『世界は終わらない』益田ミリ(イラストレーター)
発行:2015年8月 幻冬舎文庫
難易度:★☆☆☆☆
共感度:★★★☆☆
理解度:★★★★☆
個人的評価:★★★★☆
ページ数:191ページ
【本のテーマ】(裏表紙より抜粋)
書店員の土田新二・32歳は、後輩から「出世したところで、給料変わんないッスよ」と
ツッコまれながらも、今日もコツコツ働く。
どうやったら絵本コーナーが充実するかな?無人島に持っていく一冊って?
1Kの自宅と職場を満員電車で行き来しながら、仕事、結婚、将来、
一階きりの人生の幸せについて考えを巡らせる。ベストセラー四コマ漫画。
【目次】
なし
【感想】
文庫本の四コマ。
四コマと言いながらも、本一冊が連続したストーリーになっている。
また、主人公視点だけでなく、様々な人の視点に切り替わりながら物語が進んでいく。
そして、基本的に登場人物はなんとなく、「孤独」を背負っている。
物語を全体通してもどこか「鬱鬱」とした、重い、というより、
滞った、閉塞的な「どうしようもないや」というイメージが漂っている。
しかし、そんな中でも、人と人との交流を通して、心が温かくなる瞬間を描いたり、
昔の思い出や、昔読んだ「本」にまつわるエピソードを思い出し、再び感銘を受けたり、
その頃の気持ちを思い出したり、その頃とは違った想いを抱いたり。
日常の中にありそうな心の動きを描いている本だと思いました。
ただ、節々に非日常的なエピソードや話題を放り込んでくるので、
その辺はフィクションだなぁ。と感じさせられましたが、
言葉にするか、しないかは別として、
人は普段こんなこと考えていたりするのかなぁ。と思わせられる本でした。
他人の頭の中を覗けたような気分になって、
その孤独さに寂しくなったり、素朴さにほっこりしたり。
地味だけど、共感できる。そんな一冊でした。
物語の中に出てくる本や作品も、見ていたいと思いました。
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