2014年9月9日火曜日

113/200 『日本人はこれから何を買うのか?』三浦展(消費社会研究家)


読破っ!!
『日本人はこれから何を買うのか?「超おひとりさま社会」の消費と行動』 三浦展(消費社会研究家)
発行:20113年4月 光文社新書
難易度:★
資料収集度:★
理解度:★
個人的評価:★★
ページ数:203ペー


【本のテーマ】(表紙そでより抜粋)
2035年、「一人暮らし世帯」が1846万世帯となる。
逆に、かつて主流だった「夫婦と子供世帯」は1153万世帯に減る。
平均的だと思っていた日本の家族像がもはや過去のものになりつつあるのだ。
また、「一人暮らし」というと、未婚の若者といったイメージが強かったが、
今後20代、30代の一人暮らしは減り、代わりに高齢者のおひとりさまが急増する。
「超おひとりさま社会」になることを前提に、社会全体を見渡さなければならない。
個人化・孤立化が進む中、ライフスタイルはどう変わっていくのか。
モノを買わない時代、人々は何を求めているのか。キーワードは「シェア」と
「共費」。さまざまな地域や企業の取り組みを紹介しつつ、
日本社会のゆくえを予測する。

【目次】

第一章 老若男女すべて「おひとりさま」
第二章 おひとりさま消費の現状
第三章 おひとりさまは何が欲しいのか
第四章 コミュニティという商品を買う時代

【概要】
国立社会保障・人口問題研究所のデータを元に、今後高齢者の「おひとりさま」が増加し、
また「家族」という形態も変わってくる、ということを述べ、そこから予想される消費について述べていた。

近年の傾向として、消費の各項目ごとの昨年比の増加率データを元に、
シニア男性の「若者化」、シニア・ミドル女性の「アクティブ化」、ミドル男性の「おうち志向化」、
若年女性の「男性化」、若年男性の「主婦化」などについて述べ、
かつての年齢・性別による固定的な価値観や制約がより少なくなって来ていると述べていた。

おひとりさまの欲しいものとして、様々な具体例を挙げていた。
この本の中の「おひとりさま」の構成比として、高齢者が多い、という前提があった。
買い物難民(今は「買い物弱者」という言い方に変わったらしい)にならないためのサービス、
家事代行サービス、ルームシェアのサービス、リノベーション、
など、より生活に密着したサービスを求める傾向が以前に増して高まっている。

第四章では、「超おひとりさま社会」への対応として、
コンビニに地域のコミュニティ機能を持たせた「コムビニ」(community +convenience)という概念を
提唱していた。
ただ便利なだけではなく、そこに地域のコミュニティ機能を持たせ、
地域との繋がりを感じ、助け合う社会を作り出していくことが、
「おひとりさま」が孤立・孤独にならずに安心・安全に生きていくために必要である。

【感想】
将来の日本が心配になった!少子高齢化。そして、高齢者は「おひとりさま」になる。
そんな社会でどうやって「おひとりさま」を守っていくのか。
そんなテーマについて述べた本でした。

「コムビニ」という概念はとてもユニークで、未来的だと思いましたが、
やはり、三浦展さんの本は、以前も読んだ時にも思ったのですが、
若干、理想論である気がします。
コミュニティというのは、地域性だけで成り立たせるのはとても難しいと思います。
地域性とはすなわちその中に多様性が存在し、
子どももいれば、年寄りもいるし、いい人もいれば、犯罪者もいる。
目的の共有も共通点もなければ、地域性だけではコミュニティになじめない人もいる。
そんな人も含めて、一概に「こうすればこうなる。」とは言えないものだと思います。

けれども、今後の「超おひとり様社会」を考えると、
何かしらの地域によるサポートや繋がりの創造というものが
必要なのだろうな、とも、再認識させられました。
実際に今コンビニでは、高齢者の「おひとりさま」に向けた宅配サービスや、
移動販売を行っているし、コンビニが地域に貢献する役割を持ち始めています。
しかし、そこに「コミュニティ」や「人との繋がり」という機能を持たせる、
というところまでは、辿り着けていないように思います。
というのも、民間企業はお金を稼ぐことが目的だから、個々のサービスに限界があると思うので、
今後は官民一体となったサポートが必要となってくるのではないか、と考えました。

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