『百瀬、こっちを向いて。』中田永一(作家)
発行:2010年9月 祥伝社文庫
難易度:★☆☆☆☆
感動度:★★★★☆
共感度:★★★★☆
個人的評価:★★★☆☆
ページ数:275ページ
【本の紹介】(裏表紙より抜粋)
「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは――。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった・・・!」恋愛のもつ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。
【目次】
百瀬、こっちを向いて。
なみうちぎわ
キャベツ畑に彼の声
小梅が通る
解説 瀧井朝世
【感想】
読みやすかった!映画の予告見て、「桐島、部活やめるってよ」的な、甘酸っぱくて少し苦い恋愛ありの青春小説かな、と思って買ってみたけど、短編集だとは知りませんでした。けど、どの話も設定が面白く、登場人物の人間味もあり、さくさく読めました。
解説を読むと、さらに「確かに!」って思えるこの作品の良さが書かれていました。
僕的には表題作の「百瀬、こっちを向いて」よりも、「小梅が通る」の方が好きでした。(ページ数も4つの中で一番多かった。)解説にも書かれていたけど、全編に共通するのは、主人公が「人は外見、見た目」という現実の中でひっそりと生きている、という点。「小梅が通る」は、その世界観を逆側から描いていて斬新だと思いました。
華やかな世界での恋愛と違った、この世界観の中で描かれる「淡い思い」は、恋愛って名前を付けるべきなのかどうかよくわからないと思いました。
けど、人と人の心の交流が描かれていて、不器用なんだけど誰かを大切に思う気持ちが育っていく、という過程を読んでいくと、心が洗われるような気持ちになりました。
映画では「百瀬、こっちを向いて」だけを取り上げているようです、小説は本当に短編なので、
どう膨らませるのか、という点も気になるところです。けど、向井理主演って、ひっそり生きてる感半減やん。笑 と突っ込みたくなります。映画やから視覚的に綺麗になってしまうのは仕方ないか。
あとは、作者が服面作家というのも、気になるところです。
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