2014年2月9日日曜日

69/100『面白いけど笑えない中国の話』 竹田恒泰


読破っ!!
『面白いけど笑えない中国の話』 竹田恒泰(慶應義塾大学講師)
発行:2013年7月 ビジネス社
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:222ペー



【本のテーマ】
普段から朝日から日経から、中国の人民日報までの12紙もの新聞紙を読む著者が、新聞の報道を通して見えて来る中国の実態について語る。

【目次】
はじめに
第一章 中国社会、不幸せのレシピ
第二章 だから付き合ってはいけないとあれほど・・・・・・
第三章 中国は次の覇権国家になり得るか?
第四章 とどまることを知らぬ領有権の主張
第五章 各国は中国包囲網を敷くべし
第六章 中国共産党の新体制を読む
終章 鼻持ちならない隣人
おわりに

【概要】
第一章 中国社会、不幸せのレシピ
 民度の低さからおこった事件、食料偽装水・空気などの環境問題・原発建設・チベット族の焼身自殺事件・メディアと政府との攻防・不都合な情報隠ぺい、などなど、新聞記事をもとに中国で起こるさまざまな「不幸」を象徴する事件をとりあげ、解説していた。

第二章 だから付き合ってはいけないとあれほど・・・・・・
 人件費が安いということで各国が中国に進出したが、質に問題があったり、不正をしたり、という問題が起こり、撤退し始めた現状の新聞記事をとりあげ、また、尖閣で日中関係が悪化しても、化粧品・健康品、そして空気清浄機が売れた。ということを記事をとりあげて解説していた。

第三章 中国は次の覇権国家になり得るか?
 精華大学の阎学通という人の強固論を紹介し、その理想と、追いつかない現実や未来について述べていた。

第四章 とどまることを知らぬ領有権の主張
 尖閣諸島をめぐる日中のやりとりを、記事をもとに解説していた。海域侵犯から始まり、空域侵犯をし、さらには、同時に船にヘリコプターを載せて、海域ギリギリまでくる。というような、じわじわと様子を見ながらアピールしてきている様子が描かれていた。それに対する日本の対応についても書かれており、弱腰であると批判していた。

第五章 各国は中国包囲網を敷くべし
 弱腰な対応から、安倍政権に代わり、少し強気な外交に変わったと述べられていた。
日本だけでなく、ベトナムとフィリピンの間にも海域をめぐる対立があり、その両国の対応法を紹介し、日本もそれに学ぶべきだと述べていた。

第六章 中国共産党の新体制を読む
 胡錦濤政権から、習近平政権に代わり、日本に対する姿勢はより厳しくなった。中国の政府上層部では「上海閥」と、「中国共産党青年団(共青団)」の派閥が対立しており、上海閥の方が太子党と関わりが強く、抗日姿勢であるが、共青団の方は民主化を推進しようとする派閥であり、親日的であり、今後こちらの派閥の動きに注目だ。と述べていた。共産党総書記は習近平氏は上海閥であり、国務院総理の李克強氏は共青団であると述べていた。

終章 鼻持ちならない隣人
 著者は若い頃バックパッカーで各地を渡り歩き、その中で中国人とも関わる機会が多かった。中国人の良いところを分かっているからこそ、厳しい提言をしている。と最後に述べていた。
また、国家間の誤解の理解を深めるためには、社会学的な習俗・民俗の違いを理解することが重要だとし、中国人の思想の根本には自分たちが中心であるという「中華思想」があり、文化大革命で破壊されたとはいえ、それでも消滅することはなく根強く残っていると述べていた。

【感想】
 「右的」だった!!!著者も自分で言っていた。笑
 でも、新聞12紙を読んでいるという、情報収集量がすごく多いので、解説の中には過激なところもあるけれど、真実もたくさん含まれていると思いました。特に、尖閣をめぐる日中のやりとりのところは、時系列で分かりやすく書いてありました。ただ、産経新聞がわりと過激な印象を与える記事がとりあげられているのが多かったな、という印象を持ってしまいました。やっぱり、新聞によって、特色があるなぁ。と再認識させられました。
 唯一賛成できないのは、中国をひとくくりで語ってしまっているところでした。中国は知れば知るほど奥深く、また、地域によって差があり、格差によって差があり、ひとくくりに語るのは本当に難しいと思います。挙句の果てには、「日本人は幸せ、中国人は不幸せ」なんてことを言ってしまっていたので、ホント、「そこまで言って委員会!!」って感じでした。(^-^;
しかし、そんな分かりにくい中国を、時には感情的なヤジを入れながら、時には、その賢さを褒めながら解説しているのは、非常に分かりやすく、テンポよくすらすらと読めました。そして、最初から尖閣諸島問題の話題ではなく、最初はもっと身近で「トンでもない」事件を取り上げていて入り込みやすかったです。中国の政治体制についても財閥やそれぞれの特性を知ることができました。
 中国人に友達がいるというわりには中国の事をダメ出ししまくっていて、かと思えば時々ほめて。「ツン」なのか「デレ」なのか分かりませんでした。とりあえず、「嫌い」ではない、というのは伝わってきました。
 尖閣諸島問題に限らず、中国がいろいろなところで「強硬姿勢」を見せているのは、事実としてはそう見えても、真実は「対外的態度」として国民にそう見せているだけで、それこそ「国家の面子」を保とうとしているのが本当の目的なのではないか。と思います。逆に言うと、「強い国家」を演じなければ、内側から崩壊する危機をはらんでいる。ということだと思います。人が13億人いて、教育がまだ十分でない地域や人が多い、という現状ではそれが危機として捉えられているのだと思います。そこを考慮せずに、そんな中国の強硬姿勢を、「戦争をする気だ」と早まって解釈するのは、誤解を生むし、悪い方向に流れていく気がします。
 新聞を12紙読んでも、それが全てではないし、その報道の中には、扇動的なものや、誤解を含んでいる危険性もある。それでも、そんな中でも諦めずに情報を集めて理解しようとしている竹田さんはすごいと思いました。たくさん集めれば集めるほど、真実に近くなるのかな。とも思いました。
新聞でちらっと見るだけで終わっていた日中関係の記事をいろんな新聞から読むことができました。
 感情的な部分や過激な部分を「こらこら、言い過ぎやろ」と適度にツッコミながら読めれば、たくさん情報を仕入れられる良書であると思います。

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