『女子力男子』
原田曜平(博報堂ブランドデザイン)
発行:2014年12月 宝島社
難易度:★★★☆☆
資料収集度:★★★★☆
理解度:★★★★★
個人的評価:★★★★★
ページ数:238ページ
【本のテーマ】
新消費者『女子力男子』の思考を徹底調査!
・「速水もこみち」「羽生結弦」「織田信成」も女子力男子?
・信用できる情報源は「女友達」と「お母さん」?
・硬派もマッチョもダサい?!若者のカッコイイ意識とは?
・女子力男子に響く 新商品・サービスのアイデアの芽
【目次】
序論 「男子は女子より元気がない」説は本当か
第一章 違和感だらけ?女子力男子の実態
第二章 「若者の消費離れ」、読み解くカギは女子力男子にあり
第三章 女子力男子はなぜ急増したのか
第四章 日本で世界で男子の女子化はとまらない
第五章 リアル女子力男子81人大解剖
第六章 女子力男子に響く新商品・サービスのアイデアの芽
第七章 リアルな思考丸わかり!女子力男子座談会
【感想】
「マイルド・ヤンキー」、「さとり世代」などの表現を生み出してきた原田氏の新刊。
かつての「男性像」というものが変わりつつあり、
「男性の女性化」というと、なよなよした感じをイメージされがちですが、
そうではなく、前向きな意味として、「女子力」を持つ男性が増えている。
という感じの主張が伝わってきました。
女子になりたいわけではない、あくまで男子として女子のような
「美しさ」や「優しさ」に憧れる。
かつての「男らしさ」に、「女らしさ」を取り入れた。
そんな新しい「男性像」を感じ取ることができました。
しかし、「女子力男子」があくまで「男子」なのであって、
「男性」というある一定の年齢以上の男性像を意味しないという点では、
「女子力男子」が数年後、さらに大人になった際に、
どういう言葉で、どういう風にカテゴライズされていくのか、ということを考えました。
女子力男子の中でさらに四つの領域にカテゴライズされていたのも、
とても興味深かったです。その中のいくつの「女子力男子」が、
さらに歳を重ねても同じ生き方をキープできるのでしょうか。
年上の世代の人に是非読んでもらいたいです。
そして、数十年後、様々なかつての「女子力男子」が、生きて行きやすい
世の中であることを願っています。