読破っ!!
『本当は怖いソーシャルメディア』山田順(ジャーナリスト、出版プロデューサー)小学館101新書
難易度:★★☆☆☆
所要時間:約8時間
日本では、Facebookに対する正しくない認識が普及している。
(アクティブユーザー、社交クラブ(Social Club)的階層的閉鎖コミュニティ)
< 2章シリコンバレーを選挙せよ>
SNSが貧困層の結束を高める側面があると同時に、
貧困層を食い物にしている側面がある。
<3章グーグルの挑戦と野望>
グーグルを筆頭に、顧客の属性データだけでなく、顧客の行動履歴も集めるようになる。
人と人のつながりだけでなく、人と物のつながりまでデータ(オープングラフ)として収集される。
そのデータによってより効率的な広告を行うが、二つのデータを合わせると、ほぼ完全に個人のプライバシーがなくなる。
<4章ソーシャルメディ礼賛論の罠>
マスメディアも、ソーシャルメディアも発信源は「人」であり、人によって情報の質が変わる。
ソーシャルメディアは双方発信型だが「第三者(記者)」が介在しないため、
本人発言でも真実と異なることがある。
<5章電子書籍ガラパゴス村>
アメリカではヒットした電子書籍が日本ではうまくいかなかった。
アマゾンが電子書籍「Kindle」を普及させる際には、
ハード(端末)だけでなく、コンテンツ(電子書籍)販売までを見越した戦略を練っていたため、
日本大手企業を抜いて普及した。
<6章新聞なき世界で起こること>
既存メディア(特に新聞)よりも、SNSを通して無料でニュースを得る人が増えてきたことにより、
既存メディアの利益が下がり、質が下がる。
しかし、その行きつく先には、既存メディアの記者の不在による
「取材空白地域」の広まりによる、地方政治の腐敗が起こってしまう危険性がある。
<7章目前にせまるメディア融合時代>
アメリカでのネットテレビの普及からも読み取れるように、端末や業界のジャンルを超えて、ユーザーの時間や、ネットワーク支配権を奪い合うメディア融合時代が到来する。
そこでは情報過多により、個人での判断が難しくなり、キュレーション(まとめサイト)を見て、大衆が流されるように判断をするようになる。「バンドワゴン効果」
<8章ビッグブラザーが支配する監視社会>
Google「Think Insights」ページにアクセスするユーザーの属性データの統計を公開。
小説「1984年」のような、全知全能の存在が社会を監視する時代が到来するのではないか?
わざと非合理的な選択をして彼らを惑わすことくらいでしか、彼らから逃れる手段はないのかもしれない。
【感想】
IT・ネット・マスコミの世界についてすごく深く書いてある本でした。
著者がジャーナリストということもあり、SNSに大きな脅威を感じているという立場で、
実感のこもった話でした。
特に、衝撃的なトピックスをいくつか紹介します。
・Facebookの始まりは、創業者のマーク・ザッカーバーグ氏がボストン大学の女子に振られ、
その腹いせに女子大学生の顔の格付けサイト「フェイススマシュ」を立ち上げたところからはじまった。
・Facobookが目指す先は、「ネット上にローマ帝国のような共和制コスモポリタンを作ること」
であるという(根拠は、彼の伝記や、彼の受けた教育)
・GoogleとCIAが共同で、Web上の個人の全データから未来の行動を予測するプロジェクトを
行っている。
・Googleが考える次の世代は「ウェブ上で既存メディアからソーシャルメディアまでが融合し、
テレビやPC・ケータイなど全ての電気機器がみな同じ機能を持ってしまう時代(=メディア融合時代)」
そして、第七章では、「おバカほど情報をたくさん集めて失敗する」と断言し、
枠の中の断片的な情報を集めたことで満足してしまう危険性を指摘していました。
先日の投稿で「集合知」のことを書いたばっかりだったので、
自分のことを言われているようで、ドキッとしました。
どれだけ情報を集め続けても、「完全」な理解ではないという自己認識が大切だと思いました。
あと、「フリーミアム」(なんでも無料で手に入る状態)は、
実は自分の首を絞めている。という主張も、的を得ていると思いました。
メディア融合時代の到来に一方でドキドキし、一方で不安になりました。
難易度:★★☆☆☆
所要時間:約8時間
【本のテーマ】
近年、ソーシャルメディアの影響力がますます大きくなっていく中、海外メディア事情にも詳しい筆者が、日本での一方的なソーシャルメディア支持の状況に警鐘を鳴らす。
【キーワード】
ソー活、「村」、プライバシー、オープングラフ、マスメディア、ソーシャルメディア、
リターゲティング、アドエクスチェンジ、データエクチェンジ、
フリーミアム、キュレーション、バンドワゴン効果、ビッグブラザー、
ネットワーク支配権をめぐる争い、
【概要】
<1章Facebookの落とし穴>日本では、Facebookに対する正しくない認識が普及している。
(アクティブユーザー、社交クラブ(Social Club)的階層的閉鎖コミュニティ)
< 2章シリコンバレーを選挙せよ>
SNSが貧困層の結束を高める側面があると同時に、
貧困層を食い物にしている側面がある。
<3章グーグルの挑戦と野望>
グーグルを筆頭に、顧客の属性データだけでなく、顧客の行動履歴も集めるようになる。
人と人のつながりだけでなく、人と物のつながりまでデータ(オープングラフ)として収集される。
そのデータによってより効率的な広告を行うが、二つのデータを合わせると、ほぼ完全に個人のプライバシーがなくなる。
<4章ソーシャルメディ礼賛論の罠>
マスメディアも、ソーシャルメディアも発信源は「人」であり、人によって情報の質が変わる。
ソーシャルメディアは双方発信型だが「第三者(記者)」が介在しないため、
本人発言でも真実と異なることがある。
<5章電子書籍ガラパゴス村>
アメリカではヒットした電子書籍が日本ではうまくいかなかった。
アマゾンが電子書籍「Kindle」を普及させる際には、
ハード(端末)だけでなく、コンテンツ(電子書籍)販売までを見越した戦略を練っていたため、
日本大手企業を抜いて普及した。
<6章新聞なき世界で起こること>
既存メディア(特に新聞)よりも、SNSを通して無料でニュースを得る人が増えてきたことにより、
既存メディアの利益が下がり、質が下がる。
しかし、その行きつく先には、既存メディアの記者の不在による
「取材空白地域」の広まりによる、地方政治の腐敗が起こってしまう危険性がある。
<7章目前にせまるメディア融合時代>
アメリカでのネットテレビの普及からも読み取れるように、端末や業界のジャンルを超えて、ユーザーの時間や、ネットワーク支配権を奪い合うメディア融合時代が到来する。
そこでは情報過多により、個人での判断が難しくなり、キュレーション(まとめサイト)を見て、大衆が流されるように判断をするようになる。「バンドワゴン効果」
<8章ビッグブラザーが支配する監視社会>
Google「Think Insights」ページにアクセスするユーザーの属性データの統計を公開。
小説「1984年」のような、全知全能の存在が社会を監視する時代が到来するのではないか?
わざと非合理的な選択をして彼らを惑わすことくらいでしか、彼らから逃れる手段はないのかもしれない。
【感想】
IT・ネット・マスコミの世界についてすごく深く書いてある本でした。
著者がジャーナリストということもあり、SNSに大きな脅威を感じているという立場で、
実感のこもった話でした。
特に、衝撃的なトピックスをいくつか紹介します。
・Facebookの始まりは、創業者のマーク・ザッカーバーグ氏がボストン大学の女子に振られ、
その腹いせに女子大学生の顔の格付けサイト「フェイススマシュ」を立ち上げたところからはじまった。
・Facobookが目指す先は、「ネット上にローマ帝国のような共和制コスモポリタンを作ること」
であるという(根拠は、彼の伝記や、彼の受けた教育)
・GoogleとCIAが共同で、Web上の個人の全データから未来の行動を予測するプロジェクトを
行っている。
・Googleが考える次の世代は「ウェブ上で既存メディアからソーシャルメディアまでが融合し、
テレビやPC・ケータイなど全ての電気機器がみな同じ機能を持ってしまう時代(=メディア融合時代)」
そして、第七章では、「おバカほど情報をたくさん集めて失敗する」と断言し、
枠の中の断片的な情報を集めたことで満足してしまう危険性を指摘していました。
先日の投稿で「集合知」のことを書いたばっかりだったので、
自分のことを言われているようで、ドキッとしました。
どれだけ情報を集め続けても、「完全」な理解ではないという自己認識が大切だと思いました。
あと、「フリーミアム」(なんでも無料で手に入る状態)は、
実は自分の首を絞めている。という主張も、的を得ていると思いました。
メディア融合時代の到来に一方でドキドキし、一方で不安になりました。
>「おバカほど情報をたくさん集めて失敗する」と断言し、
返信削除>枠の中の断片的な情報を集めたことで満足してしまう危険性を指摘していました。
Joi(伊藤穣一)さんが言ってるのも、そういうことやんな!
高い専門性や知識を持った人が出会って化学反応を起こす事こそが、「集合知」の本当のめざすべき所やと思う!
そうなんやと思う!!!
削除JOIさんみたいにうまく繋がりを作れる人はいいけど、
それができない残りの99%くらいの一般人は、いっぱいある情報から、
どれが正しいのか分からんまま生きるしかないと気付かされた本でした( ;∀;)
けど、自分の中で信用できる人や情報を見極めていく能力は鍛えられると思うから、
そっちに視点を切り替えて頑張るぜ!