2015年1月2日金曜日

124/200 『未来いそっぷ』星新一(作家)


読破っ!!
『未来いそっぷ』星新一(作家)
発行:2001年9月 新潮文庫
難易度:★
感動度:★★
共感度:★★
個人的評価:★★
ページ数:272ページ




【本の紹介】(表紙帯より抜粋)
<アリとキリギリス><ウサギとカメ>など、誰でもごぞんじの寓話の世界。
語り継がれてきた寓話も、星新一の手にかかると、ビックリ驚く大革命。
時代が変われば話も変わるとはいえ、
古典的な物語をこんなふうに改作してしまっていいものかどうか、
ちょっぴり気になりますが――。
 表題作など、愉しい笑いと痛烈な風刺で別世界へご案内するショート・ショート33篇。


【目次】
いそっぷ村の繁栄
シンデレラ姫の幸福な人生、表と裏、頭の大きなロボット、
底なしの沼、ある商品、無罪の薬、新しがりや、
余暇の芸術、おカバさま、利口なオウム、怪しい症状、いい上役、
電話連絡、やさしい人柄、つなわたり、オフィスの妖精、健康な犬、
熱中、別れの夢、少年と両親、ねらった金庫、価値検査器、企業内の聖人、
夢の時代、ある夜の物語、旅行の準備、どっちにしても、不在の日、
奇病、ふしぎなネコ、やはり、たそがれ
【感想】
いそっぷ村の繁栄では、有名な寓話に新たな解釈を加えていた。
分かりやすい文章で、短い文章でありながら、
どの短編も奇想天外なストーリーであり、星さんの才能を感じました。

印象的な中でも特に印象的だった話が2つ。

少年と両親
反抗的な少年と、言いなりになる両親、
よくある反抗期のシーンと思いきや、
最後の真実には驚きました。
両親が子供を甘やかしていた理由もすっきりしました。

不在の日
この話は短編小説の中でも異色を放っていました。
何しろ「作者が不在の小説」という世界観。
ショートショートの中では少し長く、
どこに着地するのかと不安定な感じがした後の最後のオチは、
「なるほど」と思わせられる哲学的なものでした。

今回「未来いそっぷ」ということもあり、未来的なSFが多かったです。
、、、星さんの作品は毎回割とSFが多かった気もしますが。

星新一さんのショートショートの魅力は、
おっ!と思わせられる「オチ」があることと、

随所に哲学的な教訓をさりげなく取り入れているところだと思います。

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