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2015年5月18日月曜日
134/200 『何者』朝井リョウ(作家)
『何者』朝井リョウ(作家)
発行:2012年11月 新潮社
難易度:★★☆☆☆
感動度:★★★★☆
共感度:★★★★★
個人的評価:★★★★★
ページ数:286ページ
【本の紹介】(Amazonより抜粋)
「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。
学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……
自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。
影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。
【感想】
この本は、久々に衝撃的だった。
吉田修一の「パレード」を読んだ時みたいに。
最後の怒涛の展開に一気に引き込まれた。
そして、最初から最後まで、小説の中て描かれていた
主人公・拓人の心の中の独白にすごい共感していたのに、
最後の最後で作者に裏切られた。笑
心の中で思うことと、それを実際に言葉にして発信すること。
その二つの間には本当は壁があるはずなのに、
Twitterというツールは、その壁をないものにしてしまうような、
そんな効果があると再認識させられました。
(かといって、思ったことを言葉にしないままもやもやさせ続けるのも、
それが本当に健全か?と言われると、、、そうとも言えない。
ということも考えさせられました。)
まず、物語の構成がすごく良いと思う。
そして、どの登場人物も、どこか「痛く」て、
意識高いように見せるよう背伸びしたり、
不安やうまくいっていないことはなるべく見せないようにしたり。
そういう一つ一つが自分自身の学生時代を
(学生時代だけじゃなく、今もまだある笑)
ありありと、生々しく思い出させられて、
突きつけられている気がして、
恥ずかしい気持ちになりました。
それくらい、リアルな若者が描かれていると感じました。
そして、最後の怒涛の展開で、登場人物に対する印象がすごく変わる。
それは、物語の中で作者によってうまくリードされていたのだろうと思うので、
もう一度、拓人の視点に惑わされすぎずに、
最後の展開を知った上で読んでみたら、
また印象が変わるのではないかな。と思いました。
僕自身はTwitterあまり楽しんでうまく使いこなせないのですが、
この物語のように、自意識と自分の感情に任せて利用したら、
(というか、「つぶやく」って、自然と自己中心的な発言になる気がする。)
やっぱり、こういう感じになるのか・・・!!
と、さらにTwitterを使いたくなくなりました。笑
Twitterに限らず、Facebookや、個人設営の「オフィシャル」ブログ等、
「自意識」を上手く飼い慣らさないと、
傍から見て「痛い」人間になる。とうこと、
けれど、たとえそう見えたとしても、自分で「痛い」と自覚しながらも、
そうしないと頑張れない、そうやって自分のやる気を奮い立たせている。
そんなリアルな感情がありありと描かれていた。
、、、もうほんとに、「痛」すぎて共感できる本だった。
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