2014年8月30日土曜日

107/200 『カミングアウト』高殿円(作家)


読破!!
『カミングアウト』高殿円(作家)
発行:2011年2月 講談社文庫
難易度:★
感動度:★★
共感度:★★
個人的評価:★★
ページ数:379ペー


【本の紹介】(裏表紙より抜粋)
心の中に抱えた秘密。言ってしまったら取り返しのつかなくなるような言葉。
いまなら、言えるんじゃないのか―――。
コインロッカーに衣装を預けて複数人格を楽しむ17歳の女子高生さちみ。
ロリィタ服趣味をひた隠しにしつつそろそろ結婚もしたい、プチお局の29歳OLリョウコ。
”それ”をカミングアウトしたとき、自分は、周囲は、どう変わる?
ストレス解消、すっきりエンタメ!


【目次】

コインロッカークローゼット
オフィス街の中心で不条理を叫ぶ
恋人と奥さんとお母さんの三段活用
骨が水になるとき
老婆は身ひとつで逃亡する
カミングアウト!
エピローグ

【感想】
以前ドラマ化され話題になった「トッカン!」の著者の本ということで、
これも題名と表紙のインパクトで買った一冊。
登場する人々がそれぞれ胸にもやもやした思いを抱えていて、
最後の章でそれを大声でカミングアウトする!というシーンは、
胸がスカッとするものがありました。

その中でも、「骨が水になるとき」という章が特に印象に残りました。
46歳の独身男性が結婚を諦め自分の入る墓を探しに来ていた時に、
家出して放浪していたコインロッカーに複数人格の服を入れている「リンゴ」に出会う。
二人が話す中で「人は死んだらどうなるの?」という話になり、
「骨になって、、、、その先は、水になるんだよ。」という会話があった。
理論上は骨はカルシウムだから、最終的には水になるらしいのだけれども、
誰もそれを見たことが無いのにそう信じている。それって不思議だよね。
それと一緒で、世界には「神話」が溢れていて、
「家族」は仲良くなきゃいけない、「男」は女をリードしないといけない、
「こうあるべきだ、こうじゃなきゃいけない」
という「神話」が人々を苦しめている。

というような会話があって、深ぇ~!!と思いました。
上手く説明できませんが、、、
そういう会話を不自然な感じではなくしていて、
また、放浪女子高生が「神話」と戦って必死に「生きよう」としている姿と、
「死を思う」独身貴族の対照性が、印象的でした。
二人がお互いに見えていない世界観があるということを、
お互いが分かってそれを知りたいと思っている。
そういう思いが伝わってくるようでした。

「普通」という「神話」の下に、本当の、リアルな「生」があるんだ。
って思える一冊でした。

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