在が同じ場面設定、連続した日常、を感じさせる、高校生の日常をリアルに描いた小説。


【目次】
菊池宏樹
小泉風助
沢島亜矢
前田涼也
宮部美果
菊池宏樹
東原かすみ~14歳

【感想】

高校生の日常がすごくリアルに描かれていると思い、高校時代のことをいろいろ思い出しました。
クラスの中に無意識的に階級地図が出来上がっていて、階級の上の方にいる人は、
自分の思うままに過ごすことを許させるけど、下の方にいる人は、気を遣い、
なるべく目立たないようにしないといけない。友達関係の描写も(特に女子)、一緒にはいるけど、仲の良さはそこまで深くなく、お互い地雷を踏まないように、当たり障りのない関係をキープする。
そういう微妙な関係性が痛いぐらいに描かれていて、共感できました。
視点となる人物も、バレー部の補欠、ブラスバンド部のキャプテン、冴えない映画部、彼氏に尽くすソフトボール部女子、野球部の幽霊部員、とバリエーション豊かでした。
一人だけ、「宮部美果」っていうのは、結構特殊な家庭で、そこだけ日常っていうのから、
少し遠のいているかな。と思いました。でも、現実もそんな感じで、こっそりちょっと特殊な人が紛れ込んでいるのかな。とも思いました。

文章の表現の仕方も特徴的で、会話が多く、「 」に入っている会話と、入っていない会話があって、それが会話の「何気なさ」をより際立たせているな。と感じました。
1989年生まれの朝井さんが二十歳とかで書いているっていうのが、本当にすごいと思います。

あと、登場人物の何人かに共通して、「学校」という場を特殊な閉鎖的な場所だと自覚して、
世界はもっと広いんだ。という意識を持っているところがあって、なんかそれって、「悟ってる感」があって、自分が高校生の時は、高校の生活が「それが全て」って思いこんで馬鹿みたいに必死だったなぁ、と思い返しました。今なら、客観的に考えたらわかるけど、その部分だけが唯一、少し違和感を感じた部分でした。

桐島くんは物語の中に登場してこないのに、「桐島が部活をやめた」っていうことがそれぞれの人の日常に入り込んで来ているのが、すごく斬新で、リアルさを引き立たせていました。
そして、物語が進むにつれて、各人の心情にも少し変化が出ているのが面白かったです。
もし、桐島くんの視点の章があるなら、どういうふうに描かれるのか、気になります。
時系列や事実は物語の中にちりばめられているので、国語の授業でそれを課題として出したら、きっと物語構成能力の勉強になると思います。笑

映画も見てみたいけど、映画になると、きっと「前田涼也」の「冴えない感」が小奇麗にアレンジされてそうな気がするので、リアルさが半減するのでは、、、と予想しながらも、見てみたいと思います。

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