2014年10月1日水曜日

116/200 『柳井正の希望を持とう』柳井正(ファーストリテイリング社長)


読破っ!!
『柳井正の希望を持とう』
柳井正(ファーストリテイリング社長)
発行:2011年6月 朝日新書
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:210ペー

【本のテーマ】(表紙そでより抜粋)
人は希望がなければ生きていけない。
希望を持つには人生は自分が主人公だと信念を持ち、自分に期待することだ。
「どうせ自分なんて」ではなく、「自分はこんなことができるのではないか」と
自分に期待し、人よりも少しでも得意な部分を探す。
そして、そこを一生懸命に磨けば、必ず活路は開ける。
ユニクロの経営者が全てのビジネスマンに贈る仕事論。

【目次】
第一章 自己変革を急げ
第二章 経済敗戦からの出発
     (1)日本の変革
     (2)変革を先取りするユニクロ
第三章 私の修業時代
     (1)UNIQLOの本質を考えた頃
     (2)UNIQLOへの道
     (3)修行時代に学んだこと
第四章 基礎的仕事力の身につけ方
     (1)営業現場で格闘する
     (2)ビジネスマンにとっての人脈
     (3)読書という基礎的勉強
第五章 自己変革の処方箋
     (1)若きビジネスマンへ――自分を信じよ
     (2)中堅ビジネスマンへ――失敗から学べ
     (3)上司、マネージャーへ――鬼にも仏にもなれ
     (4)経営を目指す人と経営者へ――「実行」こそが全て
     (5)すべてのビジネスマンへ――零細商店の店主のつもりで働け
第六章 希望を持とう


【感想】
柳井さんの人生の経歴と、人間性がよくわかる本でした。
経営とは「実行」である、悩み続けず、前へ進め。悩む時は紙に書き出せ。
零細商店の店主のつもりで働け。等、
様々な格言を述べていましたが、全部柳井さんの経験に基づいたものであり、
説得力とエネルギーがありました。

父親から譲り受けた小さい洋服店を原点として世界的企業にまでなった過程には、
妥協せずに、「全ての人にとって、より良いものを売りたい」という信念がありました。
そして、その信念を今でも持ち続けているというのがよく伝わってきました。
しかし、その要求のハードルの高さが、今のユニクロが「ブラック企業」と言われる所以で
あるとも感じました。
特に、各店舗の店長に対して「店長十戒」というものがあったのですが、
その条文が全て「命令形」で書かれていたのが、少し抵抗感を感じました。

柳井さんが小さな洋服店から開始したときには、きっと誰かから命令されることはなく、
自分で模索して試行錯誤して来られたのだと思います。
社員に英語の勉強を週10時間、インターネット上で学習具合を監視しながら強制したり、
店長十戒を(悪く言えば)押し付けたり、
柳井さんは社員のために良かれと思ってやっていることが、
社員にとっては重すぎる、ハードルが高すぎるということもあるのではないかな、と考えました。
しかし、世界企業にまで成長したUNIQLOを維持するためには、
仕方のない事なのかもしれない。とも考え、柳井さんの責任感から来ている方針なのだと思いました。

一番衝撃的だったのが、
柳井さんが、本人曰く大学時代には勉強をせず麻雀ばかりやっていて将来の事を考えておらず、
縁故で一度ジャスコに就職したけれど9か月で辞め、友達の家に居候させてもらいフリーター的
生活をし、その末に親の店を継いで小さな洋服店を経営し始めたというエピソードです。
柳井さんのような人でも、大学時代ってやっぱりそんなもんなのかぁ。少し安心する反面、
でもそれって、今、大学卒業後の新卒にユニクロ社員として要求しているハードルの高さと矛盾するのではないか?と考えてしまいました。

大学時代のエピソードにせよ、ファーストリテイリングが初めて上場した時に、
「これでやっと本屋で高い本を気にせず変える」と思ったというエピソード、
そして、障がい者を積極的に採用し、「人は誰しも何らかの弱いところ、傷ついたところを持っていて、健常者と障がい者との間の差は実はそんなに大きくない」と語るエピソードであったり、
随所に庶民感覚というか、人情味のある柳井さんの人柄がうかがえました。

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