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2015年9月6日日曜日
142/200『50歳を超えたらもう年をとらない 46の法則』 阪本節郎(博報堂)
『50歳を超えたらもう年をとらない 46の法則』 阪本節郎(博報堂)
発行:2014年9月 講談社+α新書
難易度:★★★★☆
資料収集度:★★★☆☆
理解度:★★★☆☆
個人的評価:★★★☆☆
ページ数:217ページ
【本のテーマ】(表紙帯より抜粋)
本書では「自分だけはジジババにならない」と思っていることは、決して非常識ではなく、
「次の常識」になりそうだ、ということを多くの調査分析データから示しています。
決して若づくりをしているわけではないし、白髪になったり頭部が薄くなったりもしますが、
それでも一見ジジババには見えない人も増えて来ました。
そうあり続けるためにはどうしたらよいか。そのヒントが何かしら得られれば、というのが願いです。
市場全体が構造的に大きく変わるかもしれない、
新しく大きなビジネスチャンスも生まれようとしています。
「新しい大人」としての生活や消費への前向きな意欲は大きな機会となるでしょう。
そのヒントが本書にあります。
【目次】
1 ジーンズの似合う大人になる
2. 50代を過ぎたら歳を取らない、と思ってみる
3. これから人生最高のときを創ろうとする
4. 「成熟した人」でなく「センスのある人」になる
5. 「若々しくありたい」の先には「自分は若い」と思う、がある
6. 「見た目」にこだわる
7. 自分は結構イケていると思う
8. どこまでも女性を卒業しない
9. 肩の力を抜いて自然体でいる
10. どこまでも年相応にならない また、そういう自分を変わり者だと思わない
11. 「イタい」と言われても気にしない
12. 新しい日本人の規範を作る
13. オシャレや化粧は自分のためにする
14. 新しいライフスタイルを自分たちから生み出していく
15. スマホ・タブレットも自分の道具にする
16. つねに何か新しいことを始める
17. 会社はリタイアしても社会はリタイアしない
18. 自分が将来オジイサン・オバアサンになると思わない
19. オジサン・オバサンと呼ばれても自分のことだとは思わない
20. 先端を走り続けてみる
21. 介護予防・健康ケアを自分のタスクにする
22. それでも体が弱ったら
23. 親の介護・介護予防もする
24. 夫婦すれ違いを解消する
25. 素敵な大人の二人になる
26 仲間コミュニケーションは第三の資本
27. 複数の異性と大人のお付き合いをする
28. 母娘たまには父息子
29. 祖父母が子供家族の面倒を見る新3世代へ
30. 新3世代は"教えてほしい"が秘密の扉
31. デジタル新3世代へ
32. おカネに働いてもらう
33. 新しい旅のスタイルをつくる①二人旅
34. 新しい旅のスタイルをつくる②仲間旅
35. 新しい旅のスタイルをつくる③新3世代旅
36. 食を楽しみずっとグルメ
37. 肉好きな人は栄養バランスで健康に
38. 男の料理・女の料理
39. エンタテインメントを楽しみ続ける
40. 新しい大人文化の担い手になる①一流の観客になる
41. 新しい大人文化の担い手になる②新しいトレンドの発信源に
42. 社会に「支えられる側」から社会を「支える側」になる①自助
43 社会に「支えられる側」から社会を「支える側」になる②共助
44. 社会に「支えられる側」から社会を「支える側」になる③クロスジェネレーション
45. 死に向かうのではなく 人生を全うしようとする
46. 過去と現在とこれからに感謝し、若い精神を持ち続ける
あとがき
【感想】
日経新聞で取り上げられていた本で、僕がよく読んでいる、ZIPにも出演している原田曜平さん
と同じ博報堂の人、ということで読んでみました。
が。この人の文章。個人的には読みにくかったです。
期待していたハードルが高かった分余計に。
その理由が3点。
まず1点目、この本の目的が「分析」なのか、「提言」なのかはっきりしない。
提言しているかと思いきや、分析が入り、分析しているかと思いきや、提言が入る。
これでは、「新しい大人とは、大多数がこうだから、同じように真似してみなさい」
と言っているように聞こえる。
そこはあくまで分析に留めるだけにして欲しかった。
ライフスタイルは自由に選択できるべきだし、
また、そうなりたくても簡単になれない人だっていると思うから。
(タイトルからして提言本だというのは何となく分かるのですが、
もっと分析的な感じを期待していました。。。)
2点目、分析に関しても、「行動」の分析よりも「心理」の分析が多かった。
後半は旅行や家族との関わりなどの「行動」に焦点を当てた部分もありましたが、
前半は特に、「こう思っている」とか、「こう思われたい」とか、「理想像」とか、
(例:いつまでも若々しくいたいと思いますか?言われて嬉しい言葉は?)
そういう質問項目に対する回答と、その割合だったので、
それはもしかしたら、数十年前だってそう思う人は多かったかもしれない。
もっと具体的な、現代ならではの「行動」に焦点を当てた分析でないと、
説得力にやや欠けると思う。とはいっても、「心理」分析としては興味深かったです。
3点目、文章構成。
まず46項目は多すぎる。しかもその中に重複している内容がある。
もっとポイントを絞って多くても10くらいにまとめてもらわないと、
要点を押さえて理解したくても、難しかったです。
そして、文章の書き方も、時々よくわからないところで「カタカナ」を使う。
(例:「自分だけはシニア・中高年ではない」と思う人たちを指して、
「イタい」とか「無理しているのでヤメテクレ」という議論もよくネット上では見られます。)
イタいはカタカナにするの分かりますが、なぜ「やめてくれ」まで??
そういう突然、よくわからないタイミングでカタカナを使う表現が何か所も出てきました。
この著者の年齢が50歳以上であるので、その年齢以上の方の特徴なのかな、とも思いますが、
(手塚治虫の漫画でこういうよく分からないタイミングで「カタカナ」になるの、見たことあります。)
気になってしまい内容に集中しにくいところがありました。
さて、好き勝手に、辛辣に評価しておりますが、
良かった点をあげていきます。良かった点は2点
まず1点。著者が50歳以上の人だと言いましたが、
文章表現は分かりにくかったと述べましたが、
その年代の人が「大人像」が変わってきているぞ。という本を書いたということは、
自分にとっては印象的でした。
一般的に年を召された人ほど、「こうあるべきだ!」という考えが強く、
「男はこうあるべき!」「大人はこうあるべき!」という風に主張しがちですが、
この著者は時代の変遷を感じ取り、変わってきているみたいですね、
という風に述べていることは、自分にとって意外で、
著者みたいな大人がもっと現状を、同じ立場から発信していってくれたらいいのに。と思います。
男女観も、大人観も、家族観も、全部変わってきている、
新しい定義、概念、価値観をもっと広く伝えていってほしい、
そうすることで、「新しい大人」を含めたより若い世代の人たちが生きやすくなると思う。
そういう意味で、注目すべき点だと感じました。
2点目は、「あとがき」に込められたメッセージ性。
2020年には、大人(成人)の10人に8人は40歳以上、全人口の3人に1人は60代以上になる。
という事実を述べ、少子高齢化は避けられない深刻な問題であるけれど、
しかし絶望するだけではなく、実際の「シニア」は割と元気で、
ハツラツと生きようとしているということ。
また、先進国の中で日本は先陣を切って超高齢化社会を進んでいくため、
モデルケースとして、世界各国から注目を浴びているということ。
日本が将来的にどうなるか、それをみて各国も対応を考えていくだろう。
それが言いたかったがための本文なのか、と思わされたし、
あとがきで著者も、本文に書いたことは皆に当てはまるとは限らない、
自分だけこう思っているのじゃないかと不安になっている人に安心してほしかった。
と述べているので、なら提言本じゃなくて分析本にしろよ!
、、、とツッコんでしまいました。
けど、あとがきにこの著者の人柄が見えて、良かったです。
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