2014年2月18日火曜日

71/100『僕は君たちに武器を配りたい』 瀧本哲史


読破っ!!
『僕は君たちに武器を配りたい』 瀧本哲史(京大客員准教授)
発行:2013年11月 講談社文庫
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:257ペー


【本のテーマ】(表紙帯より抜粋)
非常で残酷な日本社会で、20代が生き残るための思考法とは何か?不安に立ちすくむ日本人が、今こそ学ぶべき「本当の資本主義」とは何か?東大、マッキンゼーを経て、京大で人気NO.1の授業を持つ客員准教授が世に問う必読の書。2012年度ビジネス書大賞受賞の名著をエッセンシャル版にして文庫化。

【目次】
はじめに
第一章 勉強できてもコモディティ
第二章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
第三章 学校では教えてくれない資本主義の現在
第四章 日本で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
第五章 企業の浮沈のカギを握る「マーケター」という働き方
第六章 イノベーター=起業家を目指せ
第七章 本当はクレイジーなリーダーたち
第八章 投資家として生きる本当の意味
第九章 ゲリラ戦のはじまり

【概要】
第一章 勉強できてもコモディティ
 勉強すれば大丈夫、と思ってはならない。勉強ができても、そのことが普遍化(=コモディティ化)してしまい、例えば、弁護士になっても、イソ弁(居候弁護士)やノキ弁(軒先弁護士)さらには野良弁になってしまうことがある。生き残るためには、何らかの「スペシャリティ」な人間になることが必要である。

第二章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
 かつての「護送船団方式」は批判され、資本主義に切り替わった。一部の頭が良い人が決めるのではなく、「よりいいものをより安くつくれる」人が社会を進歩させる世界に突入した。「組み合わせ産業」から「擦り合わせ産業」に進んだが、今、更なる進歩が求められている。ものづくりとしての地位はもはや中国にとって代わられ、経済産業省が発表した「日本の産業をめぐる現状と課題」では、ものづくりの海外進出と、製造以外の分野での市場を拡大する。という方針を示している。「ものづくりのニッポン」それだけでは通用しない時代が来ている。

第三章 学校では教えてくれない資本主義の現在
 学生起業の危険性、専業主婦のリスク、「安定」という幻想が失われ始めている。大企業だからと安心せず、日本だけにとどまらない発想を持つべきである。と述べられていた。また、将来性のある会社を見極める方法について述べられていた。

第四章 日本で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
漁師を例に、設けることができる漁師の特徴として、①トレーダー(物を運ぶ)②エキスパート(専門性)③マーケター(付加価値をつける)④イノベーター(新しい仕組み)⑤リーダー(管理する)⑥インベスター(投資家)の6つをあげ、なかでも、①と②は価値を失いつつある。と述べていた。①は情報化の発展とコスト削減の極限化、②は社会の流動性の高まり、変化の激化によるものである。

第五章 企業の浮沈のカギを握る「マーケター」という働き方
 マーケターとは、「差異」=「ストーリー」を生み出すことができる人間である。既存のものを組み合わせ、共感が得られるストーリーを生み出す力が求められる。自分自身も「商品」だと捉え、自分の頭で考え、自身の特性を生かしたマーケティングが必要である。

第六章 イノベーター=起業家を目指せ
 自分の働く業界についての知識を深め、最終的には独立して自分の会社を潰す意気込みを持つのは効率的である。そのために「徹底的にパクる」ことと「逆の発想」が必要であり、低迷している業界にこそ可能性がある。

第七章 本当はクレイジーなリーダーたち
 リーダーにも様々な種類がある。まず、そこまで優れていない人をうまく使いこなす能力が求められる。とび抜けた才能があるリーダーはなんらかのコンプレックスを持っていることが多く、そのコンプレックスを原動力にしていることが多い。とびぬけた才能を持っていない人も、リーダーをサポートする役に回ることができる。

第八章 投資家として生きる本当の意味
 「会社は株主のものである」という考えを持ち、ハイリスク・ハイリターンを進んで、なるべく多く実践することが良い。サラリーマンや大企業で働くことは、ハイリスクである。しかも、危機が迫ってきていても気付かない場合が多い。新聞などの情報を全て鵜呑みにするのではなく、ニュースの「裏」について考える癖をつけ、短期的・長期的視野をもつことが大切。

第九章 ゲリラ戦のはじまり
 「リベラル・アーツ」(教養)を求め、「奴隷の勉強」をするな。投資家として生きたいなら、情報を自ら手に入れようとする「一手間」を惜しむな。

【感想】
 日本的経営に警鐘を鳴らしている本でした。グローバル化、資本主義化によって、日本の目指すべき方向が大きく変わり始めている。これまでの意識のままではだめだ!というメッセージの本でした。著者は投資家という職業であるけれども、やはり投資というとハードルが高いイメージがあって、「共感」という点では少しできにくかったです。随所に出て来る(著者を含めた)優秀な人のエピソードを読んでも、「出来る人は違うんだなぁ。」という印象を持ってしまうだけでした。
 しかし、学生の起業は危険である、とか、「コモディティ」についての広い意味での概念とか、生き残れる4つのタイプ、の話は深くて、核心を突いていると感じました。マーケターとイノベーターとリーダーの3つの要素を少しずつ持ち合わせるのが一番良いと思いました。自分自身専門性に欠けるところがあると自覚していたのですが、今後大事になってくるのは、専門性よりも、適応力であると述べられており、これまでの学生生活も間違ってなかったのかな、と思いました。学生のうちにたくさんのことを経験しておくことが良いのだと再認識しました。これから就職していく学生へのメッセージとしては、とりあえず、一度自分が目指す業界に就職することを勧めていたのが、起業を煽るタイプの自己啓発本とは少し違っているな。と思いました。
 現状を再認識させてくれ、気持ちを引き締めさせてくれる本でした。

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