『中国人にエアコンを売れ!』 高橋基人(ダイキン初代中国部長)
発行:2005年1月 草思社
難易度:★★☆☆☆
資料収集度:★★★☆☆
理解度:★★★☆☆
個人的評価:★★★☆☆
ページ数:205ページ
【本のテーマ】(表紙より抜粋)
エアコンの代金の初代中国部長が明かした中国ビジネス成功の秘訣。ニセモノ商品対策から中国人とつきあう法まで。
【目次】
はじめに
第一章 ダイキン成功の秘訣
第二章 中国ビジネスの落とし穴
第三章 ニセモノ商品を撲滅せよ!
第四章 中国人とのつきあい方
おわりに
【概要】
第一章 ダイキン成功の秘訣
ダイキンが中国に進出していった過程、その頃の法的障壁などについて書かれていた。
攻略法は①最先端商品で市場を創出する、②通信、学校、病院などの有望市場に食い込む、③上海一極集中戦略の展開、④徹底した高品質を追求する、⑤卸無しで前金可能な販売特約店を開拓、⑥中国初の提案型営業で販売特約店を活性化、⑦ダイキン流の徹底社員教育、⑧業界初、サービス事業の同時展開の8つがあげられていた。
中国に進出する際の組織体制の三資である「合弁、独資、合作」の3つのパターンの違いについて書かれていた。
そして、中国ビジネスで学んだ事として、(1)中国は「平均値」ではとらえられない(2)巨大な市場が急激な変貌を遂げている(3)選択と集中を徹底する(4)大胆な権限移譲(5)徹底した経営理念の刷り込み(6)「しつけ」の徹底(7)成果主義の導入(8)自分の足で歩き回って確認、の8つをあげていた。
第二章 中国ビジネスの落とし穴
人治国家である中国では、法が救ってくれないことがあるため、合弁の際には「離婚」のことを考えた上で契約書にきちんと細かく書いておかないといけない。と述べていた。また、「工会(組合)」や「地域」に対して定期的に関係を維持しなければ、妨害行為されることがあると述べられていた。他にも、中国政府と契約している「コアマン」といわれる中国人の「日本ウォッチャー」の存在、韓国からの多額のヘッドハンティング、定年退職者からの技術流出、銀行選びの際の注意点、電力不足、洪水のリスクなどが述べられていた。
第三章 ニセモノ商品を撲滅せよ!
「著名商標」として登録されている日本ブランドはヤマハと日本ペイントの二社だけ(2005年時点)であった。SONYが著作権をめぐって裁判で闘ったこと、トヨタやホンダがニセモノ商品に対しどのような対応をしたか、などについて書かれていた。
第四章 中国人とのつきあい方
中国人には、「档案」という、個人の経歴が書かれた「人事調書」があり、中国側が保管している。それを抜け道を利用して調査することが大切であること、拝金主義について、汚職について、中国人現地採用に関する注意や、人材の育て方、宴会での注意点、そして、失敗した日本企業例、中国人から尊敬されている日本人の例、などについて述べられていた。
【感想】
具体的だった!!!しかし、本書の中でも著者が言っていたように、
中国は激動の国であり、中国の一年は日本の十年に相当する。と言っていたので、この本が書かれたころからすでに9年経っているので、日本の時間感覚では九十年前の話になるのでしょうか。それは言い過ぎとしても、一昔前の話だと思って読みました。現状はまだよくわかりませんが、このころから変わった部分もあれば、変わらない部分もあると思います。
中国で仕事をする際には、その土地の有力者に気を遣わなければならなかったり、銀行を選ぶ際にも注意がいったり、現地採用の中国人の採用方法から育て方まで、当時は何もわからない中でビジネスをされていたと思うので、その点は本当に尊敬します。自分にはできないと思いました。
特に、当時の中国の人間関係は任侠的であり、やくざにからまれたような感じのエピソードも書かれていて、怖くなりました。9年の時を経て、改善されていてほしいです。
しかし、9年経っても、「人治国家」という部分は当てはまっていると思います。人脈がモノを言うという話は、他の本で、もっと新しい本でも出てきました。著書の中で、「ノウハウ」から「ノウフー」へという言葉が斬新で、深く印象に残りました。日本では「ノウハウ」ばかりに焦点が当てられてきていたけれど、「ノウフー」=誰を信頼関係にあるか、誰と事業をするか。という点も重要なポイントであると思います。日本で「人脈」「ネットワーク」という言葉が注目されてきたのも最近になってからなような気がしますし、まだ「コネ」と混同されていて、あまり良いイメージを持たれていないと感じます。
日本人にしかできない事と、中国人にしかできない事があると思うので、そこをうまく融合させることができるということが日中ビジネスの一番の理想だと思います。そこには対等でお互いに尊敬する視線が必要だと思います。その点で、著者の高橋さんは、現地採用の中国人に対しても教育をしっかり行う姿勢を見せていたのが素晴らしいと感じました。
以下、高橋さんが本書内で紹介していた、中国の日系企業で流行った中国に対する俗語的標語です。
「『没问题』信じた私が『有问题』」
「一〇億国民、九億商い、一億ただいま準備中」
「一九五〇年代は手を取り合い、六〇年代は競い合い、七〇年代はもたれ合い、八〇年代はだまし合い、九〇年代は奪い合い」
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